️仮面ライダーフォーゼ | これ観た

これ観た

基本アマプラ、ネトフリから観た映画やドラマの感想。9割邦画。作品より役者寄り。なるべくネタバレ避。演者名は認識できる人のみ、制作側名は気になる時のみ記載。★は5段階評価。たまに書籍音楽役者舞台についても。

『仮面ライダーフォーゼ』(2011〜2012)

テレビ朝日系列 全48話

 

原作は石ノ森章太郎。

脚本 中島かずき、三条陸、長谷川圭一

監督 坂本浩一、石田秀範、柴﨑貴行、諸田敏、田﨑竜太、山口恭平、渡辺勝也

 

大筋をざっくり言うと、

宇宙に憧れ、宇宙人(プレゼンター)に呼ばれた気がした人間が、一刻も早く会いたいがために無関係の人々を巻き込んでしまって、結果てんやわんやになる話。

 

 

天ノ川学園高校2年B組に昭和のヤンキースタイルの如月弦太朗(福士蒼汰)が転校してくる。明るく情に厚い弦太朗の目標は「この学園の全員と友達になる!」。同じクラスの天真爛漫でノリのいい城島ユウキ(清水富美加)とは幼馴染みだったが弦太朗が両親の死を機に転居してしまったので久しぶりの再会だった。

子供の頃、宇宙の声を聞いて以来、ユウキの夢は宇宙飛行士になること。天ノ川学園に入学したのも理事長我望光明(鶴見辰吾)の著書に感銘を受けたから。そして宇宙科学者であった歌星緑郎博士(風間トオル)の息子の歌星賢吾(高橋龍輝)と知り合い友達になる。

体が弱く他人に心を開かない賢吾は、誕生日に届いたというゲートスイッチで、天高物置のロッカーから月へとつながるラビットハッチを見つける。ユウキと共にラビットハッチで、父親の残したアストロスイッチとフォーゼドライバーの研究開発に勤しんでいた。

そんなある日、ゾディアーツと呼ばれてる怪物が現れる。賢吾はフォーゼドライバーを試そうとするが、耐えられる体力がなく、居合わせた弦太朗に委ねる。これが仮面ライダーフォーゼの誕生となる。(決め言葉は変身時「宇宙、キターーーッ!」。なぜかユウキも一緒にポーズとって言ってる。それと「今日からダチだ!」)

 

怪物はゾディアーツスイッチにより生徒が変身していたものだった。そのスイッチは天ノ川学園理事長我望光明が開発したアストロスイッチのゾディアーツ版で、さらに進化した最強の12星座のホロスコープスを生み出すものでもある。心に欲や嫉妬心など現状に何らかの不平不満を感じている負の感情を持った生徒に作用する。

我望はかつては歌星、現在宇宙京都大学の教授江本州輝(山崎一)と共に研究を重ねた仲だったが、子供の頃聞いた宇宙の声の主プレゼンターに会いに行くのは自分であると固執し、手早く成果の出るゾディアーツスイッチの開発に切り替え仲違いしたのだった。我望はすでにホロスコープスサジタリウスとして頂点に立つ存在になっていた。

ホロスコープスには、常に自分の優位性を気にしてる校長の速水公平=リブラ(天野浩成)、我望に忠誠を誓っている秘書兼ボディガードの昔荒くれ者だった立神=レオ(横山一敏)がいる。学園はゾディアーツスイッチを自在に操る我望に掌握されつつあったのだった。そしてNo.2のヴァルゴが江本で、昔、我望側に付き、歌星を裏切り死に至らしめた。しかしそのことに後悔があり、実は内密に昴星高等学校からの交換編入生朔田流星(吉沢亮)にメテオドライバーを託し、反ゾディアーツ作戦を展開しているタチバナ(声は檜山修之)でもある。

 

一見クールだが心を許せば友情に厚い朔田流星には、ジークンドー修行を一緒にやっていた親友二郎(横浜流星)がいて、ゾディアーツスイッチにより昏睡状態に陥っていた。そして、タチバナからメテオドラバーとメテオスイッチが送られ、二郎を助けるために必要なホロスコープスアリエスに進化するゾディアーツスイッチを探していた。また、最初は自分が仮面ライダーメテオだとバレるとメテオドライバーがきかなくなると言われていて、仮面ライダー部の誰にも秘密にしていた。(決め言葉は「お前のさだめは俺が決める」「俺のさだめが嵐を呼ぶぜ」)

