宮沢の森たより №142  アジサイ 2024-6-6    | 宮沢の森便り

宮沢の森便り

横浜市瀬谷区の住宅地の中に宮沢ふれあい樹林があります。
このふれあい樹林で緑豊かな心休まる素朴な香りが味わえる場を
守り育てる為の活動を行っているのが宮沢の森愛護会です。

間もなく梅雨入り

今年の梅雨入りは例年より遅く6月中旬頃になるらしいが短期間に雨量が多い傾向らしいので普段よりも一段の警戒と災害防止の準備をするようにとの事。

梅雨事態はジメジメとした日が続き暗い日々の連続を思い浮かべるが一時の晴れ間に見るアジサイと湿った重い空気の夜空に飛ぶホタルを眺めるのはやはりこの時期でなければ雰囲気が出ません。

アジサイは宮沢の森や和泉川の土手に早くも見ごろとなりました。

ゲンジボタル(もちろん自然発生)は残念ながらこの近くでは見られませんが保土ヶ谷区の娘より貴重な写真が送られて来たのでご紹介します。

ご存知のようにゲンジボタルが生息するには清水が湧いている谷戸とそこには餌となるカワニナが豊富に居てホタルのサナギの部屋を作るための土の土手がある事が条件です。

このような条件がそろった場所は横浜市内では今や数少なくなったのでは。貴重な場所です。

 

アジサイ

アジサイはユキノシタ科の落葉低木で伊豆や房総半島に自生するガクアジサイを改良して作られた日本産の園芸種で江戸時代に長崎に滞在してたシーボルトがこの花をこよなく愛し日本人妻のお滝さんの名前からオタクサと言う学名を付けた話は有名です。

その後、シーボルトによって欧州に紹介され数々の園芸品種(西洋アジサイ)となり帰化し一般化した。

アジサイの花の色は

①土壌との関係  酸性の土壌では青色、アルカリ性の土壌では赤色でどちらもアントシアニンという色    素によって発色します。

②酸性の土壌ではアルミニウムが多く溶け込んでいる。

③アントシアニンの発色には「補助色素」が不可欠です。

即ち、「アルミニウム」「アントシアニン」「補助色素」が三位一体となってアジサイの色が決定されます。

しかし、最近は園芸種の開発で補助色素やその働きを妨げる成分(補助色素の姉妹)で三位一体の原則を破り遺伝的に色彩が決定されている個体(土壌の状態に関係なく一定の色の花を咲かせる)が多くありそうです(武田幸作著 アジサイはなぜ七色に変わるか?参照)

アジサイもサクラやバラなどと同様園芸種(人工的な種の開発)が多く以下、発色の原則に即した個体なのか不明ですが代表的な色のアジサイを紹介します

まず代表的な青系統の西洋アジサイ

日本は火山国に付き酸性土壌が一般的ですので青色系統のアジサイが一般的らしい

(土壌は酸性で、アルミニウムが豊富、補助色素の働きが順調)

 

アルカリ性土壌の赤系統のアジサイ?それとも遺伝的な赤色かな?

(アルカリ性土壌でアルミニウムが不足又は溶け難い状態)

 

色素になるアントシアニンを持たない白色系統のアジサイでしょう

 

 

葉緑素の緑色が残っている状態。これからアントシアニンと補助色素の効果が表れる

七変化の本性

本来のアジサイ(園芸種ではなく上記の三位一体で変化するアジサイ)は開花時の淡い黄緑→青色→赤→緑と変化していくがこれは花が老化するに従い花弁の組織自体に有機酸がたまることによっておこる色の変化だそうです(土壌の酸性度には関係なし)

 

雑記

変わった姿の実を付けたミツバウツギ

 

北米原産で特定外来生物に指定されているオオキンケイギク

オオキンケイギクで吸蜜するキチョウ

 

横綱とは「最高位の力士が土俵入りする時に腰にしめる物」

この子も白黒の横綱をしめてるヨコヅナサシガメ