続 痴漢アカン | 日々幸進(ひびこうしん)

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演劇、音楽、TVドラマ、映画、バラエティ、漫画、アニメ、特撮、他を色々自分の視点で面白しろ可笑しくね♪

先日、『痴漢』 について色々と語らせてもらった。

事の外、ご好評だったらしく、コメントも重なった。

と、いう訳で前回のヒキの部分であった、僕が 【痴漢】 に遭ったという部分を、ノンフィクションで小説風に書き下ろしたいと思うが・・・・・・正直、引かないで欲しいと切に願う僕が居るのを忘れないでくださいませませ( ̄Д ̄;;

では、始まり、始まりい





その日、彼は大阪で待ち合わせの友達に会うべく ○阪電車にて大阪へ向かった。


特急。

それは59分間の小旅行のようでもあった。

彼は高校1年生。

梅田方面にファイブという、漫画本が山と積まれた本屋があるビルへ向かっていた。

いつもなら違う路線。

つまり阪○電車に乗りたいのだが、その日はバイトの都合上、友達よりも遅い出発の上、乗る場所もそのバイト先からだったので、京○電車に乗る事となった。

淀屋橋なら梅田と違って、ファイブまで距離はあったが、高1の彼にとって歩く事はちっとも苦痛ではなかった事が、これから起こる悲劇を誘発したなどと一体誰が想像しえたであろうか?


大きく揺らめきながら車両がホームに滑り込んできた。

軋み音をたてながら電車は止まる。

そのサビを感じる車輪に、工場地帯の揺れる陽炎を夢想し彼は遠い目をする。

客2人がその扉から降りると彼列に続きは中に入った。

やがて、

電車はホームを出てゆく。


絶望を載せて。


思ったより人が密集している。

が、

通勤ラッシュほどではなく、まだ腕が動かせるだけでなく、身体の向きも変えられる程度のものだ。

季節は春である。

いや、春というには汗ばむ陽気である。

初夏であると言っても言い過ぎではない。

そんな爽やかな天気を電車は、何処吹く風だ。

いつも通り、いつものように同じ路線をゆるやかに走る。


そんな行程を半分以上過ぎた頃だろうか?

彼に異変が起こった。


最初、その感触は固い物であった。

つまり、

カバンの角とか、荷物の類のものであった。

彼の尻肉にめり込む硬質感は、致し方ないものであった。

だか車両の揺れとリンクする動きは、不可抗力であり何ら不思議はないものであった。

しばらく時間が過ぎる。

と、

違和感が彼を包む。


カタク・・・・・・・ナイ


そう、

尻に感じる感触が痛くない。

それこそ、このまま続けば皮がこすれてめくれ上がるのでは?ぐらいの勢いだった痛さが知らぬ間になくなっている。

そればかりか、

生暖かい感触が臀部から感じ取れたのである。

ふと、その後ろを振り向こうとしたのだが、彼の体勢はいつの間にか身動きが取れない体勢へと変貌していたのである。

洗面器に乗せられた砂が横揺れで、次第に隙間がなくなっていくにも似た現象である。

ビックリした。

顔をやっとの事で自分の後方へ少しだけ向けることが出来た。

人の身体と腕や荷物の隙間から、彼の尻部分に伸びた手を見止めるコトが出来た。

まさか・・・・

そう、まさかである。

ガクン!と、電車が揺れる。

少し尻から離れた手が甲の部分である事が分かった。

そうか、ならおかしいことはない。

密集した場所ゆえに人のあらゆる部分が引っ付くのは致し方のないコトだ。

彼は、そう納得した。

しかし、

悪夢は思ったよりも速い速度で彼の胸を締め付けた。


尻に細長いモノがめり込んだのである。

しかも、

それは一本ではなく、二本でもなく、三本でもないという事実である。

彼は、もう一度、後方を確認すべく身をよじる。

そこでやっと自分のケツ部分に伸びた手が甲ではなく、手の平である事実を知る事になるのである。


まさか!?


最初、遠慮がちであった指の動きが徐々にシフトアップしてきているのを感じた。

車輪の甲高い摩擦音が遠くに感じた。

うにょうにょと蠢く指が、更に大胆に尻全体を撫で始めた。

悪寒が、ゾッとした。

もう間違いはなかった。

彼は何とか、その手をやり過ごそうと方向を入れ替えるようもがいた。

しかしもがけばもがくほど、相手の動きに合わせてしまい喜ばせているような気になった。

恨めしい思いを目に込め、彼は今度こそ、その犯人を見極めるべく首を捻じ曲げた。

その瞬間、

彼の目に飛び込んできたモノは、

あまりの衝撃で息が止まってしまうほどのものであった。






オッサン であった。



そう、

オッサン。


歳は40を過ぎたくらいであろうか?スーツを着ている。

髭を剃ったばかりであるのに、青々とした剃り残しは不潔に映った。

そう考えると、尻部分に感じるオッサンの手は汗で湿っているように感じて吐きそうになった。


そうこうしている内に・・・・・・・

目が合った。




にやり



オッサンが笑った。



声が・・・・デナカッタ。

金切り声を絞りだせるはずの声が、萎縮してしまい声が出ないのである。

コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、コワイ、

ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ、


記号と化した思いだけが胸の中で何度も何度も小さな爆発を起こす。


怖かった。

もう・・・・声が出ないことが、こんなに怖い事だとは思いもしなかった。


気が付けば、駅に着こうとしていたのである。

彼は、電車が止まった瞬間、降りる駅でもないのにドアの方へ人込みと共に外に出た。

随分と人の流れにもまれた彼は自分が木の葉のように感じていた。


男は消えていた。


脱力感と、シャワーを浴びたような汗が次から次へと溢れ出る。

座り込みたかった。

しかし、

ここで座り込みたくはなかった。

彼は急いで違う車両に乗り込み友達との待ち合わせ場所へと向かった。

ドアのガラス部分に手を付けて外を眺めていた。

本当にあった出来事であろうか?

嘘みたいな時間だった。

そこで彼は自分の腕が震えているコトに気が付いた。

何とか普通に見えるよう努めたが、身体はなかなかいうことを利かない。



時間は流れ・・・・・思い出すにあれは23年前の出来事・・・・・・・

オッサンの顔は思い出せないが、今でもあの口元 【にやり】 は鳥肌が立つように脳内に焼き付いてしまっている。