http://www.yomiuri.co.jp/feature/graph/20080608/index.htm (写真)
●加藤容疑者 ホコ天待ち凶行、明確な殺意供述
□職転々…立場不安定/リストラめぐり怒り/最近は親と音信不通
■募った不満爆発
東京・秋葉原の無差別殺傷事件で、静岡県裾野市の派遣社員、加藤智大(ともひろ)容疑者(25)=殺人未遂で現行犯逮捕=が、警視庁万世橋署捜査本部の調べに対し、「正午から歩行者天国になることを知っていた。決意の上での犯行だった」と、明確な殺意をもって犯行に及んだことを認める供述をしていることが11日、分かった。地元・青森市の親については「うまくいっておらず、音信不通だった」としている。捜査本部では、親や職場に対して募らせた不満が犯行を誘発する要因となったとみている。
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≪「止めてくれれば」≫
加藤容疑者は犯行45分前の8日午前11時45分ごろ、秋葉原付近に到着。歩行者天国になる正午を回るまで、近くの路上で待機するなど時間をつぶしていた。
午後0時半。「人がたくさんいるのを知っていた」。秋葉原の交差点にトラックで突っ込んで3人をはね、降車後は殺傷能力の高い両刃のダガーナイフで次々と通行人を襲った。
犯行には6日に福井市で買った6本のナイフのうち「ダガーナイフだけを使った。靴下と上着の胸ポケットには(予備の)ナイフを隠していた」。「何人かはね、警察官を刺したことまでは覚えている」と、記憶があいまいな部分もある。
「ネットの犯行予告に気づいて、誰かが止めてくれればよかった」。被害者への明確な謝罪はない。ただ、「7人が死んだ結果は申し訳ない」と、後悔の念をみせ、結果の重大性を認識し始めているという。
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「自分の人生がいやになった」。契約社員や派遣社員という不安定な立場で職場を転々としてきた加藤容疑者は、自身の境遇に話が及ぶと苦悶(くもん)の表情を浮かべるという。
名門高校に入学したものの、岐阜県内の短大に進んだころから、加藤容疑者の“転落”は始まる。国立大学への編入を希望しながら実現せず、就職先も見つからないままに卒業。「高校入学までは順調だったが、その後は思うようにいかなかった」。短大卒業後、関東や東北を中心に職を求めたが、無断欠勤で解雇されるなどいずれも長続きしなかった。
昨年11月からは静岡県裾野市の自動車部品工場に派遣されていたが、前後する9月~今年2月にかけ、青森市の就職相談所を5回も訪れ、自動車工場の求人票を持って「車が好きで車関係の仕事をやりたい」と話していたという。
5月末には、派遣先の工場で人員削減計画が持ち上がり、自身はリストラの対象でなかったにもかかわらず、同僚に不満を爆発させた。「結局いらなくなったら(クビを)切るのか」
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加藤容疑者は、青森では両親と弟の4人で暮らしていた。事情聴取で生い立ちを尋ねられると、時折涙をみせながら「親とはうまくいっていなかった」と話す。最近は「音信不通」と供述し、同僚にも「親に頼れない」と漏らしていたという。
ため込んできた仕事や親への不満は5日朝に爆発した。出勤した際、「ツナギ(作業着)がなくなり、やけを起こした」。事件の引き金について「このトラブルです」と認める通り、加藤容疑者はこの日から刃物を買ったりトラックをレンタルするなど犯行の準備に入った。
秋葉原に出発する前には趣味のゲーム機やソフト数本を同僚に譲渡。犯行直前には携帯電話のメール履歴といった全データを消去するなど身辺整理を図っており、「周囲に迷惑をかけたくなかった。決意の上での犯行だった」と供述している。
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■「許せない」怒り新た、犠牲者の通夜・告別式
無差別殺傷事件の犠牲となった人たちの通夜や告別式が11日、各地で執り行われた。
東京芸大4年、武藤舞さん(21)の通夜は東京芸大に近い寛永寺輪王殿(台東区)で営まれ、多くの親族や友人らが出席。早すぎる別れを惜しむ出席者の長い列が、会場寺院の山門まで続いた。
参列者によると、白い花が供えられた祭壇に飾られた遺影の舞さんは、にこやかにほほ笑んでいたという。音楽好きの舞さんのため、楽団によるバイオリンが演奏された。出席者らは白いカーネーションを献花し、冥福を祈った。舞さんの両親は、参列者の一人一人と亡くなった娘の思い出を語るなど、気丈に振る舞っていたという。
