「およげ!たいやきくん」という歌を、
お茶菓子でも食べながら話すような、
ゆるい雰囲気で眺めてみる。
この曲の主人公である「たいやきくん」は、
ある日突然、仕事(焼かれること)をボイコットして海へ飛び込む。
今風に言えば「会社辞めて南の島へ行っちゃった」みたいな感じになる。
海の中での彼は、とっても楽しそうだ。
サンゴ礁をすり抜けたり、
お腹のあんこが重いのをちょっと気にしたり。
でも、ここでふと冷静になると
「たいやきが海水に浸かって、皮がベチャベチャにならないのかな?」
という心配がよぎったりする。
きっと彼は、よっぽど高性能な薄力粉を使っていたか、
あるいは自由への情熱で表面をカリッと保っていたのかもしれない。
しかし、自由なバカンスは唐突に終わりを迎える。
お腹を空かせたおじさんに釣られ、
結局食べられてしまう。
海まで逃げても、最後は「食べられる」
という自分の宿命(あるいは職務)に戻っていく。
なんとも切ないお話です。
最後の表情については諸説ありますが、
少なくとも「初めての海、どうでした?」と聞ける状況ではなかった。
私たちも、毎日同じことの繰り返しで
「鉄板の上はもう嫌だ!」と思うことがあるはず。
そんな時は、彼のように一度海へ飛び込んでみるのもいいかもしれない。
ただし、「おいしそうな顔」をしていると、
すぐに誰かに釣り上げられてしまうので、
逃げる時はなるべく「不機嫌そうな顔」で泳ぐのがコツかもしれない。

