サッカーが終わったと思ったら今度は自転車のロードレースです。
7月1日から自転車のレースの最高峰、ツール・ド・フランスが始まりました。プロローグも入れたら21日間の長丁場で、ベルギーから始まってフランスを北から南へ、東から西へと移動してまた最後は北上し、最後はパリ市内のシャンゼリゼ通りを走って劇的なゴールとなります。
子どもの頃、なんとなく見ていた憶えはあるものの、あまりどういうしくみで闘われているのかは最近まで知りませんでした。
私がフランスにいた時代はとにかくベルギー人のエディ・メルクスというレーサーがダントツで強く、フランス人のレイモン・プリドールが一生懸命、それを追いかけていたという印象があります。
でもここ数年、主人が非常に熱心にサイクリングに取り組んでいるため、自然に私も興味が沸き、毎日の放送を楽しみにするようになりました。
今年の大会ではカナダの選手が活躍を期待されたり(残念ながら6日目の事故で棄権に追い込まれましたが)、日本の選手が頑張ったり、と見所は多いです。
そこでいろいろと発見があったのですが、中でもこの競技がいかにチーム・スポーツであるのか、ということがわかりました。
それぞれスポンサーの名前をつけたチームが参加していて、チーム内のライダーの役割もきっちりと決まっています。
たいていはスター選手が一人いて、その選手のツールでの順位を最も高いところに押し上げるのに他の選手が貢献する、ということになっています。
一番の下っ端は飲み物や食べ物の供給を手伝ったり、山登りや短距離スプリントなどの局面でスター選手を敵チームから守り、向かい風を自ら防いでスターの体力を温存させたり、文字通り「捨て身」の働きを見せるのです。
面白いのはスター以外のライダーは「DOMESTIQUES」(召し使い)と呼ばれていることで、非常に「封建的」なこのスポーツの特徴が浮かび上がってきますね。それにしてもすんごい呼び方です。
話はちょっとそれますが、フランスは意外に上下関係のとても厳しい社会なのです。兄や私が10年以上ものフランス滞在から帰国した時に、日本の上下関係にあまり違和感を覚えなかったのもそのせいだと思います。
ツール・ド・フランスを見ながら、そんなことも考えたりしています。