『狂気の桜』(2002)
原作はヒキタクニオの小説。
監督 薗田賢次
脚本 丸山昇一(『一度も撃ってません』他)
窪塚洋介、RIKIYA、須藤元気、原田芳雄、江口洋介、高橋マリ子、本田博太郎、峰岸徹、菅田俊、麿赤兒、速水典子、成瀬正孝、緋田康人、山口美也子、他。
渋谷で生まれ育った山口進(窪塚洋介)は欧米化していく昨今の日本を憂いている。友達の市川(RIKIYA)と小菅(須藤元気)とでネオトージョーというナショナリストのチームを作り、奪還(恐喝)強制(暴力)排泄(性交)と称して渋谷のゴミみたいな人間たちを粛清していく。
そんな活動に目をとめたのが右翼系政治結社青修連合同盟会長の青田(原田芳雄)。右翼団体だが、暴力団みたいなもので、山口らを取り込もうとする。しかし山口は青田には信頼をおくものの、構成員になるのは断る。市川も小菅も最初はそうだったが、やがて市川は同構成員である殺しの専門家「消し屋」の三郎(江口洋介)に惹かれ、小菅は山口との喧嘩を機に若頭の兵頭(本田博太郎)につくようになる。そうしていつの間にか青修会の内部分裂及び暴力団小西組との抗争に巻き込まれていく…。
ほぼほぼ戦って血が飛び交っていた。
白いユニフォーム(特攻服)は、狂牛病以来肉を食べない、女と遊ばない、クスリはNO、倫理的に許せないもの(ただし山口基準)もNO、まっすぐな山口そのものだった。
たまたま知り合った女子高生景子(高橋マリ子)との淡い恋も描かれるが、山口は実は奥手なのでどうにもならないのが可愛らしい。結局、狡猾な大人たちの世界に巻き込まれ傷を受ける、イデオロギーがどうのとか理想を掲げたところで、所詮山口は子供、それがどうにも甘酸っぱく、愛おしさが湧いた。
窪塚洋介、こういう役すごくハマる。『IWGP』のキングといい、ボーダーキャラが魅力的だ。憑依型俳優なのかな。
映画の中で仮面ライダーがごとく歩道橋から飛んで木を飛び越えるシーンがあり、窪塚洋介がマンションからダイブしたのはこういう気持ちだったのかしらと思った(詳細及び真実は知らない)。
江口洋介もかっこよかった。
古本屋の店主に麿赤兒。20年前になるから若かった。
で、エンドロール後のワンカットはいらなかったんじゃないかな。
本編ラストの山口のどアップの表情と叫び声の意味もつかめなかったし。(窪塚の表情は良かったんだけど)
★★★
配給 東映