愚行録 | これ観た

これ観た

基本アマプラ、ネトフリから観た映画やドラマの感想。9割邦画。作品より役者寄り。なるべくネタバレ避。演者名は認識できる人のみ、制作側名は気になる時のみ記載。★は5段階評価。たまに書籍音楽役者舞台についても。

『愚行録』(2017)

原作は貫井徳郎の小説。
 
監督 石川慶
脚本 向井康介(『マイ・バック・ページ』『ふがいない僕は空を見た』他)
 
妻夫木聡、満島ひかり、小出恵介、臼田あさ美、中村倫也、松本まりか、眞島秀和、濱田マリ、平田満、他。
 
出版社の雑誌編集部で記者をやっている田中武志には妹・光子がいて、その妹が子供への虐待で捕まった。その件で仕事にいまひとつ気が乗らない中、エリートサラリーマン田向(たこう)浩樹とその妻と子供が惨殺された迷宮入りの事件を取材担当する。大学時代から社会人時代まで田向のまわりにいた人たちにインタビューしていくうちに、人の記憶のあやふやさ、いい加減さ、都合の良さが露呈していく。そして事の発端まで遡り…。
 
根底に流れるのはすごく重いテーマだけど、現実には意外にあるようだ。純真無垢、真っ直ぐ育つことを親は子供に願うけれど、人生経験のない子供や育ちが違うあかの他人にはそんな親心など知ったことじゃない。人間社会において摩擦なしで生きるなど不可能。生まれ落ちた時点ですでに人の手に抱かれているのだから。親は倫理や道徳を教えるくらいしか出来ない。
 
出てくる人物像も容易に理解でき、良い作品だった。
 
★★★★★ 
 
 
妻夫木聡うまいなぁ満島ひかりうまいなぁ。この2人、人間の深淵をやらせたらピカイチの部類だと思う。妻夫木聡は『悪人』のとき、私の中ではイメージ変わって、"ああ、出来る人だったんだ"と思った。それからもけっこう重く深いキャラや作品をやっている印象。40歳でここまでくれば役者として安泰だろうなぁ。