親族の男性(38)は「以前から音楽の道を目指して、熱心に努力してきたのに報われなかった」と言葉を詰まらせた。高校で舞さんと同級生だった女性(21)は「部活でよく一緒にバイオリンを弾いた。これから活躍するんだと思っていた。(容疑者は)自分が『負け組』と言って、関係ない人を巻き込むなんて許せない」と、あふれる涙をぬぐった。
東京情報大2年の川口隆裕さん(19)の通夜は千葉県流山市の斎場で営まれ、父の健さん(53)は「元気な姿で帰ることはない。胸が張り裂ける思いだ」。さいたま市では会社員、宮本直樹さん(31)の通夜が行われ、父の惇彦さん(60)は「犯人へますます憎しみが沸いている」と目を潤ませた。
無職、中村勝彦さん(74)と調理師、松井満さん(33)の告別式も杉並区と神奈川県厚木市でそれぞれ執り行われ、参列者が理不尽な凶行に、改めて怒りをあらわにした。
【産経新聞】
●頭の中真っ白になった=人数示され「そのぐらい刺した」-秋葉原殺傷の加藤容疑者
17人が死傷した東京・秋葉原の無差別殺傷事件で、派遣社員加藤智大容疑者(25)が警視庁万世橋署捜査本部の調べに、事件当時の状況について「頭の中が真っ白になった」と供述していることが12日、分かった。
ナイフで刺した人数は明確に記憶していないが、取調官に教えられると、「そのぐらい刺した」と認めており、捜査本部が追及している。
同容疑者は携帯電話のサイトへの犯行予告を認めており、「携帯は生活の一部みたいなもので、その都度、書き込んでいた」と供述している。17人のうち、5人がトラックにはねられ、12人が刺されたとみられることも判明した。
【時事通信
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●<秋葉原通り魔>「みんな殺したい」ネット論争で激怒
東京・秋葉原の通り魔事件で、殺人未遂容疑で逮捕された派遣社員、加藤智大(ともひろ)容疑者(25)とみられる人物が、事件の1週間以上前の先月30日と31日、自身が女性にもてず、友達が少ないことを話題とする携帯電話専用のネット掲示板で、論戦に過熱するあまり「みんな殺してしまいたい」などと、「ネット住民」に対する、無差別殺人を予感させる書き込みをしていたことがわかった。
【関連画像】 事件に関連か 5月29~31日にかけての書き込み
31日には加藤容疑者のものとみられる書き込みをした人物が、上京の際、秋葉原に立ち寄ったとする記載があり、ネット上の匿名の論戦が、無差別殺人のきっかけになった可能性もあるとみて、警視庁万世橋署捜査本部は、掲示板サイトの運営会社に協力を求めるなど、事実関係の裏付け捜査を進めている。
問題の掲示板の表題は「【友達できない】不細工に人権無し【彼女できない】」で、5月19日に開設された。加藤容疑者とみられる「主」が、友達がなく、良い仕事につけない「不細工な自分」を「無価値。ゴミの方がマシ」などと書き込んだ。
これに対し、5月29日には「冗談抜きでも友達になりたい」と名乗る女性が登場した。
しかし、翌30日朝、事態が急変する。
異性と交際できない悩みを吐露する「主」に、「友達」が、中卒の自分にも、大卒の交際相手がいることを打ち明け、「人生どう転ぶかわからない。主にもきっと良い相手が出来ると思う」とエールを送った。
これに対し、「主」は、やはり女性は学歴を気にすると反発し、「友達」がファッションに水を向けても、「服に気をつかわないと彼女ができないことはわかりました」などとすね続け、最後は「イライラします。みんな殺してしまいたいです」と書き込んだ。
「友達」がなだめるが、怒りはおさまらず、「殺人予告?」という匿名の問いに「主」は、「予告するならもっと具体的に書きます」と答えた。
以後、「本当の友達が欲しい」と、心の揺れを感じさせる記述もあったが、匿名のネット空間からの返答は、「皆を踏みにじったのはお前。友達できるはずがない。しねよ」。「主」は「ネットいじめにあった」と警察に通報したと書き込んだ。31日、「主」は「服を買い」に東京・上野に向かい、その足で、秋葉原にも寄ったとする記載もある。
この論戦以降、掲示板では、「主」による自虐的な書き込みだけが目立つようになり、6月8日早朝、「秋葉原で人を殺します」と明確な殺意を示した表題の掲示板が別途開設され、連続殺傷に至る経過を詳しく書き込んでいた。
【毎日新聞 】
別日記にて、僕の考えを記したいと思う。