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よっ、大統領!

てきとーなこと書いてます。

タイトル忘れた。

 

ユースケ・サンタマリア、井上和香。

 

あらすじ。

 

結婚して長い月日が経ち、妻に飽きてきたユースケ。

 

雑誌で井上和香を見て、

 

「こんな子が妻だったら」

 

と思う。

 

そんなとき、飲めば妻が理想の女性に見える薬を手に入れたユースケ。

 

ためしに飲んでみると、本当に妻が井上和香に見えた。

 

今までは妻に誘われても「疲れてるから」と断っていたユースケが、毎日毎夜ビンビンに。

 

そんなおり、ユースケの同僚の浮気がばれ、奥さんに家を出られるという事件があった。

 

ユースケは、くすりの効果で井上和香に見える妻に言う。

 

「もしおれが浮気したらどうする?」

 

*

 

やがてユースケは、薬で井上和香に見える女性とHする自分を後ろめたく思い始める。

 

「結局、俺も浮気していることになるんじゃないか?」

 

後ろめたさから、妻を遠ざけるユースケ。

 

ある日、妻は泣きながら言う。

 

「私を避けているの?

 

お願い、嫌いになったならはっきり言って。

 

私、あなたを苦しめたくないの。

 

あなたの負担になるなら、私は出て行く。

 

あなたがプロポーズしてくれたとき、私、嬉しかった。

 

きれいじゃなくて、かわいくもない私のことを

 

『そのままのお前が好きだ』

 

と言ってくれた。

 

ほんとうに嬉しかったの」

 

ユースケは妻を抱きしめる。

 

そして、くすりを捨てる。

 

*

 

翌朝、妻は玄関の外までユースケを見送りに来てくれた。

 

いつまでもユースケを見送る妻に、ユースケは投げキッスをする。

 

*

 

カメラは妻の目線に。

 

妻の目に、ユースケは、流行のドラマのヒーローに映っている。

 

妻の鏡台には、ユースケが飲んでいた薬の婦人用が・・・

 

***

 

感想。

 

妻が泣きながら夫に

 

「あなたの負担になるなら言って。出て行くから」

 

と言った瞬間、「この女、ユースケと同じ薬使ってるな」とピンと来ました。

 

こういうセリフって、長年連れ添った夫婦の間だと出てこないです。

 

これは、自分にはもったいないほどレベルの高い男を引き止めるときに使う、捨て身の高等戦術です。

 

心の美しさをアピールして、美人に勝とうとしている女のセリフです。

 

夫婦って、ある意味、対等の立場です。

 

対等なら、こんなセリフははかないはずです。

 

あのとき女の目には、ユースケがドラマのイケメン俳優に映っていたはず。

 

だからあんなセリフが吐けた、と私は直感したのですが、

 

結局、直感どおりのオチでした。

 

*

 

要するに、ふたりとも、互いにくすりを使って「バーチャル浮気」していたというわけです。

 

でも、しょうがないですよね。

 

男と女も長年一緒にいるとお互いふけるし、新鮮味もなくなるし。

 

うん、しょうがないです。

 

現実に浮気されるより、バーチャルで浮気された方がマシ。

 

それで夫婦の仲が円満に(?)保てるなら、それでいいんじゃないですか?

 

*********

 

「雰差値教育」

 

あらすじ


 

「おまえの授業ではいい偏差値が取れない。おまえなんか必要ない」

 

クラスの生徒全員から授業をボイコットされ、父兄からも担任を変えてくれと要望された女教師。

 

それまで勤めていた学校をやめ、新しい学校に転任することになった。

 

その学校では、偏差値教育ではなく、雰差値教育を行っていた。

 

「学校は小さな社会。

 

その社会の中で、どれだけ自分の個性を生かし、社会にとけこむことができるか。

 

それをはかるのが雰差値」

 

だからその学校では、テストはない。

 

そのかわり、毎回授業には雰差値委員という雰差値を審査する人間が3名、かならず付き添っている。

 

そして、授業の様子を見ながら、こまかく雰差値を決定し、電光掲示板に表示している。

 

女教師の授業の雰差値は、いつも50前後。

 

ある日、女教師は校長に呼ばれ、

 

「あなたのクラスの雰差値は低すぎる」

 

と叱責される。

 

女教師は、別のクラスの授業をのぞき見る。

 

そのクラスでは、ラップをしながら英語の授業をしていた。

 

電光掲示板の数字は74。

 

女教師は、自分のレベルの低さを痛感。

 

ファッションを変え、キャラクターを変え、冗談を連発して、雰差値を60台にあげる。

 

だが、それでも校長に叱責される。

 

「他のクラスは平均70.

