劇41 悲願華 【そして彼は鍋をつつく・・・】    | 日々幸進(ひびこうしん)

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3月21日(土) 


第5回公演

悲願華 【そして彼は鍋をつつく・・・】   
   

シアター倶楽

13:00


悲願華


作・演出: 谷口はるか
出演: 前田友里子 中道梨奈 増井友紀子 室伏崇 和田宏治 中野敬祐 溝畑香奈子


【あらすじ】

二人の女が鍋を囲んで睨み合う
彼女は言う「とうふよ」
彼女は言う「白滝よ」
そして二人は鍋をつつく…
彼のいない彼の部屋で
二人は黙々と鍋をつつく
この女…誰…?
…てゆーか、彼はどこ ?!





【感想】

コンパクトでありながら全員が全員病んでいる。

心に傷を持っている。

それは一見して、とてつもない熱を孕んでいるのに、主人公はドライに割りきろうとする。

割れるはずのない、叶うはずのない心の拠り所。

事実、

女にモテル男というのは元来ガッツかないものだ。

追わないから追われる。

そんな不可思議な公式に苛立つ僕から観ても、今回の主人公のポジションは羨ましい事この上ない。

弟から言わせると、二股ではなく、3人は常時付き合っている兄。

しかもそれで鉢合わせて本人が居れば修羅場にはならない。

女同士だけだと修羅場になる。

しかも、自分の他に女が居ることが分かったとしても、その事はおかしいとは思うのだが、『好き』という感情はそれらを凌駕するのである。

まーーーーーありえないから・・・・・・羨ましい。

・・・・と、感情論は置いておいて、お芝居の話である。

まず役者陣。

それはもうメーターを振り切った思い切りのいい芝居をかましてくれる。

ぐいぐいぐいぐいと客席にアピールをかます。

それが非常にいい塩梅(あんばい)。

何というかスカッとすると言ったらお気楽な表現だが、スカッとする。

【前田友里子】さん。

思い切りが良かった。

しかもブリブリな所が妙にツボだった。

可愛い。

演技なのだろうけど、こんな女に惚れられたら人生ハッピーだろうなという気持ちにさせられる女性像だった。

役を貰ったときはあの前田さんに?と言われたらしいが、本当に可愛い女性だった。

底が深いことを改めて認識した役者さんだった。

【中道梨奈】さん。

30代のニュースキャスターと言って、そのいでたちから立ち振る舞いが完璧。

綺麗 という言葉に特化することない貪欲な演技が驚き。

そうだ。容姿に恵まれていても、綺麗というワードに胡坐をかいていては駄目だと、すざまじい鬼気迫る演技で教えられた。感謝です!

【増井友紀子】さん。

なんという嫌らしいお母さん像だろう。

長男を溺愛するマザー。

チラシの写真が愛らしいので、正直舞台の役柄と一致しない。

凄い。台詞回しもいいし、勘もいい、しかも息子を駄目にする暴走振りなどいい。

底が深い。

【室伏崇】さん。

作品の中での唯一のモテ男。

そうか、そりゃそうだろう。

あの「好き♪」と、端正な笑顔を向けられれば誰でも「うん」と言うのではないか。

いや、僕は言われても御免こうむりたいが、こうむりたいが・・・・・あの笑顔に勝てる自信はない。

それほどのキラースマイル。(ヨンさまかっ!)

モテ男でダメ男の繊細な部分を綺麗に演じられていると思った。

【和田宏治】さん。

髪型のせいではなく、この芝居中、もっとも気になった男優さんだ。

以前、友達の室伏さんに彼女を盗られた過去を持つ。

そのヒネ具合がどうにもうこうにも微妙でいい。

気持ちのいいヒネというか、和田さんが居るからこそ物語が進むのだ。

その羅針盤役がどうにもぴったりだった。

いつか、ガッツリ主役を観たいものだ。

【中野敬祐】さん。

一体、何という捨てられた子犬のような顔をするのだろう?

一般のドラマならジャニーズJrの役どころを難なくこなされているのがいい。

透明感だけで言うなら、キャストの中でぴか一だ。

しかもマザコン!

シックリ来すぎて怖いくらい似合う。

まだ違う引き出しを持ってられおられるのだろうか?

楽しみな方だ。

【溝畑香奈子】さん。

最初のブラパン(ブラジャー、パンティのみの意)で度肝を抜かれた。

その舞台度胸に乾杯!

またキュートなだけでなく、あっさりと色んな役柄をこなされた。

中学生の男。和田さんのモトカノ。など、どれも濃い。

上手いのだ。勘がいいからこなせるのだろうけど、その視線が怖い。

可愛いのに怖い。

これは武器だ。


なにはともあれ、役者陣は最高だった。

しかし、

脚本の・・・というかお話のラストがあれでは後味が悪い。

アンケートにも書いたが、ならばどうすれば良かったか?という話になる。

室伏さんの性格は一生治らない。

いや、治るかもしれないが、今のところ治らない。

ならばどうすれば観客にとっても後味が良くなるのか?それはやはり希望だ。

希望がなければ、出てくるキャラクターが全員が不幸と言う事になる。

希望のない不幸は、あまりにも救いがなく哀れだ。

時々、情け容赦のない話にも出会うが、このお芝居のキャラクター達は幸せになって欲しい。

勝手な言い分かもしれないが、そう切実に感じずにはいられなかった。

またタイトルにもなった【鍋】というワードをもう少し生かして欲しかった。

しかしスター選手の多い劇団さんであると感じた。

これからにも期待します♪

PS
劇中、野菜が飛んでくるのでお気をつけ下さいと前説で言われる。
最前列で見ていて激しい修羅場のときにニンジンが飛んできて足に当たった。
これはもしかしてラッキーなことが舞い降りる前兆か?(笑)