「舟を編む」読了 | もりの日記

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先日、友だちと飲んでいたら
「まだ読んでないの?おもしろいよ!」
とおススメされたこの本。

「舟を編む」(三浦しをん・光文社文庫)

まだ読んでいませんでした。

存在は知ってたし、内容も興味のあるものだし、この作家さんは好きで何冊か他の作品は読んでるし。
さらに言うなら、この本がきっかけで作られたであろう、Eテレの辞書編集部を追った番組も見ているくらいである。

何ゆえ読んでいなかったのか。
それはもう、「一番好きなものは最後にとっておくの」みたいな言い訳しか許されていないかもしれません。


【ストーリー】
辞書編集部に引き抜かれた馬締(まじめ)を中心に、辞書編集に関わる面々と、辞書が作られていくさまが描かれる。

まぁ、こんな感じです。

言葉を発する時につい、
「あれ?これ本来はどういう意味なんだっけ?」
「語源はなんだろう?」
なんて考えて、調べてしまうような方にはおすすめです。
まさにこんな感じの登場人物が出てきます。

そして一方で、辞書編集部にいながら距離のある目で見ている西岡、新たに配属される岸辺など、やや外側からの目線が見られるのもいいところ。
そうじゃないと、ちょっとヒイてしまう人がいるかもしれません。

とはいえ、何かを好きになり、それに夢中になる、とはこういうことなんだなと。
「辞書」や「言葉」が好きでたまりません!!という人はそう多くはないだろうけれども、自分の「好き」に置き換えたら、わかりますもんねぇ。

時の流れ方、その場面展開の潔さも良かったです。
(これは詳しく書かないでおきます)

また、この後に想像される急展開のシーンが、ページ左でなく、次のページをめくった場所になっているのも、ありがたかった。これは先が読めそうなときに、うっかり目を走らせて先の文章を見てしまいそうで、左の方のページを手で隠しながら読むことがあるので(特にラストシーンとか)。
しかしこれは、文庫だけかな?書籍だとずれてくるんだろうか??

あとは、こう、主人公と周りが一丸となって進んでいくときに、邪魔をする意地悪な人間が出てこないというのも、ストレスにならなくて良かったです。トラブルは何度か起きるけれども、なんというか、あからさまな嫌なやつ、みたいなのがね、いない。辞書編集部を邪魔しようとするお偉方、とかライバル社の、とかなんかこう、そういうのいらないからー、と思ってしまう時があるので(これがカタルシスを生むことも否定できないけど)。

主人公・馬締の誠意ある性格も良かったな。だから周りが、ああやってサポートしたりするんだろうね。

というわけで、期待通りの良い本でした\(^_^)/



舟を編む (光文社文庫)/三浦 しをん
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