2021年1月30日にNHKで放送された引退コンサートを見た。全国放送なのでネタバレする。
世代バレるけど、山口百恵、桜田淳子、森昌子は中三トリオと言われたアイドルだった。ちょうど郷ひろみ、野口五郎、西城秀樹の新御三家とセットで、そりゃあ大人気だった。まあ、私は当時小学生だったので、リカちゃん人形以上の存在にはならず、興味なかったんだけど。アイドルに注目するようになる頃には、他にも女子心にヒットしてくるアイドルはたくさんいたし、私の中で中三トリオはずっとあんまり…な存在だった。それでも山口百恵の引退は記憶にある。どうせ数年後戻ってくるんでしょなんて思ってたけど、ガチで引退してしまってびっくりしたもんだ。
歌が上手いって言われてたけど、そんなに…というのも思ってた。3人の中では演歌の森昌子が一番上手いんでしょ、くらいなもんで、そんな記憶の中で、ほぼ初めてまともに山口百恵の歌を聴いた感じだ、この番組で。
引退時、21歳だったようだ。芸能活動およそ8年。年数にしたら短い気もするけど、学校を卒業したと思えば充分な年月だ。
「This is my trial(私の試練)」作詞作曲 谷村新司
曲調はバラード。
シルバーゴールドの当時のアイドルらしいパフスリーブの膝丈ドレス衣装で登場。マイクもゴールド。オケは生で服部克久指揮。昔の歌番組はだいたい生オケ。コンサートもほぼそうだったのだろう。アイドルのコンサートは行ったことないのでわからない。
挨拶入る。
「横須賀サンセット・サンライズ」作詞 阿木耀子、作曲 宇崎竜童
横須賀の思い出話入る。こういうのは全て脚本有りなんだろうな。当時のアイドルは今のような自由度はなかったし。歌詞の他にこういった文章も覚えなくてはならないのは大変だ。
「I CAME FROM 横須賀」作詞 阿木耀子、作曲 宇崎竜童
曲調は徐々にテンポアップしていく。
「プレイバックPart1」作詞 阿木耀子、作曲 馬飼野康二
山口百恵の歌詞はちょっと大人びた女の子を題材にしてるものが多く、だいたい通過点である恋愛模様。
自分の持ち歌についてのエピソードや語りが入る。少しのファンとのやりとりも。
「プレイバックPart2」作詞 阿木耀子、作曲 宇崎竜童
ヒット曲のひとつ。
「絶体絶命」作詞 阿木耀子、作曲 宇崎竜童
ヒット曲のひとつ。
「イミテーション・ゴールド」作詞 阿木耀子、作曲 宇崎竜童
ヒット曲のひとつ。昔々のスナックのボーイさんみたいな衣装のバックダンサー入る。これ、たぶん当時の流行り。
「愛の嵐」作詞 阿木耀子、作曲 宇崎竜童
赤系の照明が多い。ゴールドの衣装が映える。
「夢先案内人」作詞 阿木耀子、作曲 宇崎竜童
曲調は少しゆるやかに。
「謝肉祭」作詞 阿木耀子、作曲 宇崎竜童
バックダンサー再び。そのうちの1人とコラボレーション入る。目線のブレがないので、見るところは決められているんだろう。
「横須賀ストーリー」作詞 阿木耀子、作曲 宇崎竜童
曲調は再びアップテンポに。これもヒット曲のひとつ。
青春について、人との関わりについての語り入る。
「スター誕生」AGAIN 作詞 阿木耀子、作曲 宇崎竜童
衣装チェンジのため一度退場。
「ひと夏の経験」作詞 千家和也、作曲 都倉俊一
ラメ入りの真っ赤なパンツスタイルの衣装で登場。マイクも赤。これもヒット曲。ここからメドレー化。
「禁じられた遊び」作詞 千家和也、作曲 都倉俊一
ヒット曲のひとつ。初期の作品。
「冬の色」作詞 千家和也、作曲 都倉俊一
ちょっとメロディアスな曲が続く。
「湖の決心」作詞 千家和也、作曲 都倉俊一
