破壊 | これ観た

これ観た

基本アマプラ、ネトフリから観た映画やドラマの感想。9割邦画。作品より役者寄り。なるべくネタバレ避。演者名は認識できる人のみ、制作側名は気になる時のみ記載。★は5段階評価。たまに書籍音楽役者舞台についても。

『破壊』(2022)

原作は島崎藤村の小説。

映画化は1948年木下恵介、1962年市川崑に続く60年ぶりとなる。

 

監督 前田和男

脚本 加藤正人(『彼女の人生は間違いじゃない』『凪待ち』他)、木田紀生

 

間宮祥太朗、石井杏奈、矢本悠馬、高橋和也、眞島秀和、竹中直人、石橋蓮司、小林綾子、七瀬公、ウーイェイよしたか、田中要次、本田博太郎、大東駿介、他。

 

自分が被差別部落(この場合、穢多非人/漢字変換が一発で出ず、差別用語として取り扱われているのかと穿った見方をしてしまった。この映画の始まりにも、時代にそぐわないが、原作を尊重して適さない用語の使用がある旨注意書きされていた。正直、クリエイションにおいてこういう気配り意味わからん)出身であることを、子供の頃から父親(田中要次)に絶対に他人に知られてはならないと教えられ育った瀬川丑松(間宮翔太郎)。努力の甲斐あり小学校の教師になった。そして師と仰ぐ思想家猪子蓮太郎(眞島秀和)に心酔していたこともあり、徐々に、生徒には慕われてること、師範学校からの友人銀之助(矢本悠馬)にも信頼されてること、また間借りする寺の養女志保(石井杏奈)に想いを寄せ、その住職(竹中直人)妻(小林綾子)から志保をすすめられたこと、それらが丑松には負担になっていく。そして衆議院議員議員選挙に向け周りがあわただしくなり、猪子蓮太郎暗殺事件が起こり、志保の身にも問題が起こる中、丑松の身分についての噂が広まり、ついに丑松は固く止められた行為に出る…。

 

丑松の身上を知り、苦悩する姿を見た生徒たちはその後どのような人間になったのか興味深い。幸運なことに、穢多として町の隅っこに暮らしていた少年は祖父の金力で上の学校へ行けることになった。志保の実の弟は勉強の大切さを知り学ぶことを約束した。ちょうど東京では女性の活躍の場も広がりをみせてきた時代、この信州の女子たちの中にはスキルをつけて世に飛び出ることになった子もいたかもしれない。まあ、小説だけど。

 

「我は穢多なり。されど恥じず」(猪子蓮太郎)

だからどうしたという気概、誇りを感じる言葉。全ての差別はこれ一言で吹き飛ばせるんじゃないかと思う。
 

同じ日本人でも身分によって差別があった。部落問題は今でも密かに話題になってる。昔、仕事で触れたこともある。おそらく、私らの世代が知る最後ではないかな。

差別だと言えば区別だと訂正するけど、どっちでもいい、民族的差別心は根強くある。それは世界レベルで。国はその国の民のものだし、その国の民とは基本純血のことだ。それを分け隔てなくしようというのがグローバル化。これはまぁ、あと50年くらいすれば実現するかもね。

 

原作や、過去の映画化のオマージュもあるのかもしれないが、しゃべり言葉が昔っぽく、2022年版でそこまでする必要性を感じなかった。

感動的なのも感動させたいのもわかる。わかるけど、ラストは半分、せめて2/3まで縮められたはずだ。冗長は逆に冷める。もったいないと思った。

 

★★★★