メトロポリタン美術館のエジプトの展示物の数は本当に多いです。エジプトのカイロ美術館に次ぐコレクションの数を誇っていると聞いています。

古代エジプトのこのブルーの焼き物の色は本当に美しいです。このブルーをエジプシャンブルーと言います。このブルーは、古代エジプトの空とナイル河の色を示していると言われています。なんとも美しい色です。

このブルーの顔料は水晶と銅とナトロン(いわゆる塩)を混ぜて丸くして焼いてその焼き物を粉にしてパウダー状にして顔料として使われたそうです。古代エジプトでは、この色の焼き物を作る技術をなんと紀元前3000年くらいに生み出していたというから驚きです。これは世界最古の合成顔料だそうです。

エジプト人たちは、ファラオのお墓に色をつけるためにこの色を生み出したとのことです。そして、宝飾品などにも用いたのです。この深い青色は本当に美しいです。そして驚くことにこの5000年ほど前に焼かれたものの色が今もなおその美しさを失うことなく真っ青なのには、その顔料の耐久性のすごさに驚かされます。古代エジプト人って本当にすごいです。

こんなにも美しい色のビースのネックレスをどうやって作ったのでしょうか?これを身につけた人はさぞかし位も高い方だったのかしら。

そしておなじみのメトロポリタン美術館のマスコットのカバのウイリアムもエジプシャンブルーの焼き物です。カバは獰猛な動物です。沼地に生息するこの獰猛な道具つは亡くなった人を守るという意味でもミイラと一緒に収められてたそうです。ウイリアムの背中に施されている絵はハスの花です。ハスの花は砂漠であるエジプトの数少ない沼地に生息する花で、これはこれは貴重なものだったそうですから、高貴の方しか手にすることのできないものだったそうです。このウイリアムはきっと高貴な方のお墓に安置されていたのでしょう。

メトロポリタン美術館のエジプトのセクションには、数多くのエジプシャンブルーのものが展示されています。この美しいブルーを見ているだけで、古代エジプトのロマンを感じることができます。古代エジプトの空とナイル河はこんな色だったのでしょう。