★トランプレポート 第13弾  素人大統領で優秀な経営者トランプの国際政治経済ゲーム | 森田謙一の人生 BRZレース・株式投資・馬主・サックス・ゴルフ・クレー射撃

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こんにちは森田謙一です。

 

★トランプレポート 第13弾  素人大統領で優秀な経営者トランプの国際政治経済ゲーム

 

トランプ大統領は「日本は円安ドル高誘導をしている」と言い、日本は「金融緩和は世界的兆候」であり、日本だけがおこなった事ではないと云うことで、円安誘導はしていないと云っています。

 

アベノミクスの成功は「異次元金融緩和」による「円安」ということは誰でも知っています。逆に云えば安倍政権は規制緩和も構造改革も行わず、日銀の金融緩和しかしなかったということです。

 

2016年の米国の国防予算は687700億円で、日本の2015年の防衛費は約5兆円となっています。

 

素人がこの数字の違いを見れば、誰でも日本は汚い、米国の駐留経費は日本が全額払うべきとおもうのではないかと思います。

 

◆欧州車は売れ、米国車は売れない理由を、日本は米国車の努力が足りないと云いますが、米国は「今すぐ、日本で米国車が売れるようにしろ」と言っているのであって、米国車が売れない理由は「知っていて云っている」のだと思います。つまり、理屈で言えば日米の防衛費の違いを説明できない(日本は世界3位の経済大国)ことと同じだと思います。

 

トランプ大統領は「理屈」を聞きたいのではなく、結果を出せと言っているのであり、安倍総理や日本の経営者の説明を聞きたいわけではありません。

 

これが分からずに、会談中、トランプ大統領は誤解していると言い続けますと、トランプ大統領は途中で「もういい」と言って、席を立つかもしれません。

 

この手法は「理屈ではなく実益」という経営者の当たり前の考え方です。

 

 

◆経営者の弱点

これは「持てる者の弱点」でもあります。それは「無駄に正面から戦わない」と言うことです。オーストラリアの首相との電話を途中で一方的に切ったと言って非難されていますが、切ったのは「これ以上、話してもラチはあかない。逆に傷を深くするので、ここは一旦切って、お互いに冷静になってからまた電話したほうがよい」と考えた事が一つ。

 

もうひとつも、経営者がよく使う手です。それは「切れて、無理難題を云い続ける」という芝居を行う事で「相手に潜在的プレッシャーを与え」て、次に会う時に「自然に圧迫感を感じさせて」交渉を優位に運ばせるというやり方です。

 

「千三屋」とは1000に三つしか本当のことを云わないと云います。実は1000に三つ本当のことを云わないという意味ですが、本当の意味は「勝つための言葉の戦い」なので、勝つために必要な事しは云わないという意味になります。

 

千三屋とは「株屋」「宝石屋」「不動産屋」ですが、彼ら以上なのが経営者です。交渉時に「本当のことを云わない」のではなく「自分に優位な事を云う」のが経営者であり、トランプ大統領は経営者、それもオーナー経営者ですから、この手法は得意だと思いますし、十分に活用しているのかもしれません。

 

◆もうひとつの例です。

経営者は無駄な戦いをして、戦いに無駄に時間を掛けるのは「効率的ではない」と思います。

従って、メキシコの大統領に脅しを掛けた時に、大統領が正面から戦いを仕掛けて、メキシコは訪米を中止したのですが、これに対してトランプ大統領はメキシコの大統領に直接電話をして「国境の壁もんだいは棚上げにして、出来ることから交渉しよう」というように方向転換しました。

 

これは「国境の壁問題に対して、無駄に時間を使うのは得策ではないので、一旦は棚上げにして、時間に余裕ができたら再び取り上げればよい」と考えたのだと思います。

 

 

◆トランプ大統領の行動や発言がどこまで本当なのかは誰にもわかりません。大統領令を発しても「止める」ことが出来ます。従って、色々なアドバルーンを打ちあげて「何をするかわからない人」と思わせて、深層心理に恐怖心を持たせると同時に「相手の対応を事前に知る」のが、トランプ大統領の目的かもしれません。

 

今のトランプ大統領は絶対有利の環境で、経営者が遊べる事を次々と遊んでいるのかもしれません。なぜならば、発表しても中止すれば実害は出ないからです。勿論、本当の馬鹿で、救い難い人物かも知れませんが。

 

森田謙一でした。