【どろろ】
やっと観ちゃいました!
原作漫画 手塚治虫では、日本の戦国時代という設定であったものが、過去でも未来でもない神話的なニュアンスを前面に押し出すことに成功したのは、あの 映画【ロード・オブ・ザ・リング】 でのロケ地ニュージーランドでの雄大なロケーションに寄る所が大きい。
観る人間によれば、受け入れ難い拒絶反応が起こるかも知れない。
日本的な庶民の町並みから、一転して【ハウルの動く城】の如き、要塞のような醍醐城から、合戦や、妖怪と戦う百鬼丸とのビジュアルは、完全にファンタジーの世界の王道を越えていた。
ほとばしる感情と、目まぐるしい攻防、色鮮やかに映し出される画面のコンストラスト、そしてあの【CASSHERN】でのデザインで僕を虜にした 【百武朋】さんのモンスターデザインが画面狭しと暴れ回る爽快感。
百鬼丸が様々な業を呑み込みながらも、この映画のコピーでもある【絶望を、ぶった斬れ。今こそ、生き抜く勇気を】を実践する抜刀術は美しくもあり、はかなくもあった。
画面の何処を切っても、絵葉書になりそうな美しい情景と、見せ場の連続。
とても、あの【黄泉がえり】 の監督をされた方と同じとは思えないエンターテイメントぶりだ。
塩田明彦 監督は、この映画の公開時にキャンペーンで回っていた主演の二人、妻夫木聡と柴咲コウ がこう語っている。
『寡黙な監督で、ぼそぼそと喋る』
だから現場のテンションと画面のテンションの違いに二人は面食らったという。
秘すれば花。
胸にイチモツ。
それを持った監督であるという証明だ。
既に、第2、3作目まで連続撮影が決定している目玉作品である。
そして、それだけの膨大なバックボーンを有している作品であるからして、何も恐れる必要はない。
やりたいようにやる。
そうそう、この衣装を担当したのが黒澤明の娘さんで 【黒澤和子】 さんで、この方の作られた衣装は、使い古した感がすざまじく出ていて、作品的に合っていて見事という他ない。特に主演二人のボロボロな衣装は、生活観を感じさせ嬉しくなった。(僕の主観的な余談だが、あの香取慎吾主演の【西遊記】も本当はこの方に衣装デザインをやって貰いたかった!)
それに出ている役者のスケール感や瑞々しさは、よくも今、この時間を画面に映し出せたものだと強く思う。
百鬼丸役の妻夫木聡 の透明感は、今をおいて他にはないというくらいのタイミングであった。
役上でも20歳くらいという微妙な年齢どころを軽やかに、そして強く演じ切られた。見事!
そして柴咲コウにいたっては、漫画にはない女という設定を真正面から堂々と演じられた。脚本家の【NAKA雅MURA】さんが最初から当て書き(その役者を念頭に書き進めるコト)した事を、そのまま受け入れ役柄を出し切ったのは凄い。
とにもかくにも、どろろと百鬼丸・・・・これから後2作 旅は終らないので楽しみな作品である。
そして、また何度か観かえして見たい作品でもある。