2024年5月11日午後6時 NHK交響楽団 第2010回 定期公演 A NHKホール

曲目
・パンフィリ/戦いに生きて[日本初演]
・レスピーギ/交響詩「ローマの松」
・レスピーギ/交響詩「ローマの噴水」
・レスピーギ/交響詩「ローマの祭り」
ファビオ・ルイージ指揮/NHK交響楽団
 
 
 
【マエストロ・インタビュー】ファビオ・ルイージ/5月N響定期公演について (youtube.com)
 
・パンフィリ/戦いに生きて[日本初演]
ファビオ・ルイージによると感情表現に優れていて色彩感があるのがパンフィリの曲の長所とのこと。
「戦いに生きて」はベート-ベンとヴェルディを結ぶ「戦い」をイメ-ジしている曲とはパンフィリの発言。
戦いとは戦争ではなく革新的な芸術活動を意味しているようだ。
曲の冒頭弦楽器の弱音で始まりハープの響きが加わる。
発展してティンパニ-の暴力的ともいえる連打。
最後はチェロの瞑想的な演奏で曲が終える。
演奏会で初めて聴いてもメロディ-は覚えにくくYOU TUBEで何回も聴くと確かに色彩的というルイージの発言は納得。
最後のチェロの演奏が最大の聴きどころのようだ。
ルイージ指揮RAI交響楽団
(74) Riccardo Panfili - Abitare la battaglia - YouTube
 
・レスピーギ/交響詩「ローマの松」
・レスピーギ/交響詩「ローマの噴水」
・レスピーギ/交響詩「ローマの祭り」
N響の演奏は長老の指揮者とは上手くいく傾向がある。
テンポが遅めで曲の理解力が高い指揮者、代表的なのはかつてはマタチッチ、今はブロムシュテット。
4月のエッシェンバッハ指揮のようにブルックナ-7番の曲想を自発的に付けるように水を向けられるとどのように演奏してよいか演奏者は困ってしまうように見えた。
 
2022年9月ブラ-ムス交響曲第2番のルイ-ジの指揮は第4楽章では演奏者の重いリズム感の演奏を許さないタクトさばきで曲の終り頃にはティンパニ-奏者が必死の形相となっていた。
ルイ-ジは昨年11月のロイヤルコンセルトヘボウ菅の共演のようにN響がシャ-プなリズム感についてこれないのを悟り指揮の考えを変更したかのように見える。
 
変更点はテンポをあまり揺さぶらない、テンポを団員に合わせ早くし過ぎない、指揮で大きな身振りは減らす。
今回の演奏は非常に完成度が高く破綻がない、かつてのN響の伝統的なノリに戻った。
しかしルイ-ジの「ローマの祭り」の時に踊るような身振りをしてもN響は踊りの曲想に対応できていない。
 
演奏後は満員に近い観客から大喝采。
 
演奏後の喝采中、添付画像からはルイ-ジ周辺の演奏者は無表情に近い。
一方ルイ-ジをマロ氏(篠崎史紀氏)(ふみのり)が余裕しゃくしゃくの表情で微笑みながら見ている。
ルイ-ジの緊張感に溢れた表情とは対照的。
親近度が近い画像からはコンマス マロ氏はオケと指揮者をつなぐパイプ役で重要な人物に見える。
 
座席は3階R6列14番 D席。3階の右で前から6列目。
音量は小さめだが明瞭度は良く音響的なクセはない。
 
観客にはブラスバンドの高校生の団体もいて若い年齢層がいつもより多い。
3階はいつもと違い空席は殆どなく満席に近い。