『おろかもの』(2020)
初公開は2019年とのこと。
シスターフッドムービーというらしい。シスターフッドという言葉、知らなかった。
女性同士の連帯や親密な関係性を表す言葉で、代表的なのが1960〜70年代のウーマンリブ運動における女性たちの行動、意識のよう。
監督 芳賀俊(はがたかし)、鈴木祥
脚本 沼田真隆
9年前に両親を亡くした高校生の高城洋子(笠松七海)は、近く結婚する兄健治(イワゴウサトシ)と二人暮らしだが、すでに婚約者の果歩(猫目はち)も同居状態。洋子は兄の結婚相手に不満があるわけではなかったが、なんとなく避けがち。そんな洋子の態度を果歩は気にしているが、健治は意に介さない。
ある日、洋子は兄が見知らぬ女と仲睦まじくしているところを見かけ、たまたま親友のシャオメイ(葉媚)に借りてたカメラで写真におさめる。まさかと思ってシャオメイに相談するが、浮気だとの同意見だった。それから探偵よろしく兄を尾行し、写真を撮り、ついに女とコンタクトを取る。女は深津美沙(村田唯)といい、兄とは結婚しようがしまいが本気で愛してるし真剣に付き合っていると言う。そんな会話の中で洋子はなんだか不思議な気持ちになる。美沙の言うことにも一理あるからだ。
それから洋子は美沙と連絡を取り合うようになり、いつしか兄の結婚式を止めようという計画で盛り上がる仲になる。まずは浮気を果歩に知らせようと匿名の手紙を送るが、果歩は動じない。その後、果歩と話す機会があり、聞いてみると、浮気のこともなんとなく気づいていたという。でも、「健治が欲しいものは彼女は持ってない」と自信満々。聞けば美沙が勤め先に現れたと言う。果歩との会話で洋子の心が揺らぎ始める。果歩の言うことももっともだし、何より、美沙より果歩の愛の方が大きくあたたかい。洋子と果歩の距離が縮まる。
なんだかんだ健治は美沙と別れ、結局、結婚式中止計画は反故にし、洋子は美沙から離れるが、美沙は結婚式に乗り込んでくる。察した果歩は健治の前にそっと立ちはだかり、(シャオメイに美沙との仲がいい感じであることを指摘されたことも浮かんでか)洋子は美沙の手を取り、式場から連れ出す…。
面白かった。
兄の浮気相手との連帯意識、兄の結婚相手との連帯意識、ついでに日本語勉強中でもあるシャオメイとの連帯、まさに女性脳の為せる技だった。言葉数が少ないのに会話がきれいにかみあって前に進んでるし、良い脚本だと思った。
ただ、希望だが、最後式場から去るのではなく、美沙の手を握りながらも席につかせ式を無事やりすごす展開の方が良かったな。それでも極度の緊張感からお腹がすく理由には充分だし。そして欲を言えば、洋子の美沙への気持ちをもう少し具体化して欲しかったかな。あと、タイトルが…^^;
★★★★
容姿のことを言うのもなんだが、洋子も健治もどこにでもいそうな感じの外見なのがリアリティがあり良かったし、果歩も一般的に見たらブスで、美沙は美人で、という結婚相手と恋人止まり女の設定がはっきりわかるのが良かった。洋子が使ってるノースフェイスのリュックもキャラクターによく合ってて細かい小物使いいいなと思った。美沙、果歩のスタイリングもしっかり考えられてると思った。芝居ももちろんいい。一般的に知られていない役者を使った作品には力があるような気がする。
笠松七海、いいな。
配給 MAP+Cinemago