 

あなたのクラスは最低です。

 

このままでは、あなたのクラスは推薦を受けられない。

 

そしてあなたもダメ教師の烙印を押されてしまう。

 

現に、生徒の中から、担任を変えてほしいという声も上がってきてる」

 

女教師の頭に、クラスの生徒全員からボイコットされたつらい記憶がよみがえってきた。

 

このままではいけない。

 

彼女は、ある計画を立てる。

 

*

 

クラスの男子Aの中傷びらが教室に貼られる。

 

中傷されて怒る男子A。

 

女教師は、騒然とする生徒たちをなだめようと近寄って、間違ってある男子生徒Zの机をひっくり返してしまう。

 

すると、机から中傷びらが。

 

殴ろうとするA。

 

だが女教師は、Zを体をはって守る。

 

そして、叫ぶ。

 

「クラスは家族。家族に殴られるなら本望よ」

 

その瞬間、掲示板は70を越えた。

 

しめしめ。

 

ほくそえむ女教師。

 

実は、このびらをまいたのは女教師自身だったのだ。

 

*

 

その後も、がり勉の男子を中傷する落書きをして、自殺しようとするがり勉男子を抱きしめて止めるなど、自作自演を繰り返し、クラスの雰差値を上げた女教師。

 

だんだんクラスの生徒たちと仲良くなり、一緒に仲良くランニングをし、楽しく語らうまでになる。

 

だが、校長に呼ばれ、言われる。

 

「ずいぶん持ち直してきたが、いままでの雰差値が悪かったので、次の授業で雰差値90以上を取らないと、特Aの推薦は受けられない。

 

生徒たちとあなたの未来がかかっているんですよ。

 

頑張ってください」

 

どうしよう・・・

 

70を取るのも大変だったのに、90なんて無理・・・

 

今度は、どんな芝居をしようか・・・

 

考える女教師の前に、優等生の女生徒がやってくる。

 

女生徒は、妊娠してしまったというのだ。

 

「しめた」

 

女教師はほくそえむ。

 

*

 

次の日、女教師は、黒板に大きく「命」と書く。

 

そして、クラスのみんなの前で、女生徒の妊娠の事実を告げる。

 

「みんなに言うなんて、ひどい」

 

と泣き崩れる女生徒。

 

だが、女教師は、

 

「クラスは家族。だから、みんなで命を守ろう」

 

と訴える。

 

「そうだ」「そうだ」

 

賛同するクラスメイトたち。

 

だが、掲示板の数字は思ったより伸びない。

 

焦る女教師。

 

そのとき、一人の男子が立ち上がる。

 

「おまえ、ふたまたかけてたな。誰の子だ」

 

クラスのムードは一転。険悪になり、掲示板の数字はみるみる下がっていく。

 

男子は、ナイフをつきだし、女生徒を刺そうとする。

 

女教師は、ここだとばかり、生徒を庇う。

 

これで数字が挙がればいいのに・・・

 

だが、思ったほど上がらない。

 

「あがれ、あがれ」

 

心の中で祈りながら電光掲示板ばかり見つめる女教師を、男子はナイフで突き刺してしまう。

 

あふれる血。

 

くずれおちる女教師。もうろうとしていく意識。

 

生徒たちは女教師を取り囲んで、叫んだ。

 

「先生!先生が、自分の命で命について教えてくれたんだ」

 

「先生、ありがとう」

 

「先生、先生」

 

その瞬間、掲示板の数字は100に。

 

チャイムが鳴った。

 

それと同時に、生徒たちはいっせいに自分の席に着き、カバンを持ち、帰り支度を始めた。

 

雰差値委員会の委員たちが退席したのを見計らって、生徒たちは女生徒に言った。

 

「よかった。さすが優等生。おまえのおかげで助かったよ」

 

「これで推薦受けられるな」

 

「しかしよく考えたよな」

 

生徒たちは、先生ではなく、女生徒に感謝の言葉を投げかける。

 

ナイフで先生を刺した男子生徒は、青ざめて倒れている女教師に言う。

 

「先生。それ、血糊だから」

 

そして、女生徒は、女教師に向かってつぶやく。

 

