『インターステラー』(2014)
監督 クリストファー・ノーラン
脚本 クリストファー・ノーラン、ジョナサン・ノーラン
『テネット』がわからなさすぎて、これも確認のためもう一度見てみることにした。で、ストーリーはわかるのだけど、やっぱり細かいところが理解できてなかった。今回も2回見た。それでも専門用語やら高次元やらブラックホールだワームホールだなんて話になるとさっぱりわからない。やはりSFは苦手。
砂嵐が日常的に発生し、生活環境はもちろんだが、農作物に被害をもたらすようになっていよいよ人類の生存危機が迫りつつある世界。元宇宙飛行士のクーパー(マシュー・マコノヒー)は祖父、息子のトム、娘のマーフィーとトウモロコシ畑の農夫として暮らしていた。近頃マーフィーは本棚から勝手に本が落ちる現象を幽霊の仕業だと訴えており、ある日の巨大砂嵐の日、窓を開けっ放しにしていたマーフィーの部屋で、何かのサインかのような砂の積り方を見てクーパーは謎解きを始める。そこからクーパーは今はあるはずのない最高機密施設NASAにたどり着く。そこにはかつて一緒に研究をしたブランド教授(マイケル・ケイン)がいた。
NASAは地球上での人類の生存に限界をみて新天地を銀河に求めるラザロ計画を遂行中だった。それはプランAとされる移住計画だ。何者かによって作られたワームホールを通った先にある惑星にすでに3人の研究者が到着捜査しているという。クーパーもその任務に就いてくれないかと打診され、いつ戻れるかもわからない任務にマーフィーの強力な反対があったが、ブランド教授の娘アメリア(アン・ハサウェイ)、ロミリー(デヴィッド・ジャーシー)、ドイル(ウェス・ベントリー)ら3人の博士と人工知能ロボットターズとケースとで捜査船に乗り地球を発つ。マーフィーに時計を渡し必ず戻ると約束をして。
宇宙、こと惑星によって地球との時間の流れはまったく違う。時間と酸素、燃料を無駄にするわけにいかないので、信号が途絶えて3年になるエドモンド博士の惑星は外され、最初に降り立ったのはミラー博士の惑星で、1時間が7年になる。しかしミラーからの信号は受信していたものの数分の差で間に合わず、ミラーの残したブラックボックスも回収できずに終わる。そればかりかドイルを失い、捜査船に戻ったのが23年後だった。地球にいる家族からのビデオレターもだいぶ溜まる。
次にマン博士(マッド・デイモン)の惑星に降りる。しかしマンは人類のためと言いつつ助かりたい一心で手ひどい裏切りをする。地球時間の現在NASAでブライド教授の下で研究を重ねているマーフィーが、教授の寿命を前に重大な「嘘」を知らされるタイミングで。
その「嘘」はマーフィーからのビデオレターでクーパーも知ることとなるが、マンは知っており、もともと地球に戻れないばかりか移住など出来ないのだった。本当の目的はプランB=人類の凍結受精卵の孵化計画だった。
マンは受精卵が保管されている母船エンデュランスにひとり航路を切る。ロミリーが犠牲になり、クーパーとアメリアはマンを追う形で母船エンデュランスへ向かう。再三の制止にも関わらず、マンはドッキングを強行し失敗して宇宙へ消える。唯一マンのロボットキップの光通信機能をターズに移せたことが幸いだった。
ドッキングに成功したクーパーはエンデュランスをブラックホールガルガンチュアに近づかせ、ターズをガルガンチュアへ離しデータを得る仕事につかせる。同時に軌道にきちんと乗れ、アメリアがエドモンドの惑星でプランBが遂行できるように軽量化を図り自分もエンデュランスから抜ける。
ガルガンチュアに落ちたクーパーは四次元立方体空間にいることに気づく。そこは幼いマーフィーがいる部屋だった。未来の何者かは、過去のマーフィーの部屋の幽霊は、自分だった。ターズの収集したデータをマーフィーなら気づいて解いてくれるはずとモールス信号で送る。時間の経過が違うので、子供のマーフィーだったが、実際信号に気づいたのはNASAで研究しているクーパーが地球をあとにした年齢に達していたマーフィーだった。
それから50年あまりが過ぎ、人類はスペースコロニーを打ち上げられるまでになった。クーパーが送った信号で、ブライド教授がなし得ずやむなく「嘘」をつくことになった方程式の解をマーフィーが出したのだった。地球と宇宙の時間の経過が違うことからクーパーは無事助け出される。エドモンドの惑星のアメリアも無事だった。
次元、時空、重力、時間のからむ難しい方程式や物理学はもちろん指標になるが、最終的に人類を助けたのは、人の心にある「愛」であり、根本の生存本能だった。
吹き替えで見て、字幕も見て、だったのだけど、伏線もヒントもきっちりあるし拾うし、脚本、やっぱりうまい。演技はわかんないけど。
★★★★(★)
世のお父さんお母さん、子供には科学、数学物理学、きちんと勉強させたほうがいいですよ。人生に楽しいことが増えます。