「春風のいたずら」作詞 千家和也、作曲 都倉俊一
少しアップテンポに。
「青い果実」作詞 千家和也、作曲 都倉俊一
初期ヒット曲のひとつ。
コンセプトなのかどうか、山口百恵はチャカチャカしてない芯のある一歩ひいた女の子で、歌とは逆の品行方正かつ薄幸の印象だった。笑顔も静かで我の強さが見えない。なんで芸能人、アイドルやってんだろと不思議な感じ。だからきれいに引退できたのか。
「としごろ」作詞 千家和也、作曲 都倉俊一
デビュー曲にしてヒット曲。ここまで、ザ・歌謡曲といった歌。
「ロックンロール・ウィドウ」作詞 阿木耀子、作曲 宇崎竜童
スタンドマイクでドスをきかせたジャパニーズロックンロール。ヒット曲のひとつ。バックダンサーとコラボレーション入る。
振り付け&踊りの西条満、ソロパートダンサーの郡司行雄、7人のダンサーダンディーズを紹介。続いてオケ、コーラス、指揮者を紹介して衣装チェンジのため退場。
「いい日旅立ち」作詞作曲 谷村新司
ブルーのサテンのスリムドレスで登場。マイクも青。この曲もヒット曲のひとつ。
好きな歌、言葉、文字、について語る。
それにしてもファンがマナーが良い。というか、この当時は座って聴くのが常識だったようで、今なら少なくとも盛り上がる曲は立ち上がって聴くだろうから不思議とファンがおとなしく見える。
「一恵」作詞 横須賀恵、作曲 谷村新司
作詞は百恵本人。バラード。
「曼珠沙華」作詞 阿木耀子、作曲 宇崎竜童
これもヒットした。
11月19日お嫁に行く心境を語ってからの、↓
「秋桜」作詞作曲 さだまさし
ヒット曲のひとつ。情感たっぷりに歌い上げる。
ほぼほぼ衣装に合わせた照明が続く。
「イントロダクション・春」作詞 阿木耀子、作曲 宇崎竜童
この青いパートは嫁ぐ心模様、歌手生活終焉がテーマになってる。曲調もバラード寄り。
8年間の歌手生活について語る。だいたい語りは今歌った曲とこれから歌う次の曲とのつなぎになってる。
「不死鳥伝説」作詞 阿木耀子、作曲 宇崎竜童
「歌い継がれてゆく歌のように」作詞 阿木耀子、作曲 宇崎竜童
感謝の気持ちを込めた深いお辞儀と共に衣装チェンジへ。コーラス隊が歌う中、客席にスポットライトが舞う。
そして白いドレスに着替えて登場。マイクも白。
感謝の言葉を涙ながらにファンへ贈る。(名台詞「幸せになります」はここでだった)
いよいよクライマックス。
「さようならの向こう側」作詞 阿木耀子、作曲 宇崎竜童
終始声を震わせながら。間奏では感極まるところも。ファンの声援がまた涙を誘う。「ありがとう」の連発。
客席の各方向へ深くお辞儀。そして中央にマイクを置く、あの名シーン。せり上がる板に乗って幕が山口百恵を包む。
武道館の時計の時刻を映して終わるというなかなかな演出。本当にこの時刻で山口百恵は終了したのだからより感慨深い。
音も外れたけどご愛嬌でしょう。この時代の21歳は今と比べてずいぶん大人びている。芸能界自体が夢を売る商売である意識が強かったんだと思うし、その昔々から、年齢による精神や容姿の変化は文化、時代性から無理もなし。イメージとしては10歳とは言わずも7歳くらいの差がありそう。
初めてこの引退コンサートを見て、知らない曲もあったけど、大方は懐かしかった。阿木宇崎の曲がこんなに多かったとは思ってなかったな。
映し出された会場の「友和さんと末長くお倖せに」という横断幕が美しかった。
(このコンサートの模様はDVDになって販売されているものです)
中森明菜が聴きたい、見たい。引退してないけど。何してるんだろう、歌って欲しい。