「私が妊娠なんてするわけないじゃない」

 

そして、教室を出る直前に振り返り、女教師に言う。

 

「私は雰差値が高くなればそれでいいの。あんたなんか必要ないわ」

 

教室にひとり取り残された女教師は、100を指した掲示板を見つめて、暗く沈んだ声でつぶやいた。

 

「ありがとう・・・」

 

************

 

かんそう


 

学校教育って、結局、最後は必ず生徒に順位をつけて、ふりわけます。

 

だから、「ゆとり」とか「心の教育」とか、いろんなことを言っても、意味ないんですよね。

 

いくら心がきれいでも、大学入試には受からないですから。

 

雰差値教育って、一見、本当の人間性をはぐくむ教育に見えますけど、数字をつけて優劣を争うという点では偏差値教育と同じ。

 

むしろ、人間性を数値化して順位を競う方が、テストの点を競わせて生徒の優劣を決めるより悪質な気がします。

 

*

 

最後の教師の「ありがとう」は怖かったです。

 

ここまで馬鹿にされて、見下されて、それでもやっぱり「ありがとう」なんですからね。

 

とにかく数字さえよければいい・・・

 

雰差値によって人間性をはぐくむ教育が、逆に人間性を破壊してしまうというアイロニーが面白いドラマでした。



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タイトル忘れた。天使が最終試験で、「100%の運命の赤い糸で結ばれた男女を結婚させる」という課題を与えられる。

 

***あらすじ***

 

天使が最終試験で、「100%の運命の赤い糸で結ばれた男女を結婚させる」という課題を与えられる。

 

やりとげれば合格。失敗すれば人間からやり直し。

 

天使は、レンタルショップでふたりの間のDVDをわざと落としたり、注文したドリンクを入れ替えたりして、うまく出会いのきっかけをつくる。

 

何度も偶然が重なるうち、ふたりは自然に付き合い始める。

 

そして、男は女にプロポーズ。

 

楽勝で試験をクリアできそうに見えたのだが・・・

 

***

 

女は、昔から仲のいい、腐れ縁の男性が気になって仕方ない。

 

男性は本当に何をやってもだめ。

 

女はモデルの仕事をし、男性はカメラのアシスタントをしているが、男性はいつもへまばかりしてみんなの足をひっぱっている。

 

それなのに、気になってしかたないのだ。

 

男の両親に会うことが決まった日、女は男性にメールを送る。

 

「いつまでも待ってるから、来て・・・」

 

天使は、男性と女の相性を見る。

 

49%。

 

結ばれても幸せになる可能性は低い。

 

天使は、女のメールを握りつぶす。

 

***

 

女は、公園で、いつまでもいつまでも待っていた。

 

だが、男性は来ない。

 

女は、ずっと大事に持っていた、男性がはじめて買ったカメラで撮ってくれた自分のポートレートの写真を、思い切り遠くへ放り投げた。

 

***

 

女がプロポーズされたその頃、男性は、大きな仕事を任されていた。

 

はじめて雑誌の表紙の写真を撮ることになったのだ。

 

張り切って撮影した男性。

 

だが、フィルムをカバンごと紛失してしまった。

 

女が男の両親に会っている席に、カメラマンから女に電話が入る。

 

男性がフィルムをなくしたから、急遽、写真を入れ替えたいというのだ。

 

女は男に婚約指輪を返す。

 

そして、「ごめんなさい」と頭を下げると、その場を走り去り、男性が立ち寄りそうな場所に行き、男性のカバンを探し始めた。

 

***

 

泥だらけになって男性のカバンをさがす女。

 

天使はわからない。

 

なぜ100%の幸せを棒に振って、49%の男性のために苦労するのか?

 

だが、必死でカバンを探す女に、天使は心を動かされる。

 

そして、迷った末に、かつて握りつぶした女のメールを男性の携帯に送った。

 

***

 

カバンを発見し、黙って男性の家のドアに置いた女は、公園のベンチで疲れ果てて寝てしまう。

 

そこに、メールを見た男性がやってくる。

 

「なんでそんなところで寝てるんだ?」

 

不思議そうな男性に、女は言う。

 

「あなたにもらった写真をなくしちゃったの。一緒に探して」

 

「なんで捨てたんだよ」

 

「いいから、探すの」

 

***

 

天使そっくりの男が、道に立ち、風船を配りながらパラダイスハウジング(パラダイスハウス?)の宣伝をしている。

 

