こどもを亡くした。

同時に友達を失った。

長く続けてきた保育士の仕事が悲しくて出来なくなった。

それでも夫がいれば生きていけた。

絆は更に深まっていた。


夫をなくした。


もうこれ以上無くすものはないと思ってた。


夫の初めての命日に夫家族の代理人から遺留分侵害、債務返済請求、医療事故に関する示談金の開示の通知書が届いた。

終わったと思った。

私にとっては夫、あちらにとっては息子や兄を亡くした気持ちがわかる唯一の方だと思っていたから。

夫は遺言書を残していた。妻に全て相続させると。

その気持ちに背く請求に私は人間を信じる気持ちを失った。

債務返済って。債務なんてないのに。

医療事故も示談金も取得していない。

この事件で多額なお金を失った。


通知書が届いた1週間後、がんに罹患している事が分かった。

精神的苦痛、肉体的苦痛を1人で抱えるのに必死だった。

健康を失った。

オペの後遺症で唯一持っていたスキルも失った。


もう無くすものはない。