9月16日(日)
伏兵コード VOL.1 【ふくどく】
http://blog.livedoor.jp/fukuhei1/
in→dependent theatre 1st
作・演出 稲田真理
出演
赤星マサノリ(sunday)石原正一(石原正一ショー)
年清由香(sunday)山浦徹(化石オートバイ)稲田真理
全身黒尽くめの男2人女2人。
どうやら自殺志願サイトで出会った4人。
そして決行日を決めるが、それまでに一緒に死ぬという連帯感を得る為に心を通い合わせる。
決行日まで同じ部屋に通う4人。
その隣に住む正義感の強いキチ○イ。
しかもその人物は他の黒尽くめと正反対の白尽くめ。
親や会社、社会に弾き飛ばされ辿り着いた一室。
そんなストーリー。
観劇前から 作・演出 稲田真理さんの怨念。などと書かれていた舞台。
チャラ、椎名林檎、などに代表される子宮でモノを創作できる人間なのだろうと漠然と思っていたのだが、今日観劇をして やはり!と思えた。
稲田真理さんの異常性と狂気は、今までの人生の中で子宮でしか感じるコトの出来ない想いを孕ませていた。
事の前後と、善と悪、親と子、表裏一体の世界を、じわじわと僕らの心を蝕んでいくように染み込んでいく。
柳田役の 【赤星マサノリ】 さん。建前と本音の両面を、さすがに易々と飛び越えられる。何処に出しても恥ずかしくないほどの好青年から、やっかみの闇から発狂する道程までを完璧に演じられていた。特にラストの自我崩壊に至るヤバさは身震いモノだった。
隊中役の 【石原正一】 さん。最初から蓋をしてもしても零れ出す一途な恋心を止められないバカ正直な男を演じられた。その小心的で、オドオドした身振りは見ていて痛々しく、それだけで隊中という男の小ささが窺い知れるというものだ。さすがでした!
由利役の 【年清由香】 さん。盲目的に母親に愛されその重荷から逃れようともがく女を完璧に演じられた。その内に宿るファンシーと悪意の同居に悩みながらも切り替えが出来る器用さを持っている幼女。そんなキュートながら中途半端に生きなければならない女を素晴らしいテンションで演じきられていた。
まこと役の 【山浦徹】 さん。最初から狂気を携えた眼光に驚く。爪を噛みながらブツブツと呟き、まわりを爬虫類のように見渡す仕種。長いソバージュが眼にかぶり狂気が更に促進されている。舞台上で他の役者にからむ白い正義の何たる疎ましさよ!
小原役の 【稲田真理】 さん。彼女が発するオーラと演じるイケイケの攻撃的なキャラクターが見事にリンクしている。そのヤバさが舞台の全体を滞留する。そして場面が進むたびにその滞留した空気が沈殿していくのが分かる。彼女が叫んでいる。彼女が泣いている。彼女が発狂している。
舞台袖の左部分は取っ払われ、右だけにしか役者ははけない状況。
だからこそ舞台をいつもより広く使える。
舞台の中心になる椅子と机を様々な場所に移動する事によって時間の経緯を示したりする演出もいい。
そうした流れがこの5人の仲間間で完璧に出来上がっている。
阿吽。
その呼吸が心地よく、気持ちいい。
次回 【伏兵コード】 は来年のコレぐらいの時期を目指すとのコト。
面白い子宮で創作するアーティストがここに誕生した事を嬉しく思った夜。