2024年6月11日午後7時 ミューザ川崎
チョ・ソンジン ピアノ・リサイタル 2024
オ-ル ラヴェル プログラム
ピアノはスタインウエイ
前半
・グロテスクなセレナード
ラヴェル初期の曲で1975年に出版、名前の通りラヴェル特有の美しさに欠ける。
・古風なメヌエット
シャブリエの影響を受けたラヴェルらしい古典的な美しいメヌエット。
チョ・ソンジンのピアノの音色が2022年8月オペラシティの時と変わって半透明な音色に変わっていた。
パリ音楽院でベロフに師事したチョ・ソンジンには自分のイメ-ジのラヴェルの音なのだろう。
この曲までは一つ一つタッチの音が分離できていない。
・ソナチネ
チョ・ソンジンのピアノのタッチがここから明瞭になる。
このシンプルで美しい曲を聴くと坂本龍一が影響を受けているような気がする。
・鏡
『鏡』第1曲の『蛾』ではチョ・ソンジンが蛾が飛び回る様子をリアルに演奏していて上手さを感じた。
第4曲『道化師の歌』は指は良く動いているが躍動するリズム感とメリハリが少し物足りない。
後半
・夜のガスパール
1曲目『オンディ-ヌ』ここに終始現れるアルペジオの技巧がこの演奏会で最高の出来に感じた。
2曲目『絞首台』内省的に沈潜し精神的な経験として情景を現しているかのような演奏。
3曲目『スカルボ』ミスタッチがこの曲で1回出たが他はノーミス。練習量が多いのだろう。
・高雅で感傷的なワルツ
フランスの粋なリズム感ではないが技巧的には完成度が高い。
・クープランの墓
第5曲メヌエット、終わりの第6曲トッカ-タで急に生き生きし気分がノリ始める。
初めからこういう演奏を期待したが2022年8月の演奏もラストでは別人のようにノリが良くダイナミックな演奏だった。
アンコ-ル
・亡き王女のためのパヴァーヌ
チョ・ソンジンのかつてのような明晰で美しいピアノの音色になった。
最後の集中力を使って非常に美しい演奏。
前半
・グロテスクなセレナード
・古風なメヌエット
・ソナチネ
・鏡
後半
・夜のガスパール
・高雅で感傷的なワルツ
・クープランの墓
アンコ-ル
・亡き王女のためのパヴァーヌ