二月大歌舞伎(第二部)於染久松色読販、神田祭 歌舞伎座 | これ観た

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基本アマプラ、ネトフリから観た映画やドラマの感想。9割邦画。作品より役者寄り。なるべくネタバレ避。演者名は認識できる人のみ、制作側名は気になる時のみ記載。★は5段階評価。たまに書籍音楽役者舞台についても。

二月大歌舞伎(第二部)

『於染久松色読販』『神田祭』
 
坂東玉三郎、片岡仁左衛門、河原崎権十郎、坂東彦三郎、他。
 
『於染久松色読販』(おそめひさまつうきなのよみうり)
鶴屋南北 作、渥美清太郎 改訂
土手のお六、鬼門の喜兵衛の回
二幕もの
 
名刀義光の折紙(保証書)を見つけた質屋の油屋乗っ取りを目論む九助は、邪魔な丁稚久太をフグでも女でも食って来なぁとお金を渡して追い払い、折紙をとりあえず隠しておくのにたまたま放置されてたヨメナ売りのカゴの中にひそませる。ヨメナ売りの久作が戻ってくると九助が手にしてたヨメナの取り合いになり久作は半天の袖を破かれ額に傷も負ってしまう。仲介に入った山家屋(やまがや)清兵衛が袷とお金で許してくれと事をおさめる。
ところ変わって土手のお六の家。悪婆(あくば:女形の役柄のひとつで悪どい中年女)お六は貧乏ながら煙草屋を営んでおり、そこへ煙草を買いに久作が寄り、先般のトラブルについて話をする。ついでに、もらった袷を合うように仕立て直してくれと預けて帰る。
ちょうど百両を用立てなければならなかったお六と、盗んだ名刀義光を油屋に入れたことを秘密にしていて、それを出すために百両が必要なその亭主喜兵衛は、悪巧みを思いつく。幸い、死体の入った桶が仮置きにと軒先にある。その死体、実は丁稚久太がフグに当たって亡くなったものだった。その死体を久作にして、それが大切な弟だったということにし、油屋をゆすりに行こうという計画だ。
いざ、二人で油屋へ死体を持って乗り込む。清兵衛があれやこれや確認するも、どうやら本当らしいと数両出すが、それで足りるかとふっかけるお六と喜兵衛。そうこうしてる間に、お灸で蘇生してしまった久太、そして本物の久作も現れ、お六と喜兵衛の悪巧みはあえなくおじゃんとなる。
ドタバタコメディ劇。
 
 
『神田祭』
舞踊 花柳流
 
神田祭での鳶頭と芸者の逢瀬〜夫婦の契りを交わすまでを浄瑠璃にのせた踊りで語ったもの。
当時鳶頭はモテる職業で、あちこちの女を夢中にさせていた。また、廓は流行の発信地であり、芸者はファッションリーダーとの位置付け。そんな人気者の二人の恋模様。
艶やかな芸者と粋な鳶頭のやりとり、祭囃子に合わせたとんぼ切り(アクロバティックな動き)が楽しい演目。
 
舞踊はいいな。
 
 
久しぶりの歌舞伎観劇。玉三郎と仁左衛門のコンビに至っては、仁左衛門がまだ孝夫の時代だったので、うん十年ぶりに観た。やはり今でも人気はすごい。玉三郎が仁左衛門が花道に現れるだけで観客が身を乗り出す。大向こう(声かけ)禁止なコロナ禍が恨めしい。
 
イヤホンガイドのナレーターの人が、学生時代にこの2人を知ってこんなに美しい人がいるのかと夢中になったと話していて、まさに、私もそれだった。高校生の時だ。今やお二人ともに人間国宝。
 

『於染久松色読販』では、油屋のシーンで、コロナ禍のネタの他、寺島しのぶの子供が丁稚で出ていて(寺嶋眞秀)、それをネタにされていた。