そこに、女と男性が、子どもを連れて通りかかった。

 

天使そっくりの男が、子どもに風船を渡す。

 

女は幸せそうに微笑みながら、通り過ぎていった。

 

***あらすじおわり***

 

「この人と結婚した方が幸せになれるのに」

 

誰が見てもわかるのに、本人はどうしても別の男性がいい―

 

そんなことって、けっこう多いような気がする。

 

それも、美人で頭もよくて、言い寄ってくる男がたくさんいる女性ほど、なぜか自分から不幸せな恋愛に飛び込もうとする傾向が強いような・・・

 

恋愛感情って本当に不思議。

 

人間の意志を超えた神の気まぐれで動かされているかのように見える。

 

でも、このドラマは、「人間の恋愛感情は、神にすら決められない」と。

 

むしろ、天使の運命をも変えてしまうほど、気まぐれで不可思議なものとして描いている。

 

*

 

恋愛感情は確かに不思議だ。

 

だが私は、そこまで人間の恋愛感情を特別なものだとは思わない。

 

たぶん、いろんな感情には、何か理由というか、裏があると思う。

 

たとえばこのドラマの女。

 

なぜへまばかりの男性を選んだのか?

 

天使は、100%の男と結ばれるように、いたれりつくせりのお膳立てをした。

 

でも、あまり簡単にうまくいってしまうと、逆に物足りなさを感じることがある。

 

何もかもうまくいく恋愛より、もどかしいくらいの恋愛の方が、「恋愛をしている」という充実感があったりするし。

 

だから、天使は、ふたりをむすびつける過程で、ときどき波乱を起こし、愛を深める必要があったと思う。

 

相性49%の男性は、ふたりの愛を強固にするにはうってつけの材料だったんだけど。

 

100%の男との縁を強めようとしすぎて、あらゆる障害をとりのぞきすぎてしまったため、逆に女の男性への気持ちをあおってしまった。

 

*

 

あまりにも満たされると満たされない人間心理。

 

それがわかっていなかった天使が、相性100%の二人を結びつけるのに失敗し、不合格になったのはしかたないこと。

 

でも、人間になった天使はなぜかすがすがしい。

 

49%のカップルも、結局、幸せに暮らしている。

 

自分の選択した人生を精一杯生きれば、そこに幸せが生み出されていく。

 

世はすべてよし。人はすべて幸せになる可能性を持って生き続けている。


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「8分間」

 

あらすじ(ネタバレなし)

 

強盗に妻を殺されたサラリーマン。

 

彼は、妻を失って以来、毎日午後3時からの8分間、決まって意識がなくなる。

 

そして、気がつくと死のうとしているのだった。

 

彼は死ぬことを恐れ、病院に行く。

 

初対面のはずの先生。だが男はどこかで会ったことがあるような気がする。

 

先生に聞いてみたが、先生は初対面だと言う。

 

先生は、妻を失ったショックによるものだと診断する。

 

病院で見てもらってからも男の意識が飛ぶことはとまらない。

 

しかもどんどんひどくなっていった。

 

だんだん、男は意識を失う直前に、自分に何かが注射される幻覚を見るようになった。

 

***

 

感想

 

謎の8分間。

 

会ったことがある医者。

 

見えてきた注射の幻覚。

 

私は、これは医者と奥さんが結託して、男を自殺にみせかけて殺そうとしているのではないかと予想しました。

 

この予想。

 

ある意味当たっていましたが、結果的には脚本家の罠にまんまと乗せられていました(笑)

 

***

 

オチ

 

男の意識の喪失はひどくなる一方だった。このままでは自殺してしまう。

 

男は先生に助けを求めるが、先生は、言葉で男を力づけることしか出来ない。

 

もしかしたら男は無意識のうちに奥さんのところへ行こうとしているのではないか?

