第35次 #笑の内閣「#12人の生まない日本人」稽古場潜入! | 日々幸進(ひびこうしん)

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第35次 #笑の内閣
「#12人の生まない日本人」再演
三都市ツアー 稽古場潜入!
作・演出:高間響(笑の内閣)

東京公演 10月9日〜12日 インディペンデントシアターoji

【感想】
タイトルは勿論、
映画『十二人の怒れる男』をオマージュしている。
映画では父親殺しの罪に問われた少年の裁判で、12人の陪審員が部屋で議論し、全員一致の評決を目指す物語。

ただ今作は
反出生主義をテーマにした会議室芝居。
とんでもない暴論を12人の人間がそれぞれの思惑とそれぞれの立場、それぞれが歩いてきた道を証明する為に過度の自己肯定を加速させてゆき会議は大混乱。

それにしても高間響という稀代の脚本家は言葉をよく知っている。
知っているからこそ傷つきもがき憤る。
その見識の深さは多分、関西でもトップレベルだろう。だがその見識深さが足を引っ張って生き辛さを呼び込んでしまうのは仕方ない。僕くらい見識が浅くても生き辛さを呼び込むくらいだ。
高間さんの生き様にはいつも尊敬しかない。

さて今作だ。
それにしても二転三転どころか観劇しながらだと回数を数えるコトさえ放棄しかねないどんでん返しの連鎖。
そして多分、観ている人間の心のヒダに直接突き刺さるので精神が弱い人には正直オススメはしない。
この作品は人を選ぶ作品だ。
その意味では僕は選ばれた側の人間なのでめちゃくちゃ楽しんだ。
一人ひとりのテリトリーを簡単に逸脱する論理は暴論だ。
だがその暴論が12重なる事によって大雪崩を呼ぶことになる。
つまり大惨事である。
高間脚本の優れているところは大惨事であるにもかかわらず
書いている本人が達観しているところがあり
それ故に悲劇的要素を廃棄した作品創りへと帰結する。

これも暴論で申し訳ないが
僕の持つ昭和世代の政治家の価値観に近しいところで
ざるっと何となく好い塩梅に落ち着けていく安心感が高間脚本。
僕はそのジェットコースターにいつも酔い痴れる訳だ。
どんなにめちゃくちゃに破綻した物語であっても、
彼はどうにか解決の道筋を作る。
そしてこの物語もそうだ。
12人の個性が削りあい、錯綜しつつ、正面衝突し
論理の飛躍と論理の破綻をらせん状に巡り、
僕は「生と死」に繋げて着地する。
それでいいのだ。
何故ならこの12人はこの言葉のやり取りで「気付き」を得たのだから。

さて、
今作品は見事な世界線を描いており、
【反出生主義】なる主張を繰り返すドラマだ。
僕自身、この言葉を初めて知りカルチャーショックを受けた。
その主張を高間脚本は何故か僕ら観客を納得させるマジックのチカラを有しており、僕自身も取り込まれそうになる引力を有しているのである。
だからこの作品を観た東京の方々がどのような反応を示すのか興味は尽きない。
言い換えればこれは巨大な演劇のリトマス試験紙である。
この「反出生主義」なる思想を自分はどう感じてどう生きていくのか?
しかも高間脚本の納得させるチカラを有して染まるか、染まらないか?
いわば演劇だけど、演劇によるディベート合戦。

東京の方々、
是非そのディベート合戦をご堪能あれ!!!!!

