ジェレミー・アボットが登場すると、大きな歓声が上がりました。
「なんか今日、一番大きな観客のリアクションじゃない?」とブレンダが驚くほどの人気です。
カートはジェレミーがソチのSPで転倒し、なかなか起き上がれなかったことに言及します。それに比べてこのフリーの冒頭の4Tの見事なこと!と感嘆の声。
演技のそこかしこでぐらつきもあったけど、そんな事どうでもいい、エッジワークを見せて彼らしい演技をしたこと、それが良かった、と。
演技が終わるとブレンダが
「暖かいこの会場の観客から注がれる愛情を感じているに違いないわね」
と言います。メダルはおそらく無理だろうけど、ジェレミーは自分のプライドのために滑った、とも。
そして次に出てきたのがマキシム・コフトン選手。CBCの解説チームは彼に対してとても同情的で、ソチでは代表に選ばれていたはずなのにプルシェンコ選手のために脇に追いやられ、出場させてもらえなかったと言います。
さて、演技が始まり、冒頭の四回転サルコウをミスったコフトン選手ですが、カートは演技が終わると:
"Well, he would have really liked to have that Quad Sal back, at the beginning, that was 10, 11 points given away right there. He's thinking about that while he slowly takes his time to take a bow. That's what skaters do, they play back their program as soon as the music is over"
「あの冒頭の4Sを後悔してるね。10,11点あそこでふいにしてるから。今、ああやってゆっくり時間をかけてお辞儀をしてる間、その事を考えてる。スケーターってそんなもんなんだよね、音楽が終わったとたん、さっきまでのプログラムをもう一度、頭の中で滑ってるんだ」
そしてコフトン選手には、ロシア連盟にないがしろにされた、という背景があるから、やっと代表として大会に出たらつい力んでしまうのだ、とカートは続けます。
このフリーの演技中、彼は前半、ずっと上半身と下半身の軸がぶれてて、前のめりになっていた。
そしてこの振り付け、手の動きがなんだか「借り物」みたいな感じで、彼のものになってなかった、というのがカートの分析でした。
で、次に紹介されたのは町田選手でした。
熾烈な日本男子の戦いの中で今までなかなか目立つことが出来なかったけれど、今シーズンはようやく頭角を表した。初出場の世界選手権で優勝を狙える位置にいます、とブレンダが言うと、カートは:
「これって一年前は誰も考えなかったことだよね。でもこの一年間、彼はずっとコンスタントに良い演技をして、芸術的要素も、そしてもちろん四回転ジャンプを失敗なく飛ぶ。」
この他、私がカートらしい、と思ったコメントは
「前にも言ったけど、ぼくも同じ音楽を使ったことがあって、でも彼の方がよっぽど「ファイアー」(情熱)があるし、「バード」(羽根や鳥のようなしぐさ)もぼくより一杯、持ってる。」
でした。相変わらずダジャレが大好きなカートさんです。
この続きはまた明日。