2022夏期連ドラ視聴したものまとめ①OFC、プリズム | これ観た

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基本アマプラ、ネトフリから観た映画やドラマの感想。9割邦画。作品より役者寄り。なるべくネタバレ避。演者名は認識できる人のみ、制作側名は気になる時のみ記載。★は5段階評価。たまに書籍音楽役者舞台についても。

こちら、2022年夏期連ドラ、最後まで視聴したものまとめになります。

 

 

 

『オールドファッションカップケーキ』

(火曜24時35分〜フジテレビ)0816〜全5話

もともとはFODで配信されたオリジナルドラマのようで、「ノーカット完全版はFODで」と宣伝されているので地上波放送でカットされている場面もあるのだろうか。わからない。一応地上波初ということで今期ドラマに入れた。

 

原作は佐岸左岸の漫画。脚本は宮本武史。監督は加藤綾佳

 

武田航平、木村達成、水石亜飛夢、斎藤さらら、鮎川桃果、吉川玲、他。

 

出世にも興味なく世間の流行りにも疎い四十路の野末(武田航平)が、三十路の部下の外川(木村達成)との女の子ごっこを通して心のアンチエイジングをしていく中で、関係性が深まり、恋心が芽生え、気力も湧いてくる。

ゆったり、ふんわりと進む半ばあり得ないシチュエーションが心地よい。ジャンルはBLだが、たわいもない会話がメインなので、その妙を楽しむドラマかな。

 

3話目が秀逸で、外川に対して、尊敬する特別な存在だと言う割にスマホメールの返信がないことにいじけて「特別な上司ならすぐに返信するもんなんじゃないんですか、どうなんですか、は?は?」と聞く野末は最高にかわいくいじらしかった。あれは外川ぐっとくるよなと思った。IT音痴のため実は何通も返信があったのに気づけてなかっただけなのだが、「ずっと確認してたもん」の「もん」に外川が反応してるのにまったく気づいてない野末、たまらん。結局たくさんのメールがきてることに「うわ、すごいメール着てる、こわ」と言ってしまいすぐに「ごめん」とあやまる野末、最高。やりよるグリス。

4話目では合コンに行くことになった二人。外川は野末が他の女子と仲良くしてることに苛立ち深酒をしてしまう。野末もまた外川の動向が少し気になる。酔い潰れた外川を家まで送りそのまま朝を迎える。今度は体を鍛えましょうという話になり、意図せず接近する。そして合コン相手の女子からの着電に動揺した野末は慌てて帰ろうとする。それを止める外川。キスをして思いの丈を打ち明ける運びとなる。この長回しはすごく良かった。野末のどこに惚れたのかも語られる。

台詞のヒットはベンチで酔いを冷ますシーン、横になってる外川の後頭に手をのばし思い直し手を引く野末の「酔っ払いめ」。体力作りはセックスするためにも必要ですという外川に「下ネタはやめようよ」。キスされたあとの「外川、ちょっと、待って、なんで酔っ払ってる?」。外川の涙まじりの告白を聞いている野末の表情がまたいい。大正解すぎて。グリスめ…。

キスをしてしまったが、告白をしてしまったが、想いは遂げられなくてもせめて上司と部下の関係だけは保ちたい外川。頑張ってこれまで通り部下を装う中、野末の気持ちが昂ずる。同期かつ昇進済みの桐島(吉川玲)から新部署部長職への打診があり、異動を決める野末。外川とは離れてしまう。最後まで優しく自分を想って行動してくれてる外川に、ついに野末も動く。

最終話の良かった台詞は、野末も想いを告げ、めでたしめでたしとなった時、「キスしちゃいそう」という野末の言葉に、嬉しさを隠せない外川の表情と「くっそ」というはにかんだ一言。やるな〜カルメン。

野末の告白〜外川の自虐〜想いが通じ合う、までのシーンで3回場所を移動するのだけど、その効果がよく効いていた。

 

社員とのやりとりがとってつけた感が否めないし、エピソード差し込み構成がなければ流れに不自然が多いドラマ。順序立てのドラマティックなドラマではなく、叙情的、詩的。個人的には楽しめたドラマだった。

 

★★★(★)

 

なんといっても野末の素直さとボケがいい。『仮面ライダービルド』でこれでBL未経験はローグだけだと話題になってたので、見てみたかった作品。そしてあの時とのギャップよ…役者ほんと尊敬する。武田航平、素晴らしかった。

木村達成もミュージカル『プロデューサーズ』のカルメン・ギア役が素晴らしかったんで期待してた。またミュージカルで観たい。

「年齢とかマイノリティは生まれ故郷の違いや応援する球団の違い程度だ」という外川の台詞も良かった。そういう世界が早く来るといいね。

 

 

 
 
