2024年5月27日午後7時 サントリ-ホール

山田和樹指揮モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団 p 藤田真央

 

プレト-クに運動靴で登場の藤田真央は山田和樹に身だしなみをやんわり注意される。

 

 

 

曲目

前半

・ベートーヴェン:序曲「コリオラン」 Op. 62

・ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第3番 ハ短調 Op. 37 [ピアノ独奏:藤田真央]

・ピアノ アンコ-ル ブラ-ムス「8つのピアノの小品より第8番カプリッチョ」

後半

・ベルリオーズ:幻想交響曲 Op. 14

アンコ-ル
ビゼ- アルルの女 第2組曲「ファランド-ル」

 

・ベートーヴェン:序曲「コリオラン」 Op. 62

南仏のニ-スに近いモナコ公国のオケだが響きはパリ管のようなフランスのオケの響き。
華麗で明るい管弦楽のサウンドにリズム感の良い打楽器奏者。
ベ-ト-ベンらしい重厚な響きではないがリズム感は良くノリの良い演奏は楽しめた。
 
・ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第3番 ハ短調 Op. 37 [ピアノ独奏:藤田真央]
藤田真央の演奏は流麗でタッチが美しく愛くるしいチャ-ミングな演奏。
重厚ではない華麗な響きは若い美形の女性ピアニストが弾いているかのようでまるでモーツァルトの曲と思ってしまう。
藤田真央の滑らかな演奏も質は高いが個人的にはメリハリの効いた演奏の方がベートーヴェンらしく好み。
 
山田和樹の指揮はピアノにぴったり寄り添いモンテカルロフィルも指揮に敏感に反応していた。
 
・ベルリオーズ:幻想交響曲 Op. 14
この曲はフランスのオケではないと華麗な響きにはならない。
モンテカルロ・フィルは多分フランスのオケのような響きかと思って演奏会に来たらそのとおりで大正解。
幻想交響曲の第1楽章「夢・情熱」は夢見心地のような曲想に相応しい弦楽器の華麗な響き。
第2楽章「舞踏会」のダンスのリズム感は本場らしく山田和樹の踊るような指揮は逆に野暮ったく見えるくらい。
第3楽章「野の風景」のイングリッシュホルンの音の美しさに聴き惚れ、遠雷の2台のティンパニ-奏者達の呼吸はぴったり合っていた。
第4楽章「断頭台の行進」金管楽器のアンサンブルは柔らかく明るい響きでチュ-バは迫力満点。
ティンパニ-2台を4人の打楽器奏者が叩いてぴったり揃うリズム感の良さには驚く。
第5楽章「魔女の夜宴の夢」オケ全員がフルパワ-の音量で大熱演。
少し鐘の音がずれ気味に聴こえたがこれほどやる気に満ちた演奏はなかなか耳にできない凄みのある演奏。
 
アンコ-ル
ビゼ- アルルの女 第2組曲「ファランド-ル」
打楽器奏者のプロヴァンス太鼓がオケの熱気をあおりお祭り騒ぎ。
他のオケと本気度合いが違う熱狂的で感動的なクライマックス。
こんなに全面的にやる気満々で自分たちも楽しんで演奏するオケは少ない。
 
観客からは盛大な歓声と拍手。
 
モンテカルロ・フィルのヴァイオリンは通常は華麗で明るい響きだがffでは硬い響きになる。楽器の質の問題か?
チェロは明るくて大きな音で響きの良さは秀逸、コントラバスも力強い音が出る。
木管は華麗な響き。首席クラリネット、首席オーボエ、イングリッシュホルンは上手。
金管は強い響きで日本のオケよりしっかり音が出る。
打楽器奏者のリズム感は良く合奏能力が高い。
 
打楽器奏者の記念撮影 左端がプロヴァンス太鼓
 
引き上げた演奏者が珍しく戻ってきてカーテンコ-ル、左の白いワイシャツが山田和樹
 
座席は2階RD4列B席、2階右後方ブロックの4列目。
このオケでは充分な音量だが日本のオケだと小さ目な音だろう。
残響音はたっぷりありオケの音もホールの響きも美しい。
 
チケットは完売。座席は満席に近い。中高年の男女がメイン。
 
少し観光気分もありそうだがオケが楽しんで演奏してくれたので思いっきり楽しめた演奏会。
6年前のモンテカルロの透きとおった青い空を思い出す。
 
旧市街
 
モンテカルロ・フィルの演奏会場の一つ モンテカルロ歌劇場
 
モンテカルロ歌劇場に隣接するカジノは玄関先は出入り自由
 
モンテカルロ歌劇場に近い観光スポットのカジノ前のカフェ。
 
カジノ前
 
平安時代の日本の貴族は舟遊びをしたがモナコは豪華な舟が港にいっぱい。

 

マンションが山から海岸へ連なる。似ているのは熱海?
 
モナコ王妃 親日家のグレ-ス・ケリ-の墓