【ndjc】LONG-TERM coffee break | これ観た

これ観た

基本アマプラ、ネトフリから観た映画やドラマの感想。9割邦画。作品より役者寄り。なるべくネタバレ避。演者名は認識できる人のみ、制作側名は気になる時のみ記載。★は5段階評価。たまに書籍音楽役者舞台についても。

『LONG-TERM COFFEE BREAK』(製作2021)

ndjc(New Directions in Japanese Cinema)

文化庁委託事業・若手映画作家育成プロジェクトの作品

 

監督・脚本 藤田直哉

 

ある日、キャリアウーマンの優子(藤井美菜)はキャリーバックに寝袋を持った職業は俳優だという直樹(佐野弘樹)に声をかけられる。定住する自分の住まいは持たず、いくつかの(女の)部屋を渡り歩いているという。その関係性は相手によりけりで、決まりはないという。優子はそんな変わってる直樹を気に入り、自然な流れで直樹は優子宅に居候することになる。やがて二人は結婚する。しかし、直樹の俳優業は芳しくなく家にいることが多くなっていく。優子の会社の後輩みゆき(小槙まこ)は上司との不倫でトラブルを起こし、直樹の友人翔太(遊屋慎太郎)は妻真希子(福田麻由子)に秘密で浮気をしていた上、交通事故で亡くなる不幸が起こる。みゆきと上司の関係、翔太と真希子の関係は、優子の気持ちを見つめなおす機会となり…。

 

翔太は俳優を目指す仲間だったが、鳴かず飛ばずで諦め、真希子と家庭を持つ道を選んだ。浮気はしてるけど、真希子のお腹には子供がいた。家庭を壊す気はなかった。翔太の事故車に同乗してた直樹も、大怪我を負い、しばらく俳優業はできない。潮時を感じたのだろう、実はEDであること、でも二人で克服していこうと、家庭を作る道を選ぶわけだが、優子が「子供を欲しがる女だと思った?」という(旨の)台詞を吐いてつっぱねるの、かっこよすぎた。

優子はもともと、子供がいて家族のために働く旦那様、絵に描いたような幸せファミリーには興味がなかったのだろう。翔太は亡くなったのに浮気を疑って止まない真希子、後輩の不倫の顛末も見た。そんな利のない関係も軽蔑していたと思う。往々にして仕事を楽しんでる女性はそうだ。直樹のやりたい職種に向き合ってる姿、自由さに面白みを感じていたのに違ったと、数個の会話であっという間に冷めた感じがまさにクールで良かった。

根無し草のような男に翻弄される女、そんな匂わせで始まっておきながら逆だったのが痛快だった。

 

毎度、福田麻由子の中にある怖さ、素晴らしい。

 

★★★★

 

 

制作プロダクション ジャンゴフィルム