 
『プリズム』
(火曜22時〜NHK)0712〜全9話
原作は浅野妙子。脚本はねじめ彩木、久世寝子。演出は西谷真一、船谷純矢、タナダユキ
 
杉咲花、藤原季節、森山未來、若村麻由美、吉田栄作、岡田義徳、矢島健一、霧島れいか、小野莉奈、石井杏奈、寛一郎、他。
 
声優を目指していた前島皐月(杉咲花)だったがオーディションを通らず、部屋をシェアしている同じ声優志望の友人野木綾花(石井杏奈)は着実に夢に近づきつつある、そんな中でバイト先の園芸店でガーデンデザイナーの森下陸(藤原季節)に自分の作ったテラリウムを注目される。自然と二人は距離を縮め、両親の離婚から恋にも興味を持てなくなっていた皐月の心も動く。
皐月の父親奥寺耕太郎(吉田栄作)はバイで、新たにパートナー水川信爾(岡田義徳)ができたことで離婚となったのだ。母親梨沙子(若村麻由美)はずっと騙されていたんだと耕太郎を恨み、また子離れができず皐月に依存ぎみになっていた。そんな環境で愛もわからない、好きだからといって結婚には結びつかない、そんな恋愛観を皐月は持っている。
皐月のテラリウムに惹かれた陸は、今度のプロジェクトにその構想を取り入れたいと自分が勤めるガーデンプランニング会社に誘う。皐月のテラリウムのエッセンスを入れたその大きなプロジェクトが稼働するのに合わせ、ガーデナーの白石悠磨(森山未來)が迎えられる。陸も悠磨も偶然の再会に驚く。悠磨は陸が通っていた農大の講師だった。
二人は当時惹かれ合い、それが学生の間で噂が広まり、大手銀行の重役である陸の父親朔治(矢島健一)に仲を引き裂かれた。悠磨は大学を追われ、陸は勘当されたのだった。7年前のことだ。二人は初見を装い、仕事の関係に徹する。
プロジェクトが始まったある日、会社の社長西村(竹井亮介)が飛んだ。資金繰りをしなけらばならなくなった陸は父親を頼るが、’まともになったこと’を身を固めることで証明することになる。世間一般の常識的結婚が条件だ。陸の抱える親子問題の詳細を知らない皐月は、ならばと嘘の結婚をしようと融資を優先して策を持ちかける。
結婚を約束しているのならと事を早急に進めたがる朔治にあらがえず、両家の顔合わせまで事が進む。しかしその場で皐月は正直な自分の結婚観を話し、朔治の機嫌を損ねてしまう。そして悠磨が陸の会社にいることを知ったこともあって、朔治は融資を中止する。プロジェクトは中断し、社員も辞職に追いやられる。また、それなりにうまくいっていた陸との関係が、皐月が悠磨と陸の過去を知ることとなり、自分の父親や母親の心情を陸への気持ちと重ねながら思い悩み始める。
プロジェクトの残りを他社へ引き継いでもらうまで、できる限りのことをしたいと、悠磨のつてを頼り、陸、皐月とで出かけた際、「思いがあるほど整理がつかない」と話していた悠磨と陸の自然な距離感にたまりかねた皐月は二人を前に気持ちを爆発させ、三人の本心が、思いがぶつかり合う。
悠磨は悠磨なりに、皐月は皐月なりに陸の父親に会いに行き、プロジェクトはなんとか終了を迎えられる。そのガーデンは皐月の作った思い出の庭のテラリウムであり、陸の母親がまだいた頃の植物がいきいきと呼吸していた実家の庭でもあった。そして陸はそのまま会社の経営者となり、悠磨は次の仕事へ、皐月はガーデナーを目指す、三人ともそれぞれの道へ進む。
そうした数年後、皐月が請け負ったリガーデンの仕事で顔を合わせる。いつしか三人には三人なりの関係性ができていて、次はコンテストを目指そうかなどと夢がふくらむ…。
 
印象的だったのは、陸の異母妹華蓮(小野莉奈)が「ゲイなの?」と聞き、陸が「初めて男の人を好きになったからわからない」と答えていて、ふ〜んと納得する華蓮がいたこと。性別の前に人間であることが普通にあるんだなと思った。皐月の両親や、綾花の夢や恋、皐月の幼馴染の剛(寛一郎)の恋、陸の家族、そしてゲイとして生きてきた悠磨を背景に、常に普通とな何か、一般とは何か、常識とは、を問うているドラマだった。そして植物と同じように隣り合う者同士が支え合う、しかし離れていても地続きなのだ、そうして人間は生きているのだと言っていた。プリズムというタイトルは人の多様性だろうな。光の下で生きる人間はその光の屈折で多彩に見える、けれど誰もが同じ人間だということに変わりはない、という。
 
で、
 
なんだか言いたいことがだらだらとしつこくて、それはでもいっぱい言いたいことがあるせいで、だけどそれをすっきりまとめて一発で終わらせる能力がない、まるで私がこうして書いてる収拾つかない感想にもなり得てないこのブログのようだなと思った。つまり構成力がない、語彙が足りない、下手。8話完結にできたと思う。
役者はそれなりに頑張っていて、おそらくこういう演出が正解なのだろうし、8話での三人で感情あらわに話す長回しのシーンは演出としては良かったけど、もっと簡潔明瞭な台詞にできなかったのかなと残念だった。感情の吐露はだいたいヒリヒリして見てるこちら側も心が痛くなる。痛くなってもこれだという道標があれば効果的なのだけど、これにはなかった。嫌な気持ちにさせて終わりだったし、その場をどう収めて次のシーンに移ったのか不明でモヤモヤする。ただ、関係をいったんゼロにするという効力はあっただろうし、そうしなきゃ三人は次のフェーズへ行けないのもわかる。でも、でも…。
あと、キャスティング、藤原季節ではなかったし、森山未來ではなかったと思う。
 
岡田義徳、良かった。役者なんだなぁって、当たり前のことをあらためて感じた。
 
★★★
 
こちら、本作を終えての藤原季節さんのブログです↓(Twitter経由)