 

男は考えるが、「死にたくない」という思いしか浮かんでこない。

 

だが、魔の8分間がやってきたとき、男はついにビルから飛び降りて死んでしまう。

 

*

 

男は病院のベッドで目を覚ました。

 

枕元には妻がいた。

 

実は強盗に襲われたとき、妻は死んでいなかった。

 

妻を守ろうとした男が強盗に殴られて、こん睡状態に陥っていたのだ。

 

先生は、まだ臨床結果が得られていない新薬を注射して、意識を回復させることを提案する。

 

その薬は、一日一度、8分間しか効果がない。

 

妻はたとえ8分間でも夫の意識が戻るならと使用に同意する。

 

そして、毎日午後3時に注射していたのだ。

 

男の前に、新薬を注射してくれた先生がやってくる。

 

彼は、あちらの世界で出会った先生と同じ顔をしていた。

 

「ありがとうございます」

 

男は感謝の言葉を述べる。

 

男は妻と二人で、病院の屋上から夕日をながめる。

 

「8分間。もしかしたら、もうひとつの世界から、こちらの世界に戻るために、自殺しようとしていたのかもしれない」

 

男と妻の前に、東京の空が広がっている。

 

完

 

***

 

「鏡子さん」

 

怖すぎるので省略

 

***

 

「不幸をあなたに」

 

あらすじ(ネタバレなし)

 

ミサとカズミは同期のインテリアデザイナー。

 

ある日、上司から「どちらかをチーフにする」といわれる。

 

どちらがチーフになっても仲たがいしたりしないわと上司の前では笑ってみせたものの、内心、ミサは面白くない。

 

「私がカズミの下で働くなんていやよ」

 

そんなミサの目に、「不幸をあなたに」という看板が飛び込んでくる。

 

「幸せをあなたにの間違いでしょ?」

 

だが、そこでは本当に不幸を斡旋していた。

 

「私どもは、努力で乗り越えられる不幸を斡旋しております。不幸を不幸のままにするか、幸福に変えるかは、あなた次第。ためしに無料コースをお試ししてみますか?」

 

男の口車に乗せられて、ミサは、ためしに無料で不幸を斡旋してもらうことになった。

 

*

 

会社に行くと、みんながミサのPCの前に集まっていた。

 

ミサのPCで仕事をしていたカズミが、ミサのPCをクラッシュさせてしまい、データを全部消去してしまったのだ。

 

怒りの言葉を吐こうとして、ミサは不幸斡旋所の男の言葉を思い出す。

 

「私が斡旋するのは、幸福を呼ぶ不幸。不幸を不幸のままにするか、幸福に変えるかはあなた次第」

 

ミサは怒りの言葉を飲み込んで、笑顔で言う。

 

「PCは不安定な機械。こんなこともあるわ。バックアップを取ってなかった私が悪いの。気にしないで」

 

この一言で、ミサの株はぐっと上がる。

 

上司は、「あの一言に感心した」とミサをチーフに抜擢。

 

ライバルのカズミも、「私ならあんなふうにいえない。チーフにはミサがふさわしい」と納得してくれた。

 

*

 

ライバルのカズミに勝って気をよくしたミサは、今度は男に

 

「3年間付き合っているけどイマイチ結婚がピンと来ない彼氏と別れる不幸を斡旋して」

 

と頼む。

 

直後、お酒を持って彼氏の家を訪ねたミサは、彼氏が同じ会社の営業部の女性とHしている現場に居合わせてしまう。

 

彼氏の家を飛び出したミサは仕事もできてイケメンの同僚にばったり出会う。

 

何があったのかと聞かれたミサは、彼氏の裏切りのことを話しながら、ポロリと涙を流す。

 

同僚は、ミサに同情。「彼氏のことは噂になっていたんだ。僕なら君を悲しませるようなことはしないのに」という。

 

*

 

同僚を好きになってしまったミサは、同僚と結婚できる不幸を斡旋してもらう。

 

直後、ミサの部下が大きなミスをしてしまう。

 

部下を左遷させるという上司に、ミサは、「私が責任を取ってやめるから、左遷させないでほしい」という。

 

同僚はミサを追いかけて言う。

 

「やめてどうするんだ?僕は君と会えなくなるなんてイヤだ。結婚しよう」

 

*

 

会社をやめ、結婚することが決まったミサ。

 

だが、彼の両親は結婚に反対だった。

 

両親に結婚に賛成してもらうための不幸を斡旋してもらったミサは、見事に望まれて結婚。

 

その後彼も会社をやめ、両親の会社を継ぎ、大成功。

 

お手伝いさんを家におき、悠々自適の専業主婦をエンジョイしていたミサ。

 

ある日、ライバルだったカズミに呼び出される。

 

カズミは、ミサがやめたあと、チーフとしてプロジェクトを引き継ぎ、大成功。

 

テレビにもちょくちょく出るようになり、今はフリーで活躍しているという。

 

「私も、彼が好きだったの。でも、ミサと結婚してしまって。失恋の痛手をバネに頑張ったの」

 

