2024年8月15日午後2時 東京オペラシティ-

東京二期会プレミアムコンサート2024

ミシェル・プラッソン日本ラストコンサート Au revoir!

Au revoir!「オ- ㇽヴォワ-ㇽ」はフランス語で「さようなら」。

指揮:ミシェル・プラッソン

ソプラノ:大村博美 **

バリトン:小森輝彦 **

管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

合唱:二期会合唱団(合唱指揮:大島義彰)* 

オルガン:石丸由佳 ***

 

 

 

 

曲目

・ラヴェル:「マ・メール・ロワ」

・ラヴェル:「ダフニスとクロエ」より 第2組曲*

・フォーレ:「レクイエム」op.48* ** ***

(アンコール)フォーレ:ラシーヌの雅歌(讃歌)  * 

フランス音楽界の巨匠ミシェル・プラッソン(1933-)は1968年から1983年までトゥールーズ・キャピトール歌劇場音楽監督、1980年から2003年まではトゥールーズ・キャピトール国立管弦楽団の首席指揮者2005年にはパリ管と来日公演。二期会と2010年「ファウストの劫罰」、13年「ホフマン物語」、19年マスネの「エロディアード」を指揮。

 

・ラヴェル:「マ・メール・ロワ」

・ラヴェル:「ダフニスとクロエ」より 第2組曲

東京フィルから出てくる音はミュンシュ(1891-1968)、クリュイタンス(1905-1967)でもなくアナログレコ-ドで聴いた一世代前のピエ-ル・モントゥ-(1875-1964)の音の響きに最も似ていた。新しい音楽の旗手ピエ-ル・ブーレ-ズ(1925-2016)が登場した後にもかかわらずプラッソンの演奏は柔和でレトロな響き。ゆっくりしたテンポの演奏は綿々とフランスの古き良き時代のエスプリの香華が漂ってくる。

ミシェル・プラッソンの右手でフランス音楽の歌いまわしのテンポが決められピエ-ル・モントゥ-のように遅いミシェル・プラッソンのテンポは合奏の精度が上がってきれいにハモっていた。

難をいうと「ダフニスとクロエ」曲最後のクライマックスのffは音量が控えめで迫力は思ったより出てこない。

合唱は発声が上手く音程も取れていて水準は高いが女声は少し甲高さが目立った。男声はキ-が低いので女声より甲高さは目立たない。何よりも東京フィルがフランスの音楽の柔らかい色彩的な響きを出せたのが驚きだった。

 

・フォーレ:「レクイエム」op.48

東京フィルの演奏はラヴェルの曲ではラヴェル固有のクリスタルな透きとおった響きは抑えられていたので東京フィルの優しく温和な響きはフォーレの曲想に一層近い。

レクイエムでは独唱のソプラノとバリトンが加わったがソプラノ:大村博美は7月18日から27日のオペラ「蝶々夫人」3公演のせいか声が少し疲れ気味でハスキ-、発声は上手いが声量がもう少し大きければ申し分はない。バリトン:小森輝彦の声質は天国に近い世界の曲想としては少し暗い。発声は上手く音程の不安定さはなく水準は高い。

女声合唱はラヴェルより甲高さは抑えられ、男声合唱の響きは豊かさがあり澄んでいて美しかった。

 

(アンコール)

フォーレ:ラシーヌの雅歌(讃歌)

今回の演奏で最も感動的な出来映え。指揮者の細かい曲想の手の振りに合わせるだけではなく自発的に東京フィルの奏者、男女合唱が魂を込めてプラッソンへの送別の辞のような美しい演奏をして終えた。

 

気持ちの伝わる深いお辞儀

 

 

 

座席は2階R1列57番A席、2階バルコニ-右でセンタ-ブロックに近く舞台から遠い。先日のサントリ-ホ-ルRCブロック5列と似て残響音が強めでオケの音量は小さいが独唱の声量、声質はわかる。

 

座席は1階後方は空席が多く7割位の入り。2階、3階は左右のブロックは満席に近い。2階センタ-ブロック後方は空席が多い。

同時刻東京芸術劇場で東京フィルのハートフルコンサート2024の演奏会。黒栁徹子(お話)、平原綾香(Vo)のJupiterが出演の人気が高くチケットは完売。