2022秋期連ドラ視聴したものまとめ③サイハラさん、つくたべ | これ観た

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基本アマプラ、ネトフリから観た映画やドラマの感想。9割邦画。作品より役者寄り。なるべくネタバレ避。演者名は認識できる人のみ、制作側名は気になる時のみ記載。★は5段階評価。たまに書籍音楽役者舞台についても。

こちら、2022年秋期連ドラ、最後まで視聴したものまとめになります。

 

 

 

『闇金サイハラさん ウシジマくん外伝』

(水曜01時28分〜TBS系列)0921〜全15話

原作は真鍋昌平の漫画(外伝は作画真鍋昌平、原作を山崎童々)。脚本は山岡真介。監督は山口雅俊土岐洋介

 

高橋メアリージュン、マキタスポーツ、宮世琉弥(みやせりゅうび)、中尾明慶、木南晴夏、光石研、勝村政信、岡崎体育、山内圭哉、野村周平、古畑星夏、やべきょうすけ、崎本大海、山田孝之、他。

 

闇金ライノーローンの犀原茜(高橋メアリージュン)が主人公。片腕に村井(マキタスポーツ)。今回、役者志望の硲(=はざま/宮世琉弥)が新人として入っている。

話は映画版のパート2の続編で、ライノーローンのケツモチだったヤクザ若琥会(にゃこかい)の熊倉(光石研)は、族上がりの愛沢連合のリーダー愛沢浩司(中尾明慶)にボコられて瀕死だったが、記憶障害はあるものの奇跡的に助かり、さらに、その愛沢もトラックに飛び込み保険金で借金返済させられたが命は助かって妻の明美(木南晴夏)とラーメン屋「爆走ラーメン・愛沢連合」を開き新たな人生を歩んでいた。そこへ犀原茜が現れる。闇金業も厳しくなってきた折り、愛沢をまたカモにしながら、地下アイドルGOGにハマる高学歴恐妻家の田中(勝村政信)と真面目な派遣社員の安藤(岡崎体育)、ホストのレオト(内藤秀一郎)にご執心のそのGQGのメンバーメロりん(矢崎希菜)、元夫のDVから逃げて風俗で働くシングルマザー桜井ともか(古畑星夏)、らをカウカウファイナンス(柄崎:やべきょうすけ、高田:崎本大海)とダブりながら食っていく。そんな中で、犀原茜に恨みを持つ半グレ集団のリーダー象山(=きさやま/野村周平)が絡み、若琥会の内部抗争に巻き込まれていく。

また、愛沢の昔の仲間(石原:笠原紳司、エイゴ:中山翔貴、オサム:松本ししまる)、敵対する豚塚(手塚みのる)、硲の友人でジャーナリスト志望の久礼野(京典羽玖きょうてんわく)が物語に関わっていく。

その他の登場人物に、かつて関わりがあったオサレエンペラーG10(藤本涼)、ケアワーカーとして働く元カウカウの債務者宇津井(永野宗典)、同じくタクシー運転手の足立(酒井敏也)や風俗嬢瑞樹(かすみりさ)、頭のおかしい怪物肉蝮(東啓介)など懐かしい面々。

 

なんだかんだ犀原茜は愛沢の助けになっていたり、交換条件はあるにしても硲の友人の力にもなっていたり、もちろん硲の将来なども考えてあげてて、なかなか人情味あふれる話だった。

やっぱり犀原茜が面白い。ふだんはハスキーボイスで静かにたんたんとしゃべるのに大事なことはキレ気味に高い声で怒鳴るというか叫ぶ、食べ方が汚い、肝が座ってる、一見何を考えてるかわからないその特殊キャラに高橋メアリージュンがきれいにハマっていていい。

懐かしいキャラクターも出てきて、面白かった。常に罰ゲームしてる雨男(平田実)も出てた。四の五の言わずにエンタメを楽しむドラマだった。

硲役の宮世琉弥は今期『君の花になる』にも出てた子だ。そのドラマはつまんなかったけど、硲役は良かった。

ホスト役の内藤秀一郎、もうちょっと見たかった。ひどい最後だったけど、良かった。

みんなうまい。

 

★★★★★

 

 

 

 

 

 

 

『作りたい女と食べたい女』

(月曜〜木曜22時45分〜NHK総合)1129〜全10話

原作はゆざきさかおみの漫画(外伝は作画真鍋昌平、原作を山崎童々)。脚本は山田由梨。演出は松嵜由衣中田博之

 

比嘉愛未、西野恵実、森田望智、中野周平、野添義弘、原田千枝子、山﨑果倫、他。

 

料理を作るのが得意で大好きな野本ユキ(比嘉愛未)だが、一人で食べられる量しか作れない。本当はもっとたくさん、皿に山盛りに作りたいのだが…。

ある日、同じマンションの女性春日十々子(西野恵実)とエレベーターで一緒になる。その女性は両手にたくさんのファストフードを持っていた。なんとなく興味がわいて聞いてみると一人で食べると言う。彼女は同じ階で降りて、一つあけて隣りの住人だった。翌日ついつい作りすぎてしまった魯肉飯を前に、春日のことを思い出す。しかして大量の魯肉飯をぺろりとたいらげてしまう春日を見て、野本はこんなによく食べる人なら理想的な量の料理が作れると思い立ち、これからも食べてくれないかと誘う。

こうして野本は存分に料理を作れ、春日は存分に食べることができる関係が出来上がる。

なぜそんなにたくさん作りたいのか、なぜそんなにたくさん食べたいのか、お互いの過去も描きながら、二人の関係が同じマンションの住人から食事を共にする知人、一緒にお出かけもする友人へ、そしてもう少し進んだ関係へと進展していく。根っこは性的マイノリティーを描いてる。心の機微をとても丁寧に描いたドラマだった。(原作未読)

 

ドラマの中では野本がレズビアンだと自覚するのだけど、その前に、アセクシャルなところがあるなと思った。でもそこらへんは曖昧でいいのだと思う。そう簡単に説明つくものでもないだろうから。実際、私の知人にも一口にレズビアンと言っても、バイだったり、成人してからなんてのもいた。人それぞれなんだと思う。

野本が同僚の佐山(森田望智)に相手が女性であることを話すのだけど、珍しくもないと驚かない佐山には時代を感じる。

良いなと思ったのは、定食屋のご飯の盛りが女性だからと少なめによそっていたのが、春日の普通盛りにしてくれという注文から、その後客の希望を聞くようになったという店側の変化。店主(野添義弘、原田千枝子)が老齢である点から、これだけでジェンダーにとらわれない時代の到来が期待できる。

二人のキャラクターも良かった。起伏がなくなんだか堅苦しい感じも否めないのだけど、説明のつかない感情に戸惑うにはこのくらい木訥としてる方がいいのかもと思った。

 

★★★(★)