★トランプ戦略は、「中国」「ロシア」と同じ戦略か
トランプ大統領は、TPP離脱、カナダ・メキシコとのNAFTA再交渉、メキシコの壁構築、日本など世界の国々との二国間交渉のスタートなどを表明しています。
トランプ大統領がアメリカファーストを訴えて、米国以外の国で作った製品を米国で売るならば「高い関税に掛ける」と言っています。その理由は米国の雇用が失われるからということです。
ということは、二国間交渉でも「相手国が不利になることはしない」のならば分かりますが、二国間交渉では「相手国の雇用が喪失されようが、米国企業の利益を守り、米国人の雇用を増やすために、ほかの国の関税の撤廃や引き下げを迫る」という戦術をとるかもしれません。
こうなった場合は、アメリカファーストではなく、中国やロシアと同じで「他の国を犠牲にして自国の利益を得る」ということになります。
この時に、西側諸国、特に先進国が「どう出るか」は非常に微妙な問題となります。
◆と言いますのは、米国がG7から脱退してG6となり、西側先進国の敵が「中国とロシア」だけでなく、「米国」も加わることになるからです。
米国議会に対して、トランプは「政治家が国民の利益を搾取した」と言っています。
これは将来議会がトランプに敵対するときに「議会は企業の見方をして、弱者を食い物にしている」としランプが云った場合、議会が国民を敵に回さずに「トランプの横暴を一時的に見逃す」かもしれません。
つまり、トランプの独走を議会が止められないかもしれません。
トランプが市場原理主義を崩壊させることは賛成ですが、このままトランプ戦略を進めますと「中国やロシア」のように、自国を優先するためには「国土侵略」も「可」というところにまで進むかもしれません。
◆いずれにしましても、世界の株式市場は「これからトランプ旋風本番」になるかも知れません。
本当の混乱が起こるかどうかは、目先の懸案が処理されたあとのトランプの戦略」になります。
「中国と後進国で一極」
「米国とロシアと英国で1極」
「米国以外の先進国と後進国で1極」
と、これからの世界が三極体制となった時には、第三次世界大戦が起こっても不思議ではない環境になってしまいます。
◆こう書いていきますと、勝負はアメリカ国民とアメリカ議会に委ねられるということになります。
「先進国」と「ロシア」のどちらを選択するかという時に、米国民や議会がロシアを選ぶとは思われませんし、「英国」も米国と組んで1極を作るとは思いませんが、そこに落ち着くまでには「何回かの紆余曲折が訪れる」ことになると思います。
2017年は、世界に新しい体制が生まれるための「胎動」の年になるかもしれません。
◆日経平均は19000円を割り込み、為替は114円を割り込んできています。
森田謙一でした。