『アフリカン・カンフー・ナチス』(2021)
ガーナ、ドイツ、日本合作映画。
監督 セバスチャン・スタイン、サミュエル・K・ンカンサ(ニンジャマン)
脚本 セバスチャン・スタイン
第二次世界大戦後、実はアドルフ・ヒトラー(セバスチャン・スタイン)と東條英機(秋元義人)は生存しており、ガーナに亡命していた。現地人をガーナアーリア人として洗脳し、そこを拠点に二人は世界征服を目論んでいた。
理不尽な圧政によって、カンフー青年アデー(エリーシャ・オキエレ)は道場を潰され、右手の指を2本落とされた上、恋人のエヴァ(ンケチ・チネドゥ)も奪われた。アデーは復讐をするために最強のカンフーを修得する旅に出る。
過酷な修行を終え、達人レベルになったアデーはヒトラーが用意した格闘技試合に挑む。生死をかけた勝負だ。そこにはかつては共にカンフーを学んだ友人アカンテ(ウォーカー・ベントル・ボアテング)もいた…。
結局アデーはガーナ民を救い、ヒトラーは爆死、東條は平和を享受する現地人と化す。
冒頭、というかオープニングから爆笑させられた。既存の映像にかぶせてコメディに落とし込んでいるのだが、ばかばかしさ全開で思わず吹き出す。
まず、何がおかしいって生きて亡命してるという設定が可笑しい。そして吹き替えが関西弁(字幕もそのようだ)。監督自らヒトラー役。東條英機役の方は素人で本職が便利屋というのも笑える。
ヘルマン・ゲーリング(マルスエル・ホッペ)も亡命しているのだけど、黒人…(白人を調達できなかったらしいw)。そして声優が天龍源一郎な上、ご丁寧に彼にだけ字幕が出る。
顔芸もある。特にヒトラーの血管切れそうなりきみ具合は何見せられてるのかわからなくなる可笑しさがある。「え、なに、なに、どしたどした??」といった感じの。
しょぼいCGも笑える。特にヒトラーの爆死シーンはひどくて可笑しくてたまらない。素で声が出る。「おいおい…ww」と。
変な余白や無駄な尺取りもしょうがないなぁといった脱力した笑いが出る。
私的ヒットは、ヒトラーのバックに飾られた垂れ幕に「達人」と書かれているのだけど、棒が一本足りないところ。気が利いてるのが、ヒトラーが奪ったアデーの恋人がエヴァという名前なところだった。
ジャンルはコメディ。
でも挿入曲のラップはなかなかいい感じ(いくつかは音楽家でもあるエリーシャが手掛けているとのこと)。
★★★★
配給 トランスフォーマー
「2」も作る予定とかで、CAMPFIREでクラウドファンディングやってます。すでに目標額には達しているので、だいぶ期待できますね。