ミサは、

 

「失恋の痛手をバネになんて・・・私には考えられないわ」

 

と笑ってみせたが、内心カズミの成功が悔しくて仕方ない。

 

ミサは不幸斡旋所に行き、

 

「世界一の幸せがほしい」

 

と頼む。

 

「よろしいんですか?」

 

男の言葉に、ミサはうなずく。

 

*

 

その後ミサは、不幸の坂を転げ落ちていった。

 

夫は事業に失敗し、会社は倒産。

 

借金取りに追われ、ミサは清掃の仕事をはじめた。

 

豪邸も引き払い、蜘蛛の巣だらけの借家住まい。

 

ミサは苦労がたたって結核になってしまう。

 

それほどの不幸に耐えているのに、幸福はなかなかやってこない。

 

ミサは男のところへ行き、叫ぶ。

 

「いつになったら世界一の幸せを手に入れられるの?

 

絶対に揺るがない、最高の幸せ。

 

もう我慢できない。

 

不幸を小出しにしないで、いっぺんに頂戴。

 

そして、すぐに幸せになりたい」

 

男はミサに言った。

 

「いいんですか?

 

ほんとうにいいんですか?」

 

ミサはうなづいた。

 

男の後ろの水槽で、ピラニアが泳いでいる・・・

 

*

 

感想

 

確かに、そうなんですよ。

 

不幸せをいかに乗り越えるか。

 

それによって、その後の人生が決まってきます。

 

不幸せって、ある意味、チャンスなんですよね。

 

「不幸せを不幸せのままにするか、幸福に変えるかは、あなた次第」

 

これって、ほんとうにそのとおりです。

 

*

 

ただ、ミサのように、はじめから幸せがわかっていて、その幸せを目当てにいい人のふりをしても、結局はうまく行かないような気がします。

 

ハードディスクの消去や部下の失敗を、もしも心から快くミサが許すことが出来たなら・・・

 

ミサがそういう人間だったら、不幸斡旋所に頼らなくても、はじめからミサには幸福が約束されていたことでしょう。

 

でも、残念ながらミサは、自分の幸せのために、いい人のふりを演じていただけでした。

 

そんなミサが手に入れた幸福は、しょせん、まがいもの。

 

長く続くわけがありません。

 

*

 

このドラマ、人間の因果応報を端的に描いていて、とても面白かったです。

 

「そうそう、そうだよね」

 

と身につまされながら見ました。

 

世の中には本当にラッキーな人がいて、そういう人は、心の中は真っ黒なのに、表向きだけいい子にしてみんなをだまし、幸運を手に入れてのうのうと生きています。

 

でも、そういう人はごく少数。

 

たいていの人は、不幸によって人間性を試され、不幸によって人間の器を磨きながら、その輝きによって少しずつ幸せを手に入れていきます。

 

嘘の輝きでは、そこそこの幸運を手に入れることは出来ても、本当の幸福は手に入れられません。

 

人生って、不思議とそういうふうに出来ているんですよね。

 

不幸斡旋所。きっとどこかに本当にあるんじゃないかな?(笑)

 

***

 

オチ

 

不幸斡旋所を後にしたミサは、入れ替わりに入っていく自分の夫を目にして驚く。

 

「なぜ?どうしてあの人がここに」

 

そのとき強風が吹き、「不幸せをあなたに」という看板が落ち、ミサを直撃する。

 

看板の下敷きになって血を流しながらミサは微笑む。

 

「こんな不幸せなめにあったんだから、きっとすごい幸せが・・・」

 

*

 

告別式。

 

祭壇には微笑むミサの遺影が飾られている。

 

がっくりと肩を落とすミサの夫。

 

そこへ、現在は成功を収めてフリーで活躍しているミサの同僚・カズミがやってくる。

 

ミサをなくした夫をなぐさめるカズミ。

 

やがてふたりの前に、黒服の男がやってくる。

 

不幸斡旋所の男だった。

 

「このたびはご愁傷様です。人生の伴侶をなくされるという不幸に会われたのですから、きっとそれに似合う幸運があなたを待っているはずです」

 

「ありがとうございます」

 

夫は深々と頭を下げた。

 

そして、カズミと見詰め合う。

 

男はミサの遺影に話しかける。

 

「世界一のゆるぎない幸せ。

 

極楽浄土のご気分はどうですか?

 

お気に召しましたでしょうか?」

 

完



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