2026年5月13日午後7時 サントリ-ホール

第1030回サントリー定期シリーズ

指揮:アンドレア・バッティストーニ(首席指揮者)

ソプラノ:高橋 維*

コンサ-トマスタ-:近藤 薫

◇感想

シューマン『子供の情景』とマーラー:交響曲第4番の共通なものがありそうだ。

『子供の情景』は子供の善良さと対立する残酷さの共有。

マーラー:交響曲第4番は安らぎと喧騒、涙と笑い、死神と天上の世界が対立して現れる。

会場の冊子によるとマ-ラ-はこの対立した存在を1903年に演奏した指揮者ユリウス・ブーツにリクエストしたとのこと。

聴いていて単調な感じがしないのは極端な世界の対比にあるようだ。

バッティストーニはかなり情感を込めて指揮をしていたがオケからはその通りのフレ-ジングに聴こえなかった。

両者のコンビは長いがバッティストーニの頭の中の音楽を理解するのが難しいのだろうか?

ソプラノ:高橋 維さんの天上の世界の女神のような可憐な美声と白い衣装はマッチングしてビジュアル的にとてもよかった。

 

■『子供の情景』管弦楽版

編曲はロマン派の様式に近い管弦楽版に聴こえNHK放送「名曲アルバム」の演奏のように聴こえた。

 

■マーラー:交響曲第4番

第1楽章

鈴の音がメルヘンチックで演奏はアンサンブルが良くて好調。

鈴については馬車の鈴なのかと思っていたがテオドール・アドルノは「道化の鈴」と呼んでいた。

 

第2楽章

「死神の踊り」を象徴するコンマスが調弦を変えたもう1台のヴァイオリンの演奏は思ったより難しそうに弾いていた。

 

第3楽章

この楽章はメロディ-のフレ-ジングがぎこちなくバッティストーニの思い描いた音楽は充分表現が出来ていないように感じた。特に弱音の美しいメロディ-の部分では頼りない明滅する響きに聴こえた。

 

第4楽章

ソプラノ:高橋維( ゆい)さんはコロラトゥーラで活躍した軽快で可憐な美声。

ウエディング・ドレスのような舞台衣装は目を惹いた。

声量は小さいが明るく軽快な柔らかい声質。

女神のように天国的な雰囲気があって曲想にはまった。

 

 

◇座席

2階バルコニ-RBブロック4列会員S席。オケの音量は大きめで木管、金管がはっきり聴こえる。

 

◇観客

1階は8割位、2階は7割位の入り。中高年の男女が多い。

東京フィルは名曲プログラムのコンサ-トのほうが定演より入りが良いことが多く雰囲気もトークが入るのでなごやか。