皆さんは

お子さんとコミュニケーションを取る時

気をつけていることはありますか?

 

大人はとかく

言葉に頼りがちになりますが

子どもはそうではありません。

 

子どもは大人より

言葉の裏側にある

相手の本音を読み取っています。

 

言葉が未熟な年齢ほど

その傾向は強くなります。

 

 

ある発達の遅れている

幼児のグループがありました。

子どもの年齢は3〜5歳です。

 

母親も参加することがあり

一緒に遊びに加わります。

 

母親たちは

子どもに優しく話しかけ

子どものことは「可愛い」というのだそうです。

一見すると

発達の遅れていない子どもの母親と

変わらないように見えます。

 

しかしアンケート調査を行ってみると

実に

80%以上の母親が

「本当は産みたくなかった」

と答えていました。

 

 

これを「ダブルバインド」(二重拘束)と言います。

 ダブルバインドはベイトソンによって提唱されました。

2人以上間で行われるコミュニケーションのうち

送られてくるメッセージ(言語的:愛情)

それと矛盾する裏のメタメッセージ(非言語的:敵意)

送られてくる状況

を指します。

この状況に置かれた人を、ベイトソンは「犠牲者」と呼んでいます。

 

「可愛い」と言って優しくしてくれる母親と

「本当は産みたくなかった」と思っている母親の

メッセージを同時に受け取り

子どもはどちらの母親を信じ

どう反応してよいか分からなくなり

混乱してしまうのです。

 

 

このコロナ禍でも同様の話を耳にします。

 

ある中学生の女の子が

一時的な学校閉鎖で家にいると

母親から

「学校に行け、学校に行け」と言われるのだそうです。

 

それを聞いて女の子は

「そんなにお母さんは

 私にコロナになってもらいたいのかな。」

と思ったと言います。

 

それを父親に相談したところ

お前は間違っていない。

 お前の方が正しい。」

と言われ救われたというのです。

 

おそらくその母親は

言葉の上では

「学力が下がらないため。お前のため。」

と言っていると思いますが

 

子どもはその裏側にある

母親の本心を

しっかり感じ取っているのです。

 

 

ベイトソンはこうも言っています。

子供が真にこの状況から逃れることのできる唯一の方法は、

 母親によって放り込まれた矛盾する立場に論評を加えることである。

 しかしそうしてみたところで、

 その論評を愛情のない母親だという自分に対する非難として受け止める彼女

 子供を罰するか、お前の状況理解は歪んでいると激しく主張するだろう。」

 

 

親子関係を見ていると

ダブルバインドの親は少なくありません。

 

コロナ禍

「子どもは外で遊ぶもの」

「子どもは学校に行くもの」

と主張する親の中にも

 

本音には

「子どもと一緒にいたくない」

「子どもとっしょにいるのが苦痛」

という親は少なくありません

 

そして

そういう親ほど

自分の子どもに対する陰性感情を自覚していません

 

 

どんなに言葉で取り繕っても

親の本心は

子どもに伝わっています

 

 

 

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