2026年4月28日午後7時 サントリ-ホ-ル

読響 第657回定期演奏会

指揮=アイヴァー・ボルトン
天使(メゾ・ソプラノ)=ベス・テイラー
ゲロンティアス(テノール)=トーマス・アトキンス
司祭/苦悶の天使(バリトン)=クリストファー・モルトマン
合唱=新国立劇場合唱団(合唱指揮=冨平恭平)

コンサートマスター:林 悠介
曲目
■エルガー:オラトリオ「ゲロンティアスの夢」 作品38

 

 

◇感想

曲について

主人公ゲロンティアスが亡くなり魂になって昇天し、天使に導かれ煉獄に至る過程を描いた1900年初演のオラトリオ。

エルガーの曲は聴かせどころの独唱の曲と合唱の曲は用意されているが劇的な構成力はマーラ-「復活」から比べると弱い。

しかし最後の合唱と管弦楽は感動的な名曲。

 

◇歌手について

〇ゲロンティアス役(テノール)トーマス・アトキンス

出番が長いので抑え気味の歌唱、声量は小さい。

第Ⅰ部《聖なるかな、力ある方》では高音の発声は時折不安定になり、かすれ声になった。

第Ⅱ部《私を連れて行き、最も深い淵に置いてください》はしみじみと歌った。

全体的に声質は艶のある明るい美声で聴いていて気持ちが良い。

〇天使(メゾ・ソプラノ)ベス・テイラー

昨年10月ドゥダメル指揮ロサンジェルス・フィルのマーラ-交響曲第2番「復活」を歌った、美声でとおりの良い声質だった。

第Ⅱ部で天使役の歌唱は堂々と貫禄があるマーラ-「復活」を思わせる歌唱で低い声はアルトに近い声質。

強い声を出しても歌唱は安定しタフな声の持ち主。

〇司祭/苦悶の天使(バリトン)クリストファー・モルトマン

胸板が厚くがっちりしていて日本人歌手とは比べ物にならない立派な体格。

第Ⅰ部司祭の歌唱《旅立ちなさい、キリスト者の魂よ》

は声量が大きく声質も深みがあって良く響く声で聴きごたえがあった。

第Ⅱ部では苦悶の天使役を歌ったが強靭な声で声量が衰えることはなかった。

〇合唱

男女合計100名、女声58名、男声42名。

歌によって強弱のコントラストを付けていた。

第Ⅱ部は迫力がありスケ-ルの大きい演奏だった。

◇指揮アイヴァー・ボルトン

曲に表情がしっかり付けられていた。

リズムに躍動感があり音楽に生命力があってフォーレ《レクイエム》のように天国を穏やかに描いた。

◇読響の演奏

読響の色彩感が中間色で落ち着いた響きでエルガ-にマッチングしていた。

演奏慣れしていない曲の割には出来がよかった。

 

◇座席

会員席の更新で2階RB10列から6列へ移動、音量が大きくなり迫力が増して聴こえる。

 

◇観客

7割から8割位の入り。曲の知名度が低いので入りがいつもより悪いようだ。