久し振りのスキー | 覚え書きあれこれ

覚え書きあれこれ

記憶力が低下する今日この頃、覚え書きみたいなものを綴っておかないと...



先週末、10何年振りかにスキーをしてきました。


主人の妹夫婦が持っている別荘はトロントから車でほぼ2時間ほどのところにあるのですが、湖のほとりにあり、近くの山(丘?)が冬はスキー場になります。そこに二泊させてもらって本当に久しぶりに滑って来ました。







カナダだったら簡単にスキーができるとお思いかも知れませんが、オンタリオでは山らしいものはなく、ウィスラーやバンフのような壮大なスキー場はありません。しかし不思議な事にカナダのオリンピック級のスキー選手は多数、この地域から輩出されているのです。


その理由としては義妹たちのように、夏は湖畔で避暑、冬はプライベート・クラブでスキー、というパターンのレジャーを楽しむ人たちが多いからだと思います。子どもたちは小さい頃から週末ごとにセーリングを習ったり、スキーを習ったりして、それなりの「別荘地社会」が出来上がっているようです。優雅ですねえ。





で、スキーですが、ちびっこからティーンエイジャーまでのレーシング・チームもあり、クラブ対抗の大会が毎週末行われてけっこう皆さん、真剣にやってます。姪たちもレース着をまとってスラロームやらダウンヒルを滑っていましたが、今では二人ともレクリエーション・スキーヤーに戻っています。



私は小さい頃から父の影響でスキーをしていました。初めて滑ったのは確か7歳くらいの時で、一家でオーストリアのサン・アントンまで出かけ、いきなりドイツ語も分からないのにスキー学校に放り込まれました。両親も思い切ったことをしてくれました。


それから毎年、冬と春には二週間ほど、行ってました。それがフランスではさほど特別な事ではなく、友達も皆、同じように行っていたと思います。


日本に帰って、友達に誘われてスキーに行った時のこと。大学生が主催するツアーにまだ中学生だった私たちが特別に参加させてもらい、


「滑走日数は?」


と聞かれました。私は単純に


「えっと、7歳から始めて、全部で滑ったのが8年間だとして、年間25日、...だから200日くらい?」


と計算して、腰を抜かされました。


皆、他の人がせいぜい15とか30日とかいうレベルだったからでしょう。



まあでも本格的に私がスキーに打ち込んだのは大学時代です。いわゆる競技スキーではなく、「基礎スキー」のクラブに入り、合宿や山でのアルバイト(最後の二年はスキー学校で教えてました)で年間80日ほど滑っていました。リフトが動き出す前から、暗くなって止まるまで、一日中。


今思い返しても、あれほど何かに情熱を注ぎ込んだことは後にも先にもないと言えます。



クラブに入りたての一年生時、初めてミーティングに参加した私は態度が非常に悪くて、先輩が話をしている間もヘッドホンを首にかけ(当時はウオークマン全盛時代)、ふてぶてしく立っていたと言われています。


大学二年生まではまだ高校の同窓生とロック・バンドを組んでいたので、クラブの合宿を極秘で抜け出して、ライブハウスに出たこともあります。(合宿に戻る列車の中で、髪の毛に金色のスプレーがついてることに気づき、慌ててこすり落としました)


ところが三年生になり、自分の学年が幹部になる頃にはそんな私も正真正銘の「体育会系女子」と化し、クラブ内の序列を重んじ、先輩にはテキパキと尽くし、後輩には厳しく指導していたから不思議です。


日本の文化におけるこういった「上下関係」をあまり良く言わない人もいますが、私は個人的に素晴らしい体験をさせてもらったと思っています。(面白いことに私よりもさらに長く、13年間フランスに住んだ後、日本の大学に戻って体育会のラグビー部に所属した兄もそれを良い経験だったと言っています)


上から言われたことに何の疑問も持たずにただただ従うのはいけませんが、自分よりもその分野で長く経験を積んだ人に敬意を払うのは当然。

下の者を意味もなく虐げるのは絶対にダメだけれど、至らない部分を指摘して指導するのは先輩の役目。

規則正しい生活の中で、集団行動の仕組みを学ぶ。

チームの中で献身やリーダーシップの必要性を実感する。

そして当然、競技の中で挫折と歓喜を味わう。



本当に生き生きとした4年間でした。



とまあ、あの頃のことを語り出したら長くなるので止めますが、とにかく一時期は本当にスキーを頑張っていたわけです。


なのに皮肉な事に、雪国に留学してからこれまで27年間の内、スキーに行ったのはほんの6、7回。最初の二年ほどはロッキー山脈まで出かけたりしましたが、その後はついめんどくさくなってついつい、遠ざかってしまいました。(子供たちのホッケーと競技シーズンが重なっていたのも大きな要因ですね)


今となっては用具も変わってしまってるし、何を着て滑りに行けば良いのかさえも見当がつかないほど、浦島状態になっています。


でも、いったん(レンタルものの)靴と板を装着したら、あら、けっこう滑れるじゃないの。






でも昔の様に何時間も、という訳には行きません。


この年で調子に乗って、いきなり骨折でもしたら洒落にならん。


せいぜい2時間ほど滑って、また義妹の別荘に戻り、ストレッチをして筋肉痛を防ぎました。


あとはダラーンとソファでリラックス。






それを二日続けて、昨晩、無事に帰宅しました。


これからはもうちょっと頻繁に行こうかな、と思ったことでした。




冬の湖(まるで海です)を眺めるレニー