パトリック・チャンを見直そうかな | 覚え書きあれこれ

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記憶力が低下する今日この頃、覚え書きみたいなものを綴っておかないと...


クリスマス直前の忙しい時期、よけいに忙しかったのは日本で行われていた全日本フィギュア選手権を必死こいてフォローしていたためでした。

パーティの準備やらプレゼントのラッピングをする傍ら、午前5時ごろに起きてはネットで試合結果を検索する私。

しかし甲斐あって私の応援する合格羽生クン合格(←普段、絵文字を使い慣れていないのでいつも同じやつになる)が優勝しました。

今年の3月の世界選手権で銅メダルを獲得し、鮮烈なデビューを飾った羽生選手は18歳になったばっかり。日本男子フィギュアのスーパースター、8歳年上の高橋大輔選手を破っての素晴らしい勝利でした。

私が羽生クンを贔屓にしているのは、世界でもトップレベルの華麗なスケーティングもさることながら、彼がとってもアンバランスなキャラを持っているからです。

羽生ファンにはお馴染みのことばかりですが、

彼は試合会場でもプーさんティッシュカバーを持ち歩き

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演技を終えてちょっと失敗したことをこーんなしぐさで反省したり

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かと思えば演技中は鋭い目つきをキラつかせ

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気合い十分の表情だって見せちゃうんです。

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そして極めてホンワカ・可愛い外見からは少々びっくりするほど、インタビューなどでは立て板に水って感じでよく喋り、その発言内容もとても冷静な分析から、先輩もタジタジとするような挑戦的、強気宣言だったりします。

まあ、このような事は今さら私が書かなくても羽生結弦応援ブログでは詳しく記述されているので、この記事のタイトルに挙げたテーマに移りたいと思います。

カナダは従来、男子フィギュアの名選手やチャンピオンを輩出してきたスケート王国です。ブライアン・オーサー、カート・ブラウニング、エルビス・ストイコ、ジェフリー・バトル。そして現世界チャンピオンもカナダのパトリック・チャンという選手です。

チャン選手はここ数年、圧倒的な強さでほとんどの大会で負け知らずですが、私はどーもイマイチ、彼のファンになれないで、現在に至っています。

せっかく、住んでいる国にこんなに強いスケーターがいるのに、もったいない。

いや、上手いのは分かるんです。彼のスケーティングはブレードがほとんど「氷の上に寝ている」ようで、ものすごいエッジ使いだ、というのは素人の私でも感じます。

でもなんだか彼のキャラがちょっと引っかかるというか、何というか。

で、改めてどこが引っかかるのかを検討してみました。

チャン選手は17歳のときに、8歳年上の先輩ジェフリー・バトルを抑えて初めてカナダ選手権を制しました

それから5年連続、カナダ・チャンピオンに君臨し、世界選手権はデビュー年こそ9位でしたが、18歳で2位になり、あとは2位、優勝、優勝。ちょっと低迷していたカナダのスケート界に大きな希望をもたらしたと言えます。

弁護士の父親、科学技術士の母親の間に生まれた一人っ子。英語、フランス語、広東語を操り、マンダリンも勉強中。インテリな家庭に相応しく、成績も優秀のようです。

また、口から先に生まれた、という表現がぴったりくるほど饒舌で、インタビューを聞いていてもニコニコしながらあまりにも「出来すぎ」で、こなれた表現が次々と飛び出してきます。

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そして時にはその饒舌さが災いして、揚げ足を取られる羽目になったりもします。

四回転ジャンプを飛ぶだけが能じゃない、とプルシェンコやジュベールに反論しておきながら、数か月後に自分がそのクワドをマスターしたとたん、「四回転ジャンプ万歳」みたいに手のひらを返して失笑をかったり。

中国を訪問した帰りにえらく感動したのか、「カナダよりも中国でスケートしてた方が手厚くサポートしてもらえたかも」と口にして、カナダのマスコミから大ブーイングを浴びせられたり。

チャン選手をずっと取材してきたトロント・スター紙の記者は、

「チャンには何やら奇妙なところがある。すごく落ち着いていて、己をよく知っており、非常に成熟しているかと思えば、次の瞬間、びっくりするほど間抜けでティーンエイジャー丸出し、みたいな面を見せたりする」

と、称しています。

(あれ?どこかで聞いたような、、、、)

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私はこれまでそんな彼の「お喋り」で「調子ノリ」な面がちょっと苦手だったのだと思います。

でも、考えてみると、チャン選手はうちの長男とほんの一歳しか年が違いません。

そんな若者が多少、おっちょこちょいな発言をしたからと言って、実際に彼の達成した偉業やスケート技術の高さを称えないのは心が狭いかな、という風に考えが変わってきました。

それに、羽生クンは現在、先輩の高橋大輔選手と競っているという感じで日本では報道されているようですが、私は実はパトリック・チャンの方がこれからも長い間戦っていくだろうという意味で、「本当のライバル」ではないかという気がしてきました。

非常に早い時期にスケーターとしての完成度が高いレベルに達しているところや、無邪気な容貌から漏れ出る大胆な発言、それを裏付けるような努力と実績など、意外に共通点が多い二人です。

羽生クンを応援している内に、パトリック・チャンに対する苦手意識も薄れてきたかな。

ありがたいこっちゃ。