『パージ』(2013)
(原題『The Purge』)
監督・脚本 ジェームズ・デモナコ
ルールはあるものの年に1回12時間だけあらゆる犯罪が合法となるパージが正式に施行されてから数年、アメリカの経済は確実に回復し、失業率も低下し、犯罪も激減している。
セキュリティシステムで一躍富裕層の仲間入りを果たし、豪邸を手に入れたジェームズ・サンディン(イーサン・ホーク)。しかし近隣の住民からは搾取したと良く思われていない。妻のメアリー(レナ・ヘディ)もやんわりと嫌味を言われている。息子のチャーリー(マックス・バークホルダー)は疾患持ち。娘のゾーイ(アデレイド・ケイン)は父にボーイフレンドとの交際を反対されていた。
2022年3月21日、今年も年1回のパージが始まった。
ジェームズは自社製のセキュリティシステムを稼動し、家の扉を強化シャッターでふさぐ。富裕層はだいたいこうしてロックダウンして家族を守る。しかしモニターで監視カメラの様子を見ていたチャーリーが、パージャー(参加者)に追われ助けを求めてさまよっている一人のホームレスの男(エドウィン・ホッジ)を家に入れてしまう。当然、追手はそのホームレス男を差し出せと取り引きを持ち出す。また、このロックダウンを利用して、交際を認めてもらおうと考えたゾーイのボーイフレンドヘンリー(トニー・オラー)が忍び込んでいた。
パージへの参加は自由意思だが、パージを支持している者は青色の花を玄関口に飾ることになっている。それが同志の目印であり、反対者への警告でもある。サンディン家もパージを支持しているが、パージする側にまわるなどという気は毛頭なく、静かに一夜を過ごすつもりだった。それが思わぬ事態に巻き込まれて行く…。
さすが映画なので短い時間の中で手に汗握る緊迫感がある。余計なことをしやがってと思わせる子供たち、選民意識の塊のパージャーたち、醜い嫉妬心に囚われてる人たち、それらのバランスも良くて、面白かった。
パージがすでにアメリカ国の繁栄のために、富裕層が貧困層を粛清するという目的になっている。経済負担になる貧困層を減らすのだ。貧困層には有色人種が多い。ともすると白人至上主義であり、人種差別的思想でもある。この年のパージも、過去最高の粛清人数をあげ、確実に根付いていっているという終わり方。怖い(^_^;)
★★★★