2023年10月18日19時 東京芸術劇場 池袋
クラウス・マケラ指揮オスロ・フィルハ-モニ-管弦楽団
シベリウス作曲 交響曲第2番,交響曲第5番
オスロ・フィルハ-モニ-管弦楽団は1879年グリ-グ等の設立したノルウェ-の音楽協会を起源とする。歴代の指揮者にはブロムシュテット、マリス・ヤンソンス、アンドレ・プレヴィンなど。
指揮者クラウス・マケラはフィンランド出身で1996年生まれ。
2018年、2022年東京都交響楽団と2022年パリ管弦楽団を東京で指揮、パリ管弦楽団の音楽監督となり注目を集める。
マケラの特徴はしなやかなリズム感と音楽の流れのよどみのない自然さは聴いていてとても気持ちが良い。
今回のシベリウスの交響曲の演奏はオスロ・フィルが強い個性を発揮し開放的で分厚い響きの弦楽器、表情豊かな木管楽器、迫力のある金管楽器と打楽器の演奏。
シベリウス交響曲第2番はシベリウス節を存分に奏で、テュ-バのパイプオルガンのような迫力のある低い音は和声に厚みが加わり魅力的。
交響曲第5番は響きに繊細さが不足ぎみだったが締めの最後の6回の和音はぴったり揃っていた。
アンコ-ルの「レンミンカイネンの帰郷」はブラスバンドのような華々しい音響と躍動するリズムの演奏。
以上が公演の感想。
オスモ・ヴァンスカ/ミネソタ管のシベリウスの交響曲全集と比べてクラウス・マケラ指揮オスロ・フィルの交響曲全集は曲想の細部の表情が不足している。
カラヤンは音楽性がないといわれ多くの曲ではそのように感じたが普通の音楽ファンなら曲がわかりやすくマケラより曲の理解力はシベリウスの交響曲で比較するとはるかに高かった。
クラウス・マケラは人気が先行し音楽を逆に有名オケから教えてもらっている状態に近い。
何故有名なオケから重宝されるかは音楽の流れが自然でリズム感が良い指揮者が他にいないからだろう。
30代から60代まで海外の有名なオケで自己中心のテンポと曲想の指揮をし音楽の流れが悪い指揮者がそこそこ多い。
マケラの不足している音楽の深さは有名オケなら指揮者に教えることができて相乗効果。
マケラはその辺のオケとの距離感の取り方は上手い。
現在オスロフィル、パリ管の首席指揮者、2027年からロイヤル・コンセルトヘボウ菅の首席指揮者、2027年シカゴ交響楽団の音楽監督に就任する予定。