【出演者】
由良真介
髭だるマン
高間響
(以上、笑の内閣)

鈴木翠(まどり)
ガトータケヒロ(シイナナ)
白石幸雄
川上唯(劇団しようよ)
香村彩矢
土肥希理子
HIROFUMI
合田団地(努力クラブ)
高瀬川すてら(劇団ZTON)
宮本伊織

↓

第35次 笑の内閣
「#12人の生まない日本人」再演
三都市ツアー

東京公演 インディペンデントシアターOji
東京都北区王子1丁目14-4 B1F

2026年
10月9日(金)  19:30*アフタートークなし
10月10日(土) 13:00/17:30
10月11日(日) 13:00/17:30
10月12日(月) 11:00/15:30

【アフタートークゲスト】
10日13:00 小山晃弘氏(評論家)
10日17:30 小島和男氏(哲学者/学習院大学教授)
11日13:00 小田島恒志氏(翻訳家/早稲田大学教授)
11日17:30 保坂展人氏(世田谷区長)
12日11:00 冨坂友氏(劇作家・演出/アガリスクエンターテイメント)
12日15:30 小川誠司氏(産婦人科医/東京ARTクリニック院長)

チケット
●前売券
一般 4,000円/U25 3,500円
●当日券
一般 4,500円/U25 4,000円
●高校生以下 500円 *早割・前売・当日同一料金
●パトロンチケット 10,000円 *助成金に落ち、大赤字確定のため、寄付金込みのチケットです。
※パトロンチケットは先行入場ができます

・全会場、受付開始・開場は開演の30分前です。
・上演時間は110分を予定しています。
・未就学児童入場不可

【チケット取り扱い】
CoRichチケット!
【東京公演】ticket.corich.jp/apply/465760/


『サブテキスト』
これを読んでから観るべし!
【あらすじ】
鉄道はとうの昔に廃線、車で50分かかる隣町の大型イオンまで行かないとまともに買い物も出来ない、とある山間部の田舎町堂島町。
少子化も顕著で、町内5つの小学校はいずれも3桁を割り込んだため、役場は小学校を一つに統廃合し、小中一貫校を設立しようと計画していた。
その賛否を問うため、若手職員の提案により、25〜45歳の子育て世代の町民をランダムに集め意見を求めるくじ引き民主主義会議を導入する。
役場職員2名と集められた10名によって始まった会議。
各々賛成反対の意見を述べていく中、一人の男が待ったをかける。
その男の主張は、「そもそも行政が、子育て支援をすることは倫理に反する。子供を作ることは反道徳的だ」という「反出生主義」であった。

笑の内閣最新作は、2024年に好評を博した作品の再演ツアー。
なぜ日本は少子化なのか?そして反出生主義とはなんなのか?を「12人の怒れる男」以降の伝統である「12人による密室会議演劇」

「反出生主義とは?」
全ての子供は、「生まれて良いかという同意なしに、子供が欲しいという親のエゴによって強制的に誕生させられた」以上、人間は生まれない方がよく、子供は作るべきではないという思想。

さらに生まれた子供が結果的に幸せな人生を歩めたとしても、辛さゆえに親に対し「生まれてきたくなかった」と思う子供がいる一方で、「生まれてさえいれば幸福な体験が出来たのに、なぜ生んでくれなかったのか」と抗議する子供は存在しない。ならば、子供は作らない方が合理的であるとされる。

古代から多くの哲学者が訴え、南アフリカの哲学者、デイヴィット・ベネターの著書「生まれてこないほうが良かった(2026年)」は全世界で注目を集め、大ヒット漫画「進撃の巨人」の、主人公エレンの異母兄、ジーク・イェーガーによる「エルディア人不妊化計画」など、創作物にも取り上げられるなど、多くの人が生きづらいと思う世の中も相まって日本でも急速に支持者を増やしている。

スタッフ
作・演出:高間響(笑の内閣)
舞台監督:山田眞子
照明:渡辺佳奈
照明オペレーション:中村仁(黒猿) 
音響:島﨑健史(ドキドキぼーいず)
音響オペレーション:髙山拓海(ロマングラス)
宣伝美術:脇田友(スピカ)
収録・配信:竹崎博人(Flatbox)
運営補助:吉田雅人、松林京子
制作:秋津ねを(ねをぱぁく)
演出助手:夏目れみ
主催・企画製作:笑の内閣
提携:【京都】THEATRE E9 KYOTO(一般社団法人アーツシード京都)
協力:【札幌】札幌演劇シーズン実行委員会