偶然にも

私が感動した歌が


娘の好きなアニメの歌を歌ってる人だった


不思議だね






同じ 声を選ぶとは


なかなか

やるやん!


娘が今月


私との一緒の生活から

離れて 暮らす事を選んだ


今まで目の前にいた


離れると言う事

きっと娘は あまりわかっていない

自分の夢や人生を心に描き

決めたのだろう


今更、何か言うつもりもない


なぜなら

それは、自分で決めた道だから


私も

そう生きてきた



自分の道は自分で決めてきた


辛い 悲しい 寂しい


そんなレベルではない


私の母は痴呆で入院した先で

娘も息子も好きな事させてきたから

真っ直ぐに育ったと話したらしい


ハハハ


母はそう思っているのかもね


いやいや、スイッチ入った時に

母が私に言った


前にもあったね

あなたは私を嫌いでしょって


前って

私が高校生の頃かな

専門学校生の頃かな


母とほとんど口も聞かず

私は多感で孤独だった

実家を出ることしか考えてなかった

母から最悪に傷つく言葉を浴びたのも

浴びせたのもこの頃


母は何となく覚えてるのかもね

痴呆でスイッチが入った時

私に一瞬怯えるのも

私に殺意あるか?って感じる瞬間があるのも

そんな過去があるからかな


あの頃 母は言っていた

貴方が親を選べないように

私も子を選べない

貴方が母を理解できないように

私も貴方を理解できない


私は貴方の親だから

仕方ない


親だからやるんだ

貴方は嫌だろうけど

私は貴方の親だからと



なんだ それ


私は母の言葉に絶望だった


親になったからには

親と言うものは

親なら子どもに

親は子どもに対して責任がある


母は、あまり世間を知らない

だから、嫁いだら最後までと思ってたんだ

頑固を通り越して

強情な


そこらから生まれた私

そりゃ 理解なんてできないさ

ある意味 母は可哀そう

私?

普通じゃないから

魔物?妖怪?

強いから笑


あの頃

口を真っ直ぐにして

黙り

にらみ

私をののしる姿


私も母を馬鹿にして

無視 反抗 

スイッチ入ったら弾丸のごとく

言葉の嵐


何が合わなかったか?


母は真面目 頑固 マイペース しきたり 

私は要領よく スピードと直感に新しく 自由

そりゃ何もかも合わない


小さな頃は

親って事で子を強さで押さえていた

私は勉強も当たり前にした

しかし


私は自由だったから 黙ってはいなかった

二十歳で家を出て ホントに自由になった


バブル時代

母からしたら

私は宇宙人だったろうな


今、

病院の鍵のかかる重たい扉から出てくる母は

いつも右手を上げて

にこやかに私を見る

元気?って私も母もお互い笑顔


母は今自分が置かれている場所や

環境について


なんとなく 受け入れてるのかも


娘に迷惑かけたくない

自分1人では暮らせない

夫が死にやっと呪縛から解放された

しかし、思っていたより1人は

寂しいし孤独だし

楽しく無いんだと思う


5秒前の事はわからない母

今 母を見るたびに

抱きしめてあげたくなる

寂しいかも

辛いかも

でも、笑顔で私を見ている気がする

本心なんだよね 母さん

たまに 

あれ?ここどこ?何でここに?

そんな感覚になるんだろうな

でも5秒経つと忘れる

忘れることが、良いか

忘れないことが良いか


何を忘れて

何が大事で


人生って


今って


母の生き方


私の生き方


そして私の娘の生き方


それぞれ違うは当たり前


時代も違う


昨日、外出して

母は喜んでいた

病院のごはん全部食べてる

体力落ちないように歩いてるし

友達もできたし、不自由はないし

大丈夫よ

そう、母は言っていた


春になったら

私と一緒に暮らすんだって

考えてるみたい


そうだね


私は

そう、答えた

きっと それは叶わない

でも、

一緒に暮らそうって答えてあげたい


夜、病院に戻る時

警備員さんが一緒に病棟まで

同行した

母は警備員さんに

ありがとうございます

病棟から迎えに出てきた看護師に

ありがとうございます

そして

気をつけて帰ってねと私に言う母を見て

うん、ありがとうと言い握手する私を見て

警備員さんは

優しいお母さんですね

まだまだ大丈夫 


そう言っていた


車に戻った

私は

自分に言った


大丈夫って


私も娘や息子に

こんな思いをさせる日がくるのか


今はまだ

子どもたちは

自分の前にある道だけ見て進んでほしいね