劇109 満月動物園 【ツキカゲノモリ】 | 日々幸進(ひびこうしん)

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8月2日(日)


應典院舞台芸術祭 space×drama2009参加作品

満月動物園 【ツキカゲノモリ】

http://www.geocities.jp/full_moon_zoo/next-stage.htm


シアトリカル應典院

13:00


【演出・脚本】戒田竜治

【出演】

河上由佳 原典子
諏訪いつみ みず
竜崎だいち(ミジンコターボ)
重田恵 (コレクトエリット)
片岡百萬両(ミジンコターボ)



【あらすじ】

死にかけて、「助けて」と死神に祈ってしまった。
それから死神はずっと側から離れない。
じっと死ぬのを待っている。

死神のささやき声がうるさくて、
いっそ静かな場所に行こうと思った。

捨てた、誰からも捨てられた故郷。
誰かが守ってくれるものだなんて虫が良かった。

誰もいない故郷で、
死神と月を見上げることにした。


観覧車は、なぜ回る?


満月動物園がお贈りする、
第壱拾六夜にして、
初めての恋愛物語。



【感想】

会場に入ってまず驚く。

ホール中が黒幕ではなく白幕で覆われている。

そして舞台の上に2本の照明器具を吊り下げているバーが前と後ろ2列になって足元まで落ちている。

不思議なオープニング・スタイル。

するとそこに、ふらりと主演である片岡百萬両さんが現れる。

フランクな前説。

・・・・と5分ほどで、片岡さんに合図が送られる。

途端に右手を自分の顔面に!

すると顔には白い手形が!

その右手の平に白い染料が塗り込められていたのである。

そこで大見得を切ってのオープニング!

照り返すスポットビームの中、ゆっくりと2本のバーが上がってゆく。

金属の森から抜け出した時には片岡節は最高潮!


痺れた!

前回の【ツキノアバラ】でのサリng ROCKさん入場のオープニングも痺れたが、今回も素晴らしい!

参った!

まさかあんな方法があるなんて!

後、聞けば 『満月動物園』 ではオープニングで顔に手形を塗る役者の役柄を 【椅子男爵】 と言うらしい。

それを見事すぎる身体能力でやりきった片岡さんに拍手である!

しかも片岡さんは、この2週間前にピースピットにて黒猫屋カフカを演じられたばかり。

一体、なんという無尽蔵な体力!あれだけの役をやって尚、この満月動物園の2作品にガッツリ出られている事は驚異に値する。
とにかくカッコいい!

もしかしたら片岡さんの代表作になるだろう快作だ!

出ずっぱり、しかも身体能力を縦横無尽に駆使し、しかも相内さんの映像技術と相まった幻想的なシーンの何と美しい事か!

これを観てない方に表現するのは非常に難しい。

聞くところによると公演回数の数だけ、その映像を模索していたという。

なんたるちあ!毎回がプレミアムな公演であったというのだ!

観覧車から落ちるスローモーションなシーン。

今、思い出しただけでも鮮やかに蘇る。

よくもあんなシーンを作り出せるものだ!



死神役の 【河上由佳】さん。

元々達者な方だとは思っていたが、舞台上での輝きは半端ない。

死神役での話し方は本当に心地よい。

聞けば幾つか試して辿り着いた話しかただと言うのだが、コレは本当に正解だった思う。

元、恋人であるという切なさも全てが、計算された表情であったと思う。


うき役の 【原典子】さん

飄々とした話し方から設定的にも、しれっと担える方だと思った。

言葉の端々が跳ねてるように感じるのは魅力のひとつなんだろうと感じた。


なみ役の 【諏訪いつみ】さん。

男の浪漫の結晶体。(笑)

こんなに凛!として繊細な役を、さらりと風のように演じられている。

だからこそそんな、きりりとした風情がいちいち心地よい。


みなと役の 【みず】さん。

可愛らしかった。

こんな事をいうと失礼かもしれないが、本当に可愛かった。

幼馴染を一途に思い続けながら、献身的に添い続ける愛らしい役柄。

いいなー


疫病神役の 【竜崎だいち(ミジンコターボ)】さん。

入場シーンから衝撃的だった。

疫病神というプラカードとマイク片手に『愛しさと切なさと心強さと』を熱唱しての(意外にうまい(笑))登場シーンに拍手喝采だった!!

やる!

しかもやり切る美学を携えてのシーンであった!!

疫病神の役柄も可愛くて仕方ない。

不思議系の だいちさんの真骨頂だ!いわば独壇場。これはもうキャスティングで決まったようなもの!

少し・・・・疫病神が好きなった夜だった。(爆)


自殺魂役の 【重田恵 (コレクトエリット)】さん。

今回のような大人ニュアンスな重田さんは初めてであった。

しっとりと憂いがあって、前髪をたらしたポニーテール。

しかもその衣装と相まって、とてつもない魅力を弾きだす。

僕はいつも彼女の声を誉めるのだが、今回はアダルトな雰囲気が本当に上手い。

『艶』 というものを前面に出すでもなく、香らせる程度のもので僕らを惑わせるのだ。

残り香

そんな新しい魅力を知らされた舞台であった。


おき役の 【片岡百萬両(ミジンコターボ)】さん。

最初にも書いたが、『椅子男爵』 の見栄きりは本当に最高だった!

関西小演劇界での最高峰に違いない。

それにしても今の髪型はカッコいい。

何をやるにも自在である。

縛ってよし、よってよし、ざんばらでよしと、何でもそれらしくなる。

今回のおき役は縛っているのだが、死神の声が聞こえて顔に手の平を覆う仕種があまりに似合う。

俳優として華があるばかりでなく、自在な身体能力が本当に稀で素敵。

これからも客演が続々と決まっている。

またそれに見合うだけの実力を持っている。

それにしても今年は客演ラッシュ!

アクトリーグも含めると月1でも足りないくらい。

益々の活躍を期待する。



【満月動物園】という劇団が持つエッセンスは 『アングラ・ポップ』 と呼ばれるものであったのだが、今回の作品は毛色が違う作品であり 『純粋エンタメ系』 であった!

それがまた似合う。

こういった側面も見せられるのだと改めて知ると奥深いものを感じ更に好きになる。


僕的には 【満月動物園】 最高傑作!!!!!

(まだ戒田さんの作品は4作品目ですが・・・・・)

間違いない。