『さよならくちびる』(2019)
原案監督脚本 塩田明彦
劇中のハルレオの楽曲は「さよならくちびる」を湊基博、「誰にだって訳がある」「たちまち嵐」をあいみょんが手掛けている。
小松菜奈、門脇麦、成田凌、他。
ハルとレオの女性デュオ「ハルレオ」はインディーズで徐々に人気も出てきていたが、解散を決める。それに伴いハルとレオ、そしてローディーのシマは全国7ヶ所をまわる解散ライブツアーを始める。ただ、表向きには普通のライブツアーで解散とは銘打たずだった。しかし、静岡から最終地の函館に着く頃には解散の噂が広まり、観客動員数は増加の一途だった。
ライブを傍らに、ハルとレオの出会い、ハルの悩み、レオの心、シマとの出会いとバックグラウンド、音楽への思いなど散りばめた夢と恋と友情、人生の葛藤を描いたドラマ。
歌声もいいし、演技もいいし、良かった。
見どころはレオの心情(の推察)。一番感情が豊かだから、あれこれ想像して惹き込まれる。レオの言動によってハルの苦悩が浮き出され、シマがクッションとなり、みごとなバランスだった。
★★★★
こんなに濃く同性の誰かと友達と繋がれたら、それがどんなに辛くても痛くても、充実した人生だったろうかと思ってしまった。
根底には恋心があるけれど、表をなぞるのは友情や信頼なので深い。シマとの関係を考えれば、性別ではなく人間愛であり、人との繋がりだったりする。羨ましくて胸が熱くなるような映画だった。
やはり、門脇麦が好きだなぁ。