『少年たちの時代革命』(2021/日本公開2022)
原題は『少年』、英題は『May You Stay Forever Young』(ボブ・ディランの『Forever Young』からの一節)
監督 レックス・レン、ラム・サム
脚本 陳力行、レックス・レン
音楽 Aki
ドキュメンタリー要素も有り。モキュメンタリーという感じか。
「香港を取り戻せ、時代に革命を!」 。2019年6月香港逃亡犯条例改正反対デモが起こる。中国支配(一国二制度崩壊)に対する民主化運動の流れだ。両親が離婚し、父親は中国で仕事をし、母親は再婚相手と英国へ渡り、香港の葵盛西邨で一人暮らし をしている17歳のYY(ユー・ジーウィン)は、親友のジーユー(レイ・プイイー)とゲームセンターで遊びSNSを楽しむ傍らデモに参加するなど、普通の若者。しかし、条例改正は阻止されデモが加熱し、政府との攻防が激しくなっていき、絶望と抗議を意味する若者の投身自殺が相次ぐ。そして7月21日のデモでは、多くの若者の逮捕者を出し、その中にYYとジーユーもいた。それを機に、ずっと一緒だったジーユーが香港を去ることを決める。大好きな故郷、香港が香港ではなくなる、ジーユーもいなくなる悲しさに絶望を感じ、YYもまた死ぬことを考え、デモで知り合ったナム(スン・クワントー)に別れを告げる。
実は7月21日のデモでナムはYYに救われていたし、警察の取り調べに辛い思いをし泣き崩れる女の子には「死んでも許してはだめ」と強い言葉を送る、そんなYYの姿も見ていた。だからこそ、デモの前にYYの行方をつかみ、命を救う行動に、仲間を掻き立てる。
その仲間たち、恋人であり、英国留学が決まっている恵まれた環境にいるベル(マヤ・ツァン)、共産主義に染まった両親を持つ食堂の息子ルイス(トン・カーファイ)、頼れる姉さんソーシャルワーカーのバウ(アイビー・パン)、仲間を運ぶドライバーで母親をうつ病で亡くしているファイ(スン・ツェン)と、その年の離れた妹ゾーイ(マック・ウィンサム)、本来は敵である警察の息子のバーニズム(ホー・ワイワー)のバックグラウンドや意識を描きつつ、YY捜索に全力を尽くす姿から、国、命、友情、未来を考えさせる…。
兵士が如く自己犠牲感が強い。ナムはベルに対してその置かれてる環境の差もあって「香港はいずれ滅びる。将来性のない貧乏人が残って戦えばいい」と、英国行きが決まってるベルを送り出そうとする。ベルはもう少し楽に考えていた節もある。逃げ出せる場所があるからだろう。ジーユーもまた、英国行きが決まっているから、もうデモには参加しないし、YYには別れを告げた形になる。香港を愛し香港で生きていく人たちは何としてもと立ったのだなと思った。でも、誰もが思っていた通り、どうにもならなかった。そしてその後、次は台湾と騒がれている。日本も他人事ではないと言われ続けているのだが、どうなっている、日本政府は。
まあ、正直、私はもう若くないから諦めもできる。いや、若ければ日本を出て行っても有意義な人生を送れる可能性はあるだろう。でも日本が日本としていつまでもいつまでも地球上に憧憬の的として存在していて欲しいけどな。
ラストシーンの握り返すYYの指の動きは感動した。国を作るのはそこに住む国民。諦めてはだめなのだ。
★★★★
こにら、ボブ・ディランの歌↓
