覚え書きあれこれ

覚え書きあれこれ

記憶力が低下する今日この頃、覚え書きみたいなものを綴っておかないと...

2026年二つ目の記事です。

 

2026年1月9日は母の90歳のお誕生日でした。あいにく我々のカナダに戻る日と重なってしまったのですが、せめてものお祝いに、と思って祖父・小磯良平の美術館を一緒に訪問しました。

 

実はこの日の午後から新しい展示が始まることになっていて、無理を言って午前中の内にプレビューをさせていただいたのでした。

 

 

 

 

 

おかげさまで誰もいない時間にゆったりと、整えられたばかりの展示を鑑賞することが出来ました。

 

 

この度の特別展は、祖父が弱冠32歳の時に描いた「日本髪の娘」という作品をメインに据えたものです。1935年、つまり母の生まれる前年に制作され、間もなく李王朝のコレクションに加えられたというこの大作は、2000年代に韓国国立中央博物館でその存在を確認されるまで母も見たことがありませんでした。

 

2008年に公開された時はソウルまで出かけて行き、美しさと迫力に圧倒された、と言っていましたが、その後はもう二度と見ることが出来ないかも知れない、と思っていたそうです。

 

しかし奇しくも母の年齢と同じ、90年という年月を経て日本での展示が実現し、しかも母の誕生日に合わせたように開会したのにはなにやら深い縁を感じました。

 

 

 

 

学芸員の方の案内で館内を見て行くと、母の目に留まったのは自分の写っている家族写真でした。

 

 

 

 

 

祖父と祖母、そして真ん中にいるのが母、その左隣には伯母の姿があります。

 

 

 

 

祖父が生涯、手元に置いていたという「二人の少女」という作品にも伯母と母が描かれています。彼女たちの着ている素敵なツートーンのセーターは。祖母が自分のセーターを解いて、身頃の部分をグレーの毛糸で、そして袖は紺色の毛糸で編み直したものだと聞いています。

 

 

別の展示室には女優・八千草薫さんの肖像画もありました。ご本人の希望で小磯記念美術館に寄贈されたのだそうです。

 

 

 

 

館内には祖父のアトリエが移築されて公開されています。

 

 

 

 

 

元は御影の実家にあったアトリエなので、私は何度もこの中にドスドスと入って行っては祖父の制作過程を目の当たりにしたものです。今思い返すととんでもないことをしていたのだと分かるのですが、祖父はアトリエに人を入れるのがあまり嫌ではなかったとも聞きます。

 

とりあえず、長年海外にいた孫娘なので、多少不躾でも「仕方ないなあ」と大目に見てくれていたのかも知れませんが。

 

 

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特別展には「和装の婦人像」が多く見られますが、この「舞妓」という作品はかなり有名なものです。

 

 

 

 

1961年の作品のモデルは「久富美」さんという若い舞妓さんで、私は20年ほど前にこの方が営まれていた先斗町のお店に行ったことがあります。その当時でも大変、美しい女性でした。

 

どうやら5年ほど前に美術館にいらしてくださったようです。

 

 

 

 

 

さあ、そしてとうとう「幻の名作」とのご対面です。

 

 

それはそれは感動的でした。

 

 

 

 

絵のサイズは166センチ×136センチ、ということなので、私の背丈ほどある大作です。

 

非常にシンプルな構図ですが、祖父がまだ若く、エネルギーと才能に満ち溢れていた時代の作品とあって、母が韓国で観た時に「圧倒された」と言っていたのも納得できます。

 

スポーツでも音楽でもそうですが、生で、直に接することの迫力に勝るものはなかなかありません。

 

油彩画の、キャンバスの表面に見える絵の具の凹凸や光沢、絵筆の流れ方や力強さ、などが生々しく迫って来る感覚は何にも代えがたい。

 

 

 

 

 

絵画に込められた作者の魂は、何十年、何百年経っても観ている我々にドーンと伝わって来ます。実際、多くの作品を見ている内に、こちらの力が削がれて行くのが分かるものです。

 

同じ展示室には高島屋が復刻したという、この特徴的な着物も観られました。

 

 

 

 

現物に関しては、90年前に祖父が自ら高島屋に足を運んで、気に入って即座に購入したというエピソードが残っていますが、祖父は自分でも着物の柄をデザインしていたと母は言っていました。それにしても本当に大胆で不思議な柄ですよね。

 

そしてこの着物は実は別の作品にも用いられていたそうで、汽船会社のポスターで同じものを着ているモデルが描かれています。

 

 

 

 

ポスターではモデルの顔が変えられていますが、右に展示されている原案のデッサンでは、左端で黒い着物を纏っているのは私の祖母(つまり小磯良平の妻)なのだと母が言っていました。面白いですね。(ポスターにするには祖母の顔がちょっと地味だったからかも知れません)

 

 

 

 

 

というわけで、夫と私がカナダに戻る日に、タイトなスケジュールをやりくりして行った美術館ツアーでしたが、本当に充実していました。

 

素晴らしい展示を構成してくださった美術館のスタッフの皆さんに感謝の気持ちで一杯です。

 

皆様ももしもお時間がありましたらぜひ神戸の六甲アイランドにある小磯記念美術館に足を運んでみてください。この特別展は絶対に見応えがあると保証します!!

 

 

 

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さて、昨年のクリスマス・イブに投稿した記事ではSNSから少し離れる、ということを宣言していたと思うのですが、本当にそれを実行しているのです!

 

お陰様でクリスマスの間中、そして日本滞在中も一切、インスタグラムや「X」などを開かず(スマホからも表示を消しています)、今日に至るまでいわゆるSNSデトックスみたいなことをしています。

 

その結果、まあ本当にフィギュア界のニュースに関しては疎くなるのですが、自分の日常生活に何ら支障がないということも分かってちょっと不思議でした。

 

こちらに戻って来た日の前後に全米選手権やカナダのナショナル選手権なども開催されているのですが、全くスコアや成績なども分からず、昨日ようやくアメリカとカナダのオリンピック選考を把握した次第です(アメリカペアのオードリー&バラージが落選したのはちょっとショック、そしてカナダのスティーブン・ゴゴレフ君が選ばれたのは嬉しい)。これは私としては前代未聞のことで、なかなか新鮮だと感じています。

 

もちろん我らがりくりゅうを応援する気持ちは全く変わりませんし、彼らが元気にオークビルで練習を続けていることは分かっているので心穏やかでいられるのでしょうが。

 

オリンピックに向けて選手たちが発つまであとほんの数週間しかありませんが、最大限のサポートと、良いエネルギーを送っていこうと思っています。

 

りくりゅうファンの皆様、今年もよろしくお願いいたします!!

 

q_taroさんからは可愛い年末年始のイラストを別途、頂いていますのでこちらに掲載させていただきます。

 

クリスマス・バージョンの漫画では、璃来選手の最後の後ろ姿が激可愛い!