大学入試共通テストが中学入試に大きく影響を与えている。今回はそれについて述べる。我ながら神回の予感です(笑)。
一、平成30年度に、大学入試センターが発表した試行問題、並びに令和3年度1回(漢文、大問2)では、大問1で異なる二つの文章が提示され、融合的理解を求める問題が出題された。それ以来、中学入試でもこの型の出題が増えている。
本年度入試では
自修館、筑附、森村、浅野、城西川越第一回大、山手A、高輪中A
、三田国際第一回
で同様の出題形式が見られた。高校入試では本年度開成高校入試でこの型が採用されたことが話題となった。
二、座談会形式で文章を分析しあう問題が令和2年、令和3年1回、令和3年2回に出ている。臨機応変な会話はAIにはできないことなので、出題が増えると予想していたところ、、中学入試においても
江戸女1回、浦明、市川、浦和実業第一回、大宮開成(2問出す)、栄東第一回、自修館、芝浦柏第一回、西武文理第一回、筑附、東京農大一3回,日大藤沢1回、森村1回、麗澤第一回AE、城玉1回、逗子開成1回、成城第一回、藤嶺藤沢(第一回)、大妻多摩総合進学第一回、神奈川学園A、国府台女子第一回、淑徳与野第一回、日大豊山女子4科・2科、横浜雙葉(みそ汁のつくり方)
で見られた。
三、図表と文章との融合問題ともいうべき問題が出題されている。
①文章内容を図表化する(試行問題、令和3年1回)
②文章中に図表が ある(試行問題)
③文中から建物などの位置関係を読み取らせ、図にあてはめさせる(令和2年漢文)
④文章から発展研究として、資料・図表などを与え、自説などをまとめさせる(試行問題、令和3年1回)
中学受験でもこれらの出題形式が取り入れたのは下記の中学である。
①浦明、西武文理、筑附、香蘭第一回、北鎌倉女子2科第一回、洗足第一回、横浜共立A、横浜雙葉、
②芝中1回大問1、都市大第一回、和洋国府台第一回、お茶の水
③山手A、、トキワ松第一回
④浦和実業、海城第一回
その他共通テストに影響された出題形式として、
⑤グラフを読み取り、データが示すことを答えさせる
~獨協、浦和実業、大宮開成、春日部共栄、都市大等々力、星野理数選抜入試第二回
⑥文章と関係なく資料、図表から自説を発表させる
~日大藤沢(レジ袋有料化の目的)、三田国際第一回(条件を示した後、グループワークのリーダーとしてどう行動するか)、鎌倉学園第一回
その他文章とヴィジュアルとの融合という意味では、筑駒の詩(詩が逆山型の意味)、神奈川学園A午前(慣用句の意味を漫画で答えさせる)、湘南白百合4教科(赤ちゃんの体調が悪かった時の対応フロチャートの完成)、捜真A1(ポスターが訴えるもの、コロナ感染者の年代別の割合を示すのに最もふさわしいグラフ)などの出題が目立つ。
四、まとめ
以上から大学入試共通テストは中学入試に甚大な影響を与えていることが明らかとなった。既に公立高校の入試は共通テストの縮小版と化している。国語教育全体が国策を背景に大きく変わらざるを得ないといえる。各塾もカリキュラム、テキストの改訂を迫られている。
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