リクエストにお応えして:2009年世界ジュニア選手権FS | 覚え書きあれこれ

覚え書きあれこれ

記憶力が低下する今日この頃、覚え書きみたいなものを綴っておかないと...

私のところに解説の聞き取りと翻訳のリクエストを寄せてくださった方がいらしたので、ちょっと寄り道してアップします。

私の定番のCBC解説ではなくブリティッシュ・ユーロスポーツ解説

不思議なもので、同じ英語なのにカナダ(あるいはアメリカ)の解説者の話し方とか語彙とかとは、イギリスの解説者の場合、微妙に違うので、多少の違和感は覚えました。なので訳ももしかしたらところどころ、ニュアンスをとらえきれていないかも知れません。

で、リクエストを頂いたのは羽生選手の

2009年の世界ジュニア選手権のフリー演技

動画を見ると、ほとんど全編に字幕で訳が出てくるのですが、最後の2分ほどはそれがなくなります。

そこのところで解説者たちが何を言ってるのか知りたい、ということでした。。

では動画の4:41辺りから、演技が終わり、お辞儀をするところから始まります...なお、解説者の方々のことを私はあまり知りませんので、色分けはしていますが、お名前までは調べていません。ずぼらでごめんなさい。


"I’ll try the triple axel at the start, but if it doesn’t work I’ll just go on and do everything else."
「最初にトリプルアクセルをやってみて、それがダメだったら構わず残ってるものを全部やっちゃおう」(って言ってるみたいだね)

6 triples in there, there was a fall and he ran out of steam at the end, but you can forgive him that.
トリプル・ジャンプが6つ、転倒は一回、そして最後はちょっと力尽きたけどそれはこの際、許しちゃいましょう。

The quality in some of the spins was beautiful, and the smile, he was bouncing. He was bouncing to get on the ice, wasn’t he, to get away from  his coach.
スピンの質の高さ、これは素晴らしかった。そしてこの笑顔。元気いっぱいで飛び跳ねてますね。氷の上に出ていく時も飛び跳ねるように、(待ちきれないかのように)コーチから離れて行ってた?



Just love the handshake and the Japanese style of commissioning, you know, the psychological, looking “Are you focused?”, the little handshake and the goodbye. That’s how it goes at the end of the day, the little handshake and goodbye.
(コーチと)握手するところも、良いね。この日本式の送り出し方。心理的にって言うか、(生徒を)見て「集中してる?」みたいな。そして握手して、「行ってらっしゃい」、って。まあ結局はそういうもんだけどね、握手して「はい、行ってらっしゃい」みたいな。


(注:ここの部分で解説者が「日本式」と言ってことさら愉快そうに語ってるのは、コーチと選手の間の「きりっとした」関係について、だと思います。)

Yes

That’s what you’re taught to do at school.
学校でもそういう風に習うしね。


Or the push on the back
背中を押して(送り出す)ってのもあるけど。

(注:これはもしかしたらイギリス風の辛口のジョークで、「背中をドーンと突き飛ばして、さっさと行け、ってのもあるけどね」というニュアンスかも?)

– whatever, the lightness of touch, just gorgeous, the music, it was a perfect match to the music, wasn’t it.

まあそれはさておき、この軽やかさ、なんてステキなんだろ。音楽も、完ぺきにマッチしてたよね。




It IS lightness, and beautiful landing on the end of the Lutz.
ほんと、軽やかだったね。ルッツのあとの着地も美しい。


Now technically, I don’t think he’s going to get as high a mark as Song Nan.  Although the jumps aren’t as high, some of the spins were better.
技術点ではソン・ナンほど高い得点は望めないと思う。でもジャンプの高さでは負けてても、スピンはこっちの方が良かったね。





There  was more content in them, and they were faster.
(スピンの)内容が良かったし、回転もこっちの方が速かった。




So I could be proved wrong on that one, but.. there’s the fall, there will be a deduction for  that, a minus 1... but goodness, he’s lovely.
だからまあ、今後ぼくの見立てが間違ってたってことになるかも知れないけど…おっとここで転倒があったね。これでマイナス1点。でも...、まあこの子、なんてステキなんだろ。






He IS absolutely lovely.
そう、この子は本当にステキだね。


If you had to pick someone up for the future, either Song Nan whom we’ve seen, or Adam Rippon, coming on, Song Nan or this guy, Yuzuru Hanyu, you have to say for the future, my money would be on Hanyu of Japan.
将来を見越して、誰かを選べ、って言われたら、さっき見たソン・ナンとか、これからアダム・リッポンも出て来るけど、とにかくソン・ナンかこの子、ユヅル・ハニュウか、って聞かれたら、将来のことを考えたらぼくは日本のハニュウに賭けるね。




But you see this at fourteen, from a boy – we’re used to seeing the girls from the States, coming through, very early on, by sixteen... To me, they’re being interviewed at thirteen, they’re like eighteen-year olds. And I haven’t seen it so much in a boy, at this age.
14才でこれ、って…しかも男の子でしょ。アメリカの女子ではこういう風に(選手として)早熟なのは見慣れているけど、16歳で…いや13歳でインタビューされてるのを聞いてると18歳なんだろうか、って思うような。でも男の子で、この年で、っていうのはあまり見たことがないね。





He’s phenomenally good at fourteen. You never know, injury, you cross your fingers, you touch wood and hope he stays uninjured, and if mentally he can progress as well. you’re looking at a guy who’s going to  be on the podium at the World Championship.
14歳にしては驚愕するほどの上手さだね。まあそりゃあ分からないよ、怪我とかね。願わくば怪我はずっとしないことを祈りたいけど、そしてメンタル面も同じように成長したら、その内、ここにいるこの子はきっと世界選手権で表彰台に乗る。


(注:「指をクロスさせる、木製の物に触る、というのは無事を祈るときのおまじないですね)


The quality of his technical is not hard on the landings, which bodes well.
この子のジャンプの技術は幸い、着地で(体に)大きな負担を与えるようなものではないから、それは良かったね。

Good scores, and not good enough to take him in front of Song Nan
良い得点だね。でもソン・ナンの上に行くにはちょっと足りなかった。



以上です。急いだので作業が粗いですが、ご参考までに。