ここ数日、ちょっとションボリしてます。
一昨日、長男がシカゴに戻ってしまいました。
アメリカの大学は新学期がカナダよりも早く始まるといっても、寮が開くのは8月の半ば過ぎ。
でもそれに先がけて夏中、思うようにできなかったトレーニングを開始するためにこんなに早く帰って行きました。(息子は大学のホッケーチームに所属しています)
えー、でもついこないだ帰ってきたばかりだと思ったのに。
その時のことは記事にもしましたが、よく見たら5月のはじめだったんですよね。
なので確かに2か月半ほどは帰省していたってことで私も文句は言えないのですが。
夏の間中、長男はバイトで毎朝早く起きていたため私も一緒に6時起きで朝ご飯を作り、お弁当を持たせてやってました。
「まあこれも短期間だから、付き合ってやろう」
という感じで頑張ったわけです。
そして終わってみるとなんともあっけない。
行ってしまった日(月曜日)はさすがにしんみりして、晩御飯の食卓では長男のいつも座る席に私が座り、あの大きな図体がここにあったんだな、と感傷にふけりました。
涙ぐむ私を主人と次男が
「ひえー」
というような顔をして目配せし合っていました。
そして昨日(火曜日)はスーパーで買い物をしている途中、クッキー売り場でつい、チョコレートの入ったものを避けようとしている自分に気が付きました。
長男はカフェインに弱いので、彼のいる時はなるべくチョコレート味のものを買わないようにしていたからです。
「ああ、でももうそんな考慮はしなくていいんだ」
と思うと、また公衆の面前で涙がじわーんと滲んで来ました。
次男はそんな私に
「今までだってあいつ、シーズンのたびに辺鄙なところのチームでプレイしてて、家にいなかったじゃん」
ともっともな事を指摘するのですが、何故か今回はちょっと様子が違うのです。
これまでは家に帰ってくるとホッとしたように風邪を引いたり、
私の作る和食を喜び、そして家を離れるのを名残惜しそうにしてたのに
今年は早く向こう(シカゴ)に戻りたい
来年はカナダじゃなくてアメリカで夏季のバイトを見つけてあっちに残りたい
などなどと言ってました。
21歳にもなって
「やっぱり家が一番いい」
と甘えられるのもある意味キモイので、息子が大学生活の場を本拠地と思ってくれるのは喜ばしいのですが、やはりちょっと寂しいわ。
しかも
あと一か月もしたら今度は次男までもが遠くの大学に行ってしまいます。
送って行った帰りの飛行機の中でさめざめと泣く自分があまりにも克明に想像できてしまってすんごい恐ろしい。
きっと周囲の人たちに遠巻きにされてしまうでしょう。
「ほんで、家に帰ってきたら犬に抱き付いてまた泣くんだろ」
と少々、投げやりに言った旦那でした。
思い返せば20年以上、常に子供たちを中心に築いてきた生活がとうとう大きく変わろうとしているのですね。
昨日のスーパーでは奇しくもクッキー売り場でおセンチになっている私の横で、中学生くらいの女の子二人を連れたお母さんがパンを選んでいました。
「お母さん、なんでいつもそんな変なパン買うかなあ」
と娘たちにからかわれる母親が、ちょっとむくれながらも楽しそうに買い物をしています。
自分もそんな時代があったのだと、懐かしく思った私でした。
特に6年前にカナダに戻ってきてからは子供たちとの接触が密でした。
毎週、長男を車に乗せて、雨の日も吹雪の日も、高速を400キロ走ってホッケーの練習に連れて行き
毎日、次男を学校まで送り、迎えに行き
車の中で交わした会話は時にはものすごく深く、楽しかった。
時には重い防具をかついで、いつもおやつを準備して
山のような洗濯物を洗って乾かしてたたんで
…と書き出したらきりがありません。
延々と続くかのように思われた子供たちとの時間が
ここに来てまるで砂時計の砂が最後には異様な速さで滑り落ちていくがごとく
私の指の間からすり抜けて行ってしまうのを呆然と見ているしかなさそうです。
あと一か月、一緒に過ごす日々を大切に噛みしめて行こうと思ったのでした。