人は自分より無能な人間と話すとき、苛々するものだ。
いや、それは時と場合による。
ある時は慈愛と慰安をもって、ある時は優しさと切なさをもって。
今日、僕はあるお客さんと話しをした。
客のレベルでいうならサイアクではないが、それに近い程のレベルの客だ。
あるパチンコ店の雇われ店長。
その昔、いや昔といっても最近だろうが田舎のパチンコ屋の店長であったという。
そこを辞めて、どうゆう経緯かウチのお客さんの店の店長になった。
そしてうちに依頼があったのである。
『屋上 水銀灯のランプが消えているので、灯くようにしてくれ』
よくある依頼だ。
後日、僕らはその水銀灯のW数と電圧を見てランプを持っていった。
HF1000X。
しかしランプはつかなかった。
安定器が悪いのだ。
蛍光灯、水銀灯には安定器と呼ばれる電圧を安定させる器具がついている。
要するに電気は電圧によって電気器具を動かす。
100V、200Vの電圧はコンスタントに供給されるものではない。
ばらつきがあったりする電圧を安定器と呼ばれる箇所で貯蔵する事により、器具に流してトータル的に同じ電圧を供給できるようにするものである。
で、
『では安定器を替えます』
しかし、客には水銀灯ランプを替えてダメなら安定器を替えるという発想が範疇外なので理解できない。
それも全くだ。
だが、これは僕ら電気屋なら当然なコト。
そして水銀灯を扱う店舗なら、ある程度の予備知識としてこれらの作業工程は頭にある。
だが、この店長は理解できないのだ。
僕はこの同じ説明を何百回もお経のように唱える事になる。
何度も、何度も・・・・・・
それこそ永遠なのでは?と、思うほど・・・・・・・
疲れた。
本当に疲れた。
本当に苛々した。
僕らの仕事は、いやどのような仕事でもそうなのだろうが、メンテナンスの仕事はひとつづつしかコマを進めることは出来ない。
それを理解してもらう事が、僕らのスタートライン。
本来なら、お客さんであるその店長に苛々してはならないのかも知れない。
しかし、この人物の性格の悪さが僕の心をチクチクと刺激する。
こっちも何百件と、このての仕事をこなしてきているのだ。
それしか方法がないのだ。
しかし、どうしても金が絡むと納得できない感覚がある。
もう・・・・・不毛な言葉のやり取りが、作業終了から1時間以上に渡って続けられた。
理解してもらわなければ、出来ない仕事。
理解してもらわなければ、交わせない言葉。
理解してもらわなければ、交わらない人間関係。
もう・・・・・本当はこんなコト、書く気はなかったのに、書いてしまった。
ゴメン。