『浅草キッド』(2021)Netflix
原作はビートたけしの自伝的小説。
監督脚本 劇団ひとり
大泉洋、柳楽優弥、門脇麦、鈴木保奈美、土屋伸之、風間杜夫、尾上寛之、他。
1970年代、浅草のストリップ劇場「フランス座」でコントをやっていた深見千三郎に弟子入りするたけし。そこから師匠を超え人気を博す芸人になるまでの話を外枠に置いて、幻の芸人と言われた深見千三郎の生き方を見せる。
たけしの才能を見抜いた深見の人間性がよく描かれていて、時代性もあるけど、人を思う気持ちが惜しみなく溢れてる、人間臭さが愛おしいドラマ。深見を支える麻里の生き方もグッとくる。
テレビがカルチャーを作っていく時代で、今とどこか通じる。今はテレビより雑誌よりネットから流行が生まれるし、主流だ。テレビはオールドメディアとか言われてるし。
ツービートのネタなんて今やったら大騒ぎになるけど、あの時代はこれがウケた。新しいお笑いの誕生だった。テレビ演芸でいうなら、欽ちゃんやドリフの終わりだった。
特殊メイクもすごいんだけど、柳楽優弥のたけしへの寄せ方がすごい。でもモノマネというちゃちぃものにはなっていなくて、ちょうどいい塩梅に落ち着いてる。同じくきよし役の土屋伸之の寄せ方もうまい。難しかったろうなぁ、境界線の見極めが。監督も役者も。
★★★(★)
ビートたけしの来歴は知らないし本も読んだことない。これまでもドラマ化はされているみたいで、知らなかった。特に興味もなかったけど、きよしの方から漫才に誘ったとは意外だった。たけしは始まりはコントだったんだな。だから「オレたちひょうきん族」が成立したし、”世界の北野”と言われるようになっても被り物なんかやってるんだな。
「バカやろう、このやろう」も劇中では師匠の口癖だったけど、そうなのかな。