 

歌星は朔田の協力も得ながら40種類のスイッチを開発し、そのスイッチを使うフォーゼによりゾディアーツになる生徒を助けつつ、ユウキはもちろん、チア部で勝ち気でプライドの高い、だけど努力家の天高クイーンの風城美羽(坂田梨香子)、アメフト部で天高のキング的立ち位置だが実は優しさもあり、やがてパワーダイザーのメイン操縦士になる大文字隼(冨森ジャスティン)、霊感がありオカルト好きでIT関連に強い、「仮面ライダー部」の名付け親でもある野座間友子(志保)、チャラくていい加減なイメージだが情報通のJK=ジェイク(土屋シオン)、そして後に仮面ライダー部の顧問になるキモくて自分ファーストのご都合主義学年主任教師大杉忠太(田中卓志)らと、我望のゾディアーツ組織と戦い、学園、ひいては地球、宇宙平和までをも守る。

 

最終的には、賢吾は歌星緑郎の子ではなく、月で発見したコアスイッチで生み出したコアチャイルドであることがわかる。人間の知性体サンプルとしてプレゼンターのもとへ帰らねばならない使命があった。仮面ライダー部のみんなと育んだ友情に涙しながらもその決意するが、コアスイッチを破壊され身体が消えてしまう。しかし、最後の良心か、若かりし頃の宇宙への大きな夢を顧みてか、アクエリアスに変身した我望によってコアスイッチが修復され、人間として再び仮面ライダー部の仲間と会うことができる…。

 

メテオ登場は16話から。27話でメテオであることがゾディアーツの一人にバレて危機に立たされるも、タチバナにもう一度チャンスを与えられる。31話でアリエスを前に仮面ライダー部を裏切りメテオであることがバレる。32話で正式な仮面ライダー部の部員になる。(本編とは関係ないけど、京都修学旅行で、朔田がコスったのが沖田総司だった。吉沢は『銀魂』では沖田総悟だったのでつい反応してしまった…)

29話で大杉先生にラビットハッチと仮面ライダー部がバレる。また、仮面ライダー部に新入生から二人入部するであろうところまで描かれている。

 

子供たちに訴えるものとしては、人は一人で生きてるんじゃない、でも他人を気にして縮こまるんではなく、自分の意見を持って思うように動き、時には失敗もあるだろうけど前向きにいこうということ、こちらが心開けば相手も開くこと、友情と仲間の存在の大切さ、そして宇宙への魅力、かな。負の感情は誰にでもあるけど、それに囚われるのは自らチャンスを失ってしまうことにもつながって良いことはないってのもわかる。

 

対ゾディアーツ戦闘は2話完結型。展開はむちゃがあるけど、設定がしっかりしてるので、物語にブレはない。秘密や実は…の部分が明かされていくスピードもちょうどいい。ゴールデン帯の連ドラよりはるかに出来がいい。普通に楽しめた。

 

ヒーローものが好きだった人から聞いた話だと、『仮面ライダーフォーゼ』は異色らしい。戦いが基本学園内というのも異色だし、バカバカしいくらい明るいらしい。それより私は変身ベルトではなくナンチャラドライバーになってることや、サポートロボットとしてフードロイドを作り出していること、パワーダイザーという操縦型ロボットがあること、多くのスイッチによる変体(ステイツ)や武器があることに驚いた。それらによる技の名称は覚えきれない(笑)。玩具メーカーのタイアップもあるのかな?

 

横浜流星が出てるのにはびっくりした。他にも生徒で滝沢カレン、坂口涼太郎も出てた。

 

★★★(★)

 

 

福士蒼汰の滑舌の悪さはつらい。でも笑顔がすごく良くて、本当に楽しそうな顔をするし、感情がちゃんと表情に現れているのは素晴らしいと思った。子供番組だからわかりやすい方がいいわけで、微妙な表情なんかはいらないわけだ。で、ちゃんと面白い。ていうか、笑える。大人なので気恥ずかしさから笑う部分が多いけど。

 

ヒーローもののドラマって役者に演技の基礎を叩き込むのには適してるんじゃないかと思わせられた。ここから引き算、割り算で演技力をつけていくんじゃないかな。ヒーロー戦隊モノ出身の俳優はわりと早い段階から芝居がうまい印象がある。(その後売れる売れないは別として)