会場
世田谷区北沢地区会館

タイトル
第10回菊龍勉強会

出演
古今亭菊龍

演目
『大山参り』

『花筏』

『生徒の作文』

☆この日、噺に出てくる江戸時代の通貨についての考察が大変興味深い物がありました。
『大山参り』の罰金と『花筏』の礼金が同じく2分でした。この2分という価値はどのくらいでしょうか?

『紺屋高尾』という噺に、花代が10両、これが3年分の年収という件があります。年収が3~4両になります。

『大山参り』に出てくる罰金は2分、これは年収が3両=12分とすると2か月分の給料だとなります。

『花筏』で提灯屋さんの1日の礼金は同じく2分、これは提灯屋の1日の稼ぎの2倍だと云います。提灯屋の1日の稼ぎは1分=1/4両、月収が5~7両となります。

演者により『紺屋高尾』あるいは同様な噺『幾代餅』の花代の10両は同じですが、これは1年分の年収に足りないので、親方が足してあげるという件があります。年収は9両位になってしまいます。

噺により随分差があるように思えます。噺ができた時代により、1両小判の金の含有率が違い貨幣価値が異なるという事でしょうか。

また、『時そば』ではそばが一杯16文です。これは銭です。江戸時代は金本位制と銀本位制と銭があり、3体制でこれまたややこしくですね。

1両(金貨)=4分(金貨)
1分=4朱(銀貨)
1朱=250文(銭)

☆『花筏』の噺で連想されるのが、1983年6月猪木vsハルク・ホーガン戦(IWGP決勝戦)。負けるはずのない猪木が、ホーガンのアックスボンバーを食らって立ち上がってこない。勝ってしまったホーガンは『花筏』の代役の提灯屋さんのように、困惑しながらリング上を頭をかきながらぐるぐる